Bリーグでは、各チームを支援するスポンサーに加えて、リーグ全体を支援するパートナー企業が大きな役割を果たしています。
どのような企業がスポンサー契約を結んでいるのか、そして、Bリーグのスポンサー料金はどれくらいなのか、詳しく調べました。
スポンサー事情に興味がある方は、必見の内容です。
Bリーグのスポンサー料金はどれくらい?
Bリーグに限らず、プロスポーツの運営において重要なのがスポンサーです。
スポンサー収入は、試合時の入場料収入やグッズの収益と並び、チームの収益の柱となっています。
Bリーグでは、スポンサー料金の詳細などのデータは公開されていませんが、一般的には、チームの収入の半数はスポンサー料金で賄われているとされています。ただし、一部のチームは、スポンサーからの収益が約70%を占めるなど、スポンサー依存度がより高くなっているとされています。
スポンサー収入が70%を超えているとされるのが、アルバルク東京やシーホース三河、川崎ブレイブサンダースや名古屋ダイヤモンドドルフィンズ、サンロッカーズ渋谷の5チーム。
これらのチームは、Bリーグの前身であるNBL時代から大企業のチームを母体とし、NBLからも支援を受けていた主要チームであるというのが共通項です。
アルバルク東京はトヨタ、シーホース三河はアイシン、川崎ブレイブサンダースは東芝といった具合に、それぞれの母体である大企業がそのままスポンサーとなり、チームと強固な関係を築いています。
そして、Bリーグのチーム収益の平均は4~5億円。最高で年間10億円程度とされています。
メインのスポンサー料金は、年間1~2億円前後であるといわれていますが、上記チームのような古くからの母体企業であれば、それ以上の金額になることもあるでしょう。
また、億単位の金額を出してもらう大口スポンサーだけでなく、小口スポンサーを多数集めて収益につなげる手法も見られます。
小口スポンサーの料金は公開されているものもあり、サンロッカーズ渋谷の場合、協賛料金が10万円のブロンズパートナーをはじめ、同20万円のシルバーパートナー、同30万円のゴールドパートナーまで3段階で公募しています。
小口スポンサーは、ユニフォームにロゴを入れることはできないようですが、試合会場となるホームアリーナに社名やロゴを掲示してもらったり、チームの公式サイトにバナー広告を掲載してもらったりすることができます。
そして、1試合につき1枚の優先招待券が付き、全主催試合のチケットが10%オフで購入できるといった特典があります。10万円でスポンサーになれるとあれば、地元の中小企業にとっては大きなメリットがあるので、企業にとっては敷居も低く、得意先にもアピールできるので反響があるようです。
B.LEAGUE TOP PARTNERはソフトバンク
2020年6月、通信大手のソフトバンクが、Bリーグのトップパートナーの契約を更新したことを発表しました。
同社は、リーグ創設当初の2016年にBリーグとのトップパートナー契約を結び、試合のインターネット中継も行っています。
スポンサー料金は4年総額120億円ともされていますが、正式には公開されていません。その契約を今回更新しましたが、契約年数や金額についてはやはり非公開となっています。
ソフトバンクは、2016年から子会社のヤフーと共同で、スマートフォンやタブレットでスポーツの生中継が見放題の「スポナビライブ」を配信しています。
同サービスはプロ野球やMLB、海外サッカーなど多彩なコンテンツを誇りますが、Bリーグ中継も目玉コンテンツのひとつ。
ソフトバンクの孫正義社長は、スポーツ事業を手掛ける意義について、「ソフトバンクの携帯電話は地方では低かったが、プロ野球に進出してみるみるシェアが拡大し、福岡を中心に200億~300億円の利益を押し上げた。NHKが全国放送で毎日『ソフトバンクホークス』と言ってくれるのは大きい。その広告効果は毎年400億~500億円ある」と話しています。
プロ野球への参入が自社に大きな広告効果を与えたことで、バスケットボールにもトップパートナーとして参入を決めたといえるでしょう。
バスケットボールは米国の4大プロスポーツ(アメフト、野球、バスケットボール、アイスホッケー)のひとつで、トップリーグのNBAは大変な人気を誇っていますが、日本では、中高生の競技人口が60万人ありながら、プロリーグの存在感はまだまだの状態です。
しかし、裏を返せば、マーケットとしてののびしろはまだまだ大きく、日本でのバスケットボールの人気が高くなれば、それを支援する自社の名声も高まり、大きなメリットがあると社長は判断したのかもしれません。
B.LEAGUE PARTNERS
ソフトバンクが位置するBリーグトップパートナーの下に「パートナー」としてBリーグを支援するスポンサーが4社あります。
その4社とは、
- ソニーミュージック(ソニーグループの音楽事業会社)
- 富士通(総合電子機器・ITメーカー)
- 日本郵便(郵便事業会社)
- カシオ(電卓、電子辞書、電子楽器、時計、デジタルカメラなどの電機メーカー)
の4社です。
ソニーミュージックは、ライブエンターテインメント関連のビジネスが大きくなってきた中で、Bリーグに着目。試合会場で自社の音楽コンテンツを流して宣伝できるといったメリットを考慮したとしています。今後、Bリーグがメジャーになり、マーチャンダイジングが拡大したり、新しいアリーナができたりする可能性をはらんで演出面などで、エンターテインメントビジネスのノウハウやアイデアを提供できるとしています。
富士通は、技術提供がメインです。3Dレーザーセンシングやプレイヤーモーショントラッキング、自由視点映像などの技術を提供していますが、3Dレーザーセンシング技術は、1秒間に230万回のレーザーを発射し、その反射で対象物からの距離を算出し形状を認識。骨格を認識し、トレースして動作分析を行うことができるもの。
したがって、例えば3ポイントシュートを打った時の肘や膝の関節の角度を数値化するなど、感覚で捉えていたものを数値化することで、選手個人のスキルアップにつなげることが可能になるとしています。
このように、パートナー企業は、単純にお金を出して自社のPRをするということではなく、自社の技術やサービスをリーグに提供して、繁栄を支援しているといえるでしょう。
B.LEAGUE SUPPORTING COMPANIES
Bリーグのサポーティングカンパニーは
- molten(競技用ボールなどのスポーツ用具メーカー)
- 朝日新聞(新聞)
- HANES BRANDS(チャンピオンなどのスポーツブランドを持つメーカー)
- ヤフー(IT企業)
- 乃村工藝社(空間創造事業)
- 田中貴金属グループ(金属メーカー)
- ハウスメイト(住宅賃貸)
の7社。
文字通り、用具など、リーグの運営をサポートしています。
Bリーグが掲げるミッションの一つに「エンターテイメント性の追求」がありますが、朝日新聞は報道を通じて、そして、ヤフーもインターネット中継を行うなどメディアの側からリーグをサポートしています。
そこで活用されているのが、空間デザインを手掛ける乃村工藝社の技術です。
日本各地で様々な施設の空間づくりを手掛ける乃村工藝社がサポ―ティングカンパニーとして加わることで、ファンがより楽しめるエンターテイメント性の高いアリーナでの演出が可能になるというわけです。
まとめ
発足間もないBリーグのメインスポンサーにソフトバンクがついたことは、大きなニュースとなりましたが、様々な企業がBリーグを支援しています。
Bリーグを観ながら、それぞれの企業がどのようなサポートをしているのか注目するのも、面白いかもしれません。
(TOP写真提供 = J.D.S / Shutterstock.com)
《参考記事一覧》
Bリーグのスポンサー料金はどのくらい?(ビビット!Bリーグ)
B.LEAGUEサポーティングカンパニーに株式会社乃村工藝社が決定(Bリーグ)
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