【琉球ゴールデンキングス×BEAMS】コラボから生まれる相乗効果で「沖縄からグローバルに」

株式会社ビームス(BEAMS)が展開する「BEAMS SPORTS」と、沖縄のプロバスケットボールチーム「琉球ゴールデンキングス」とのコラボレーションプロジェクト「KINGS with BEAMS SPORTS」が誕生した。プロジェクト第一弾として1月からオリジナルファッションアイテムを発売し、コラボレーションムービーを公開。新宿駅構内でポップアップショップも開催中だ。

スポーツカルチャーを身近に感じるきっかけをつくるブランド「BEAMS SPORTS」とB.LEAGUE屈指のチームにコラボについて、BEAMS SPORTS佐野氏と琉球ゴールデンキングス仲間氏に語っていただいた。(初出=NESTBOWL

仲間 陸人さん(写真:右)
沖縄バスケットボール株式会社 マーケティング本部責任者/沖縄アリーナ株式会社 取締役
沖縄県那覇市出身。2012年、プロバスケットボールチーム「琉球ゴールデンキングス」にインターン生として参加したのち入社。チケット事業を中心に、ファンクラブ運営、グッズ飲食開発などを担当。2022年からはチームのホーム施設である「沖縄アリーナ」の指定管理業務を担う沖縄アリーナ株式会社の役員も務める。ソフト(琉球ゴールデンキングス)とハード(沖縄アリーナ)の一体経営を行う同グループで活躍中。

佐野 明政さん(写真:左)
株式会社ビームス クリエイティブ ビジネスプロデュース部 プロデューサー
愛知県名古屋市出身。2000年BEAMSに入社。ショップスタッフを経験したのち、アウトレット事業、ライフスタイル業態であるビーミングライフストアの立ち上げを手掛ける。2016年よりBEAMS JAPANのプロジェクトリーダーを務め、立ち上げから現在まで、「日本の魅力的なモノ・コト・ヒト」を国内外に発信する数々の企画を主導。2022年からは、『BEAMS SPORTS』を担当。持ち前のユニークな企画力・発信力・コラボ力を活かし、ファッション×スポーツの可能性を追求している。サッカーをはじめ、大のスポーツファン。

沖縄のバスケ人気の凄さ

――まずはおふたりに、「琉球ゴールデンキングス」と「BEAMS SPORTS」についてご紹介いただけますか。

仲間 陸人さん(以下、仲間):「琉球ゴールデンキングス」は、2007年に誕生した沖縄のプロバスケットボールチームで、国内プロバスケットボールリーグB.LEAGUE「B1」に所属しています。B1リーグ屈指の人気チームで、現在観客動員数、チケット収入は全国トップ。チケット収入は、2位チームの2倍を誇ります。成績は、国内大会優勝4回、国際大会優勝1回。強豪チームとしても知られています。

佐野 明政さん(以下、佐野):「BEAMS SPORTS」は、スポーツとファッションの掛け合わせで、誰もが楽しめるスポーツカルチャーを提案するブランドです。これまでチームユニフォーム、応援グッズ、ウエアやイベントを手掛けてスポーツを盛り上げるだけでなく、モノや音楽、漫画、食なども取り入れた楽しくアクティブなライフスタイルを発信しています。

――数あるプロスポーツのなかでも、沖縄ではバスケットボールが特に人気だと伺いました。

仲間:沖縄にはバスケットの他に、サッカー、ハンドボール、卓球のプロチームがありますが、ダントツで人気があるのがバスケですね。米軍基地があってアメリカ文化が根づいているので、アメリカで人気があるバスケは沖縄県民にとってとても身近なスポーツなんです。バスケのコートもあちこちにあって、アメリカの軍人さんと一緒にプレイしたりするのも沖縄ではごく当たり前の光景なんですよ。

小さな縁がコラボにつながった

――「BEAMS SPORTS」とのコラボは、何がきっかけだったのですか。

佐野:「BEAMS SPORTS」のスタッフの後輩で、「琉球ゴールデンキングス」さんのアシスタントコーチに就任した方がいたんです。そうしたご縁から、一緒になにかができたらいいな、と考えていたところ仲間さんを紹介されて意気投合。仲間さんから「10月からB1の新シーズンが始まるので早めにやることを決めましょう」と言われ、急ピッチで話が進みました。コラボの話が始まったのが2022年の夏。9月には大枠が決まり、2023年1月に商品販売開始、という流れになりました。

BEAMS SPORTS 佐野明政氏

――仲間さんはこのコラボの話を聞いたとき、どのような印象を持たれたのでしょう。

仲間:実はBEAMSさんのことはよく知らなかったんですよ。名前は聞いたことがあるけれど、どんなブランドかは知りませんでした。というのも沖縄にはBEAMSのアウトレット店舗が1店舗しかなくて。すみません(苦笑)。だからまず、BEAMSについて調べました。

調べ始めると、人気があって素晴らしいブランドであることがすぐにわかったのですが、それ以上に僕が興味を持ったのは、BEAMSのブランディング力。ファッションの先端をいく会社以上の魅力がありました。それを引っ張っている一人が佐野さんですから、佐野さんがプロデューサーを努める「BEAMS SPORTS」と組むことにいい匂いというか、「これはぜったいに一緒にやりたい」と思いました。

――「BEAMS SPORTS」 以前にもコラボ経験はあるんですよね?

仲間:ありますが、沖縄県内企業とのコラボしかできていなかったんです。琉球ゴールデンキングスの活動理念は「沖縄をもっと元気に」。その言葉通り、沖縄をもっと元気にして、「沖縄=バスケ=キングス」にしたいと思っていました。

一般的に沖縄といえば、リゾートとか観光地のイメージが強いですが、それだけではなく、沖縄の土日は海や水族館に行くよりも、キングスの試合を観に行く、というぐらい琉球ゴールデンキングスの知名度を高めたい。

そして沖縄だけではなく、もっと外に出て大きな存在になりたい。そうするには県内、つまり内側から発信するのではなく、外に出て発信しなければ、と思っていました。「BEAMS SPORTS」 さんと組めば、それが実現できるのではないか、と。

琉球ゴールデンキングス 仲間 陸人氏

「佐野&仲間」が最強のケミストリーを生む

――コラボにおいては数々の実績を持つ佐野さんですが、今回はとくに実現までのスピード感がすごいですよね。

佐野:出会いが2022年の夏で、商品発売が2023年1月ですから、すごいスピードで実現しました。これだけ早く話が進んだのは、キングスさんのビジネスにおいてさまざまな決定権を持つ仲間さんと組めたこと、そして何より仲間さんのやりたいことが明確だったからだと思います。コラボって、お互いの目線合わせにいちばん時間がかかるのですが、ここがとてもスムーズでした。

――方向性を決めてからは、具体的にどんなコラボに向けて走り始めることになったのですか。

佐野:コラボ商品の作りこみ、ポップアップショップの準備、コンセプトムービー制作です。まず商品づくりに関しては、BEAMSが得意としてきたアメリカ文化をバスケという要素に入れ込むだけでなく、「着たい」「欲しい」と思ってもらえるデザインにしました。アイテムづくりには、アメリカがもっとも良かった頃のスタイルを提案するレーベル「BEAMS PLUS」のディレクター、溝端秀基が企画に携わっています。

「KINGS with BEAMS SPORTS」オリジナルファッションアイテム

――佐野さんは、以前から、試合を観に行くときに身につけるだけでなく、デイリーでも身につけたくなるアイテムづくりにこだわっていますよね。

佐野:日本のスポーツ界って、まだまだファッションに落とし込めていない部分が多いと感じます。一方でアメリカのメジャーリーグのアイテムなどは、特にファンじゃなくてもファッションとして身につける人も多いじゃないですか。今回のコラボアイテムも、ファン以外の方にも手に取ってもらえるようになると嬉しいですし、それが可能なデザインになっていると思います。

新宿で沖縄アリーナを体感できるポップアップショップ

――ポップアップショップも斬新で、臨場感がすごいですね。

佐野:今回のコラボの話が出たすぐあとに、キングスさんの本拠地、沖縄アリーナで試合を観戦したんです。僕は本場アメリカでもNBAの試合を見たことがあるのですが、510インチの大型スクリーンや、音響、レーザー演出などがまさにNBAさながらのアリーナで、大感激しました。

アメリカにも負けないアリーナが日本に、そして沖縄にある。それをたくさんの方々に伝えたいし、何より臨場感を味わってほしかった。1月10日から新宿駅構内のビームス ニューズで展開しているポップアップショップには、幅180cmのバスケットゴールを設置。さらには音と光も体感でき、五感を刺激する空間になっています。

コラボをきっかけに、グローバル進出を

― 仲間さんとしては、今回のコラボを、キングスさんの未来にどうつなげていきたいですか。

仲間:先ほどもお話したように、沖縄といえば琉球ゴールデンキングス、というイメージを定着させたいですね。たとえば広島=広島カープのように、すぐに皆が思い浮かべてくれるような存在を目指しています。そしてローカルポジションだけではなく、グローバルな視野でキングスをアジアに、世界に広げていきたいですね。

佐野:そうそう。例えば台湾はバスケが人気だし、ビームスも進出していますからね。

仲間:「BEAMS SPORTS」 さんとのコラボは、今回限りではなく、いろいろな取り組みを今後も共にやっていけたらと思っています。佐野さんと話をしていると、やりたいアイディアがどんどん出てきます。今はそうしたアイディアを何のためにやるのか?と互いに意見をすり合わせながら、今後のことを考えているといった感じですね。「BEAMS SPORTS」さんとコラボしたことで、僕自身学ぶことがたくさんありましたし、ものすごく視野が広がりました。社内でもみんなよくコラボの話をしています。本当にやってよかったです。

佐野:「BEAMS SPORTS」も、大好きなスポーツを軸に、どんどんビジネスを広げていきたいと考えています。スポーツで日本を豊かにするってすごく夢があるじゃないですか。キングスさんの基盤、立地は、アジアのマーケットを獲得するのに適していると思っています 。日本発のプロスポーツチームが海外進出して成功する。それをキングスさんとも一緒に取り組んでいきたいですね。

『KINGS with BEAMS SPORTS』ポップアップショップ
場所:「ビームス ニューズ」
期間:2023年1月10日(火)〜2月2日(木)
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷5-24-55 ニュウマン新宿 2F エキナカ(JR新宿駅新南改札内)
営業時間:平日・土=9:00–21:00、日・祝=9:00–20:30
※都合により、内容・期日等が変更または中止になる場合がございます。
最新の情報は「ビームス ニューズ」のホームページをご確認ください。