「全く新しい組織をつくる」日本ハンドボールリーグの構造改革とは【SBJオンラインセミナー第1回】

日本スポーツ産業学会と株式会社コングレの主催で行われるスポーツビジネスの専門展示会&コンファレンス「スポーツビジネスジャパン」。今年から新たに始まったセミナーシリーズ「スポーツビジネスジャパン オンラインセミナー2021」では、5月に開催された初回に引き続き、7月には第2回が予定されている。

セミナー第1回では、開会の挨拶に日本スポーツ産業学会 理事・運営委員長の中村好男氏が登壇。コロナ禍での情報発信の新しい形としてセミナーへの期待を述べた。その後、早稲田大学スポーツ科学学術院 教授の間野義之氏と一般社団法人日本ハンドボールリーグ代表理事の葦原一正氏をパネリストに、シンクタンク・ソフィアバンク代表の藤沢久美氏がモデレーターとなって、「日本のスポーツビジネスは本当に世界で通用しないのか」をテーマとしてパネルディスカッションが行われた。

申込みは定員を大きく上回る500名以上。スポーツビジネスの課題への関心の高まりがうかがえる中、リーグマネジメントの現場から生の声を聞く貴重な機会となった。

ハンドボールリーグに見る「ガバナンス」の重要性

ディスカッションの議題の中心になったのは、日本ハンドボールリーグの法人化に伴う、新たな代表理事の選任過程について。間野氏は代表理事を選考する第三者による選考委員会で委員長を務め、選任されたのが葦原氏だ。日本のスポーツビジネスが発展する要件の一つとして葦原氏が提唱する「ガバナンス」について丁寧に紐解いていった。

選任の過程については、選考委員会は、まず代表理事の要件定義から始めたという。そして、候補者の中から選任する際、名前を出さずに候補者の特性だけを見て議論するという異例の形を採った。藤沢氏は「国内はもちろん海外を見ても、スポーツ界・ビジネス界でリーダーを決めるのに、このような(氏名非開示の)事例は考えられない」と驚きを露わにした。

葦原氏は、「よくハンドボールに全く関係ない第三者を選んだなと思いました。最初にハンドボール協会の理事をやりませんかかと聞かれたときは、『え、僕ですか?』と驚きました。でもこの選考プロセスを間野さんから聞いて、協会が改革に対して本気なんだと分かって。いつの間にか引き受けてましたね(笑)」と振り返る。

セッションの後半は、参加者から寄せられる質問を随時採りあげる形で議論が進み、新しい組織をつくるために重視した「意思決定プロセス」、アメリカに見られる閉鎖型と欧州に見られる開放型などの「リーグ構造・リーグマネジメント」などのトピックにも言及された。

これら当日のパネルディスカッションは、以下からもアーカイブ動画を視聴できる。

次回テーマは「スポーツベッティング」

来たるセミナー第2回は、7月20日(火)に、「スポーツベッティングが秘める日本スポーツへのインパクト」をテーマとして、株式会社ミクシィ 代表取締役社長の木村弘毅氏、TEAMマーケティング Head of APAC SalesでJリーグアドバイザーも務める岡部恭英氏が登壇する。

セミナーでは、日本のスポーツ界の新たな収入源のひとつとして、スポーツベッティングがどのように機能するのか、欧米での先行事例を引用しながら議論する予定だ。

第2回セミナー概要

#2「スポーツベッティングが秘める日本スポーツへのインパクト」

開催日時:2021年7月20日(火) 18:00-19:30/オンライン
参加費:無料(事前申込)
申込方法:公式Webサイトより https://www.sportsbusiness.jp/onlineseminar/20210720/
参加人数:300名(先着順)
登壇者:
木村 弘毅氏(株式会社ミクシィ 代表取締役社長)
岡部 恭英氏(TEAMマーケティング Head of APAC Sales/Jリーグアドバイザー)
主催:日本スポーツ産業学会、株式会社コングレ
メディアパートナー:HALF TIME株式会社
公式Webサイト:https://www.sportsbusiness.jp/onlineseminar/20210720/

※セミナーのスポンサー企業も募集中。問い合わせは公式Webサイトより