マンチェスター・シティ、子ども向けアイデアソンを開催へ 

子どもたちがマッチデー・エクスペリエンス改革。優秀アイデアは試験導入も

マンチェスター・シティは、2019年7月6日(土)に、子どもを対象としたワークショップ「City Startup Challenge Kids」を開催する。シティ・フットボール・グループ(CFG)の協力のもと、7歳から11歳までの子どもたちが、マッチデー・エクスペリエンス(試合観戦日の体験)を向上させるアイデアを考える。

ワークショップは、同クラブのトレーニング及びユース育成施設である「シティ・フットボール・アカデミー」で行われ、アントレプレナーシップやスタートアップについて、また、テクノロジーが如何にスポーツを変化させているかなどが紹介される。子どもたちは、親が見守る中、サステナビリティー、パーソナライゼーション、グローバル・アプローチなどの5つのテーマに沿って、グループワークを通してアイデアを議論。最後は、CFGの代表者に対してプレゼンテーションを行う予定だ。

それぞれのテーマの最優秀アイデアは、その後実現可能性が検討され、次のシーズンにCFGのクラブで試験導入することも視野に入っている。

CFGのチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)であるヌリア・タレ氏は、次のように語っている。

「シティ・フットボール・グループでは、サッカーにテクノロジーを取り入れ、常に革新的であることを誇りに思う。グループで次世代のサッカーファンとのエンゲージを目指す中、新しいクリエイティブ・シンカーと関わることができ、興奮している」

「子どもたちは非常に創造力豊かであり、このイベントがそのアイデアを発展させられることを願う。一層テクノロジーとスポーツについて学んでもらい、楽しんで、新しい方法で私たちがサッカーの未来を考えられるよう手助けしてほしい」[1]

■スタートアップとの連携強化 オープン・コラボレーションで共創

CFGは、これまでもオープン・コラボレーションに取り組んでいる。今年3月には、スタートアップ向けのアクセラレーション・プログラム「City Startup Challenge」を発表し、今回はその子ども版となる。

「City Startup Challenge」では、スタートアップを今年の6月24日から5日間のプログラムに招待し、CFGのエグゼクティブと共に、プロジェクトプランニングを行う。テーマは子ども版と同じく「マッチデー・エクスペリエンス」で、最優秀企業には、パイロットテストを展開する資金が拠出される。

同プログラムは、CFGと1.15億ドル規模のスポーツベンチャー・ファンドを立ち上げたサファイア・ベンチャーズや、英国政府の国際通商省(Department for International Trade:DIT)が支援しており、CFGはスタートアップと協業するユニークな機会を提供している。

それ以前には、2016年と2017年に、「#HackMCFC」をキーワードに、サッカークラブでは初となるハッカソンをエティハドスタジアムで開催した。英パフォームグループのコンテンツブランド「OptaPro」が試合データを提供し、専門家と学生がチームと選手のパフォーマンスについて分析し、新しいインサイトやアイデアをまとめた。

この際も、専門家には賞金だけでなく、クラブに対するソリューションの開発機会、学生にはインターンシップの機会が提供され、外部パートナーとのエンゲージを進めていた。

オープン・コラボレーションをプログラム化することで、スタートアップ企業から子どもたちにまで広げて取り組みを展開。マンチェスター・シティのテクノロジーとイノベーションへの取り組みは、今後も続きそうだ。

◇参照

1. Manchester City FC