スポーツベッティングは「日本のスポーツ振興の起爆剤」。ミクシィ木村社長×Jリーグアドバイザー岡部氏が語る、その大きな可能性【SBJオンラインセミナー第2回】

毎年開催されるスポーツビジネスの専門展示会&コンファレンス「スポーツビジネスジャパン」が今年から新たにオンラインセミナーを開始。第2回はミクシィ木村弘毅社長とJリーグアドバイザーも務めるTEAMマーケティング岡部恭英氏がスポーツベッティングの可能性を議論した。

待望される、国内市場のイノベーション

「小さくなっていく経済を再拡大するには2つの手段しかありません。海外ビジネスの拡大、もしくは国内市場におけるイノベーションです」

岡部氏がこう話すのは、日本のスポーツビジネスに新たな革新を期待しているからに他ならない。欧州サッカー界で放映権とスポンサーシップビジネスに関わる同氏が、拠点を置くスイスからゲストとして紹介したのが、株式会社ミクシィ代表取締役社長の木村弘毅氏だ。

ミクシィはBリーグ千葉ジェッツの経営権を持つほか、FC東京のスポンサードなども行うなど様々な形でスポーツ領域への関わりを深めてきた。

テーマは「スポーツベッティング」。木村氏は早稲田大学大学院スポーツ科学研究科で、スポーツベッティング市場について研究し修士号を取得するなど、この分野への造詣も深い。

日本国内では競輪・競馬といった公営競技やtotoなど一部の例を除き、スポーツでの賭け事は合法化されていない。とはいえ世界的に見ればその市場は大きく、デジタルの力を駆使し、依存症などに正しく対処できれば新たなスポーツの楽しみ方も提供できるというのが木村氏の見方だ。

国内7兆円規模の市場に

現在スポーツベッティングの合法化が州ごとに進む米国では、2030年までに約16兆円市場になると推測されている。事業者はもちろんスポーツ団体は新たな収益源となり、政府にも税収が入るなど好循環も生まれる。こうした財源を活用してコロナ渦に苦しむ学生への奨学金支援やキャリアプログラムも展開されるなど、多面的な広がりを見せる。

木村氏は「日本のスポーツベッティングが解禁されれば、7兆円市場のポテンシャルがある」と説明する。懸念される依存症への対応についても、利用者がセーフガード(限度額)を設定するなどの米国の事例を取り上げ、テクノロジーを活用することで回避できると指摘した。

この規模感について、岡部氏は「現在のスポーツビジネスにおいて、世界全体のスポンサーシップ市場が7兆円程度と言われています。ベッティングは、国内の市場だけでそれに匹敵することになる」と補足し、そのインパクトを強調する。

他にも、受講者からの質問を受けながらIR関連法案との関連性、日本企業がスポーツベッティングにおいてプラットフォーマーになるための戦略など、様々なトピックについて議論が展開された。これら当日の内容は、以下のアーカイブから視聴できる。

次回テーマはFC今治の「里山スタジアム」

第3回オンラインセミナーは8月20日(金)に開催が決定。テーマは、FC今治が進める新たなプロジェクト「里山スタジアム」だ。

登壇するのは、新国立競技場や埼玉スタジアムなど、国内トップのスポーツ施設設計実績を持つ、株式会社梓設計の永廣正邦氏と、FC今治の運営企業である株式会社今治.夢スポーツ 代表取締役の矢野将文氏。

自然環境に馴染みながら、試合日以外も楽しむことができ、地域の人々に愛されることを目指す新たなスタジアム。FC今治と新スタジアムのキーパーソンが地方都市におけるスポーツのあり方を紹介する。

第3回セミナー概要

#3「地域で育てて、一緒に成長するスタジアム『FC今治と進める里山スタジアムとは?』」

「民設民営のスキームにおける地域密着型クラブとスタジアムの役割について」

開催日時:2021年8月20日(金) 17:00-18:30/オンライン

参加費:無料(事前申込)

申込方法:公式Webサイトより https://www.sportsbusiness.jp/onlineseminar/20210820/

参加人数:300名(先着順)

登壇者:

永廣 正邦氏(株式会社梓設計 常務執行役員 プリンシパルアーキテクト スポーツ・エンターテインメントドメイン長)

矢野 将文氏(株式会社今治.夢スポーツ 代表取締役社長)

主催:日本スポーツ産業学会、株式会社コングレ

メディアパートナー:HALF TIME株式会社

公式Webサイト:https://www.sportsbusiness.jp/onlineseminar/20210820/

※セミナーのスポンサー企業も募集中。問い合わせは公式Webサイトより