甲子園でコールドゲームはある?条件や歴代の試合について解説!

甲子園大会において、どんな時にコールドゲームになるか、ご存知ですか?

本記事では甲子園大会でコールドゲームとなる条件や、過去に起きた甲子園大会でのコールドゲーム合わせて解説しています。ぜひ、最後までご覧ください。

コールドゲームとは

審判が何らの理由で打ち切りを命じた試合のことをコールドゲームといいます。審判が試合終了を宣言(Call)することから名付けられました。ちなみに、野球の他にも、クリケットや水球もコールドゲーム制度を採用しています。

審判が打ち切りを命じるのは、試合中に豪雨・大雪・雷などの悪天候で継続が不可能だと判断された場合や、球場で事故・設備の故障があった場合です。また、点差の広がりが大きく、逆転することが困難だと判断した場合にも、打ち切りを命じることがあります。

打ち切りの判断は審判団で行いますが、試合終了の宣言は球審が行います。

ルール

高校野球特別規則によると、コールドゲームとなるのは悪天候により試合が継続ができない状態が続いた場合、もしくは、5回10点、7回7点とされています。

ただし、悪天候の場合に関して、降水量〇〇以上であったら打ち切るという明確な数値は定められておらず、その判断は審判に任されています。

もし、規定の回数を消化する前に降雨などで継続が不可能だと判断された場合には、ノーゲームまたはサスペンデッドゲームとなり、ノーゲームとなった場合には、そこまでのすべての記録が破棄されます。

しかし、このルールは選抜高等学校野球大会や全国高等学校野球選手権大会、全国高等学校軟式野球選手権大会では適応されません。

なお、甲子園大会では、点差の広がりが大きく、逆転が困難な場合であってもコールドゲームにはなりません。

役割

コールドゲームは、豪雨などの悪天候によって生じる事故や怪我のリスクを避けるため。つまり、選手を守る役割があるといえます。

甲子園でのコールドゲームの条件

写真提供 = David Lee / Shutterstock.com

前述したように、高校野球特別規則において、天候状況や点差を理由にコールドゲームとなることがあります。しかし、甲子園の本大会は、雨天で試合が打ち切られることはあっても、点差が開いたことによってコールドゲームとなることはありません。

甲子園の本大会で点差のコールドを採用していない理由は、たとえ点差が開いたとしても、各都道府県大会で勝ち残ってきた実力に差のないチーム同士であれば、逆転する可能性があるという考えがあるため。

事実として、1985年の第67回甲子園大会において、9回裏で9点差を跳ね返えされた試合があります。

つまり、甲子園では天候で試合が続行できない、と判断された時のみ、コールドゲームとなるのです。

ただし、コールドゲームとなるのは、天候に加えて緒戦から準決勝戦までは7回を、決勝戦は9回を終了していることが条件となります。

この規定をクリアしていない場合は、ノーゲームとなり、試合は成立しません。

歴代の甲子園コールドゲーム

甲子園の本大会では、降雨によってノーゲームとなった試合は数多くありましたが、コールドで打ち切られたことはそれほど多くありません。現在102回実施されている甲子園の夏と春の選抜で、降雨を理由にコールドとなった試合は3試合のみしかありません。

ここでは、その3試合について簡単に解説します。

甲子園でのコールドゲーム「早稲田実業VS秋田県立秋田中央高等学校」

甲子園初のコールドゲームは、戦前に行われた第18回大会1回戦の早稲田実業と秋田県立秋田中央高等学校の試合でした。

7回表に審判が試合打ち切りの判断を下し、その時点で早稲田実業が7点差をつけていたため、早稲田実業が2回戦に進出することとなりました。

戦後初の甲子園大会コールドゲーム「滝川第二高等学校VS岩手県立高田高校」

甲子園大会の試合がコールドゲームとなったのは第70回大会で、これが戦後初の甲子園大会でのコールドゲームです。

第70回大会のこちらも1回戦。滝川第二高等学校と岩手県立高田高校の試合中、降りしきる雨によりグランドが泥沼と化しました。そのため、8回裏2死の滝川第二高等学校な攻撃中に審判が試合の打ち切りを宣告し、9対3で滝川第二高等学校が勝利となり、2回戦にすすむこととなりました。

歴代3回目の甲子園大会コールドゲーム「堀越高等学校VS鹿児島商工高等学校」

甲子園3回目のコールドゲームは、1993年に行われた第75回大会。このときは、開幕日の第3試合に行われた試合の1つがコールドゲームとなりました。

西東京に属していた堀越高等学校と鹿児島商工高等学校(現: 樟南高等学校)の試合です。

8回表に堀越高等学校が無死一塁という逆転の可能性がある状態ではありましたが、滝のような雨が降り続けたため、審判団が試合の続行は不可能と判断。結果は、鹿児島商工高等学校の勝利となりました。

まとめ

今回は、甲子園大会におけるコールドゲームについて解説しました。甲子園大会を除く高校野球においては、審判の判断によっては試合を打ち切られる可能性もありますが、甲子園大会では、雨天によるコールドゲームはあっても、点差によって試合が打ち切りになることはありません。また、コールドゲームになった試合も、102回のうち3回のみと、あまり頻繁には起こっていないことがわかりました。

本記事が、甲子園のコールドについて知りたい方の参考になれば幸いです。

(TOP写真提供 = mTaira / Shutterstock.com)


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