オリンピックの公式エンブレムとは?その秘密を解き明かす!

2020年の「東京オリンピック・パラリンピック」の開催が1年後に迫っています。1964年大会以来、56年ぶりに東京でオリンピックが開催されるとあって、大変な盛り上がりが予想されています。オリンピックには、大会ごとにその象徴となるエンブレムが制定されますが、今回の「東京オリンピック・パラリンピック」のエンブレムは一体どのようなものなのでしょうか?この記事では、「東京オリンピック・パラリンピック」のエンブレムとその制作者、エンブレムに隠された秘密やエンブレムの最終候補作品に至るまでの秘密を解き明かしていきます。

2020年東京オリンピックのロゴは江戸市松模様がモチーフ

オリンピックは世界中のアスリートにとってのヒノキ舞台です。そして、オリンピックはそれぞれの大会ごとにエンブレムが決められていますが、1964年東京五輪のエンブレムは、大会の記憶とともに後世まで語り継がれています。このエンブレムは公募されたデザインから選ばれるものであり、オリンピックはデザイナーにとっても夢舞台であるといえます。

2020年東京オリンピック・パラリンピックの公式エンブレムに採用されている「組市松紋(くみいちまつもん)」は、江戸時代に広まった柄を継承したものです。「市松模様」(チェッカーデザイン)で表現されたそのデザインは、形の異なる3種類の四角形を45枚組み合わせたものであり、「違いはあってもそれらを超えてつながり合う」ことを意味する円の形にデザインされています。

江戸時代から広まったこの市松模様と日本の伝統色である藍色がマッチし、なんとも「粋」な雰囲気を醸し出しています。日本的な意匠でありつつ、オリンピックの歴史に刻まれるだけの緻密さがその特徴です。

2020年東京オリンピックのエンブレムが決定!

2020年の東京オリンピックのエンブレムが決定しましたが、ロゴの製作者はどのような人物なのでしょうか?

また、ロゴにはどのような意味が込められているのか、詳しく見ていきましょう。

ロゴに込められた意味とは?

今回の東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムには、「多様性と調和」というメッセージが込められています。国が違えば文化や思想、言語や肌の色は異なるもの。しかし、人類同士であることに変わりはありません。

そんな「違い」を乗り越えて、すべての人間同士がつながりあえる場であることというメッセージがこのエンブレムには込められています。

エンブレムの制作者は?

2020年の東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムをデザインしたのは「TOKOLO.COM」の「野老朝雄(ところ・あさお)」さん。1969年生まれのデザイナーです。

野老さんは東京都出身。東京造形大学デザイン学科で建築を専攻し、美術や建築、服飾のデザインなどさまざまな分野で活躍しています。

主な作品には「FRP/F town ファサードパターン」、「工学院大学125周年記念総合教育棟 ファサードパターン+サイン計画」、「大名古屋ビルヂング下層部ファサードガラスパターン建築設計」などがあり、変わったところでは、2017年の『24時間テレビ 愛は地球を救う』のチャリティTシャツのデザインも手がけています。

実はオリンピックのロゴの四角形を動かすだけでパラリンピックのロゴに変化!

野老さんが得意とするのは、数学的なアプローチから無数の文様を作り続けるデザイン手法です。今回のエンブレムでは、紺一色の3種類の四角形を45枚組み合わせることで、オリンピックとパラリンピック、それぞれ異なる市松模様の輪をデザインしています。

つまり、一見、別のデザインに見えるオリンピックとパラリンピックのエンブレムは同じ数の四角形を用いているものであり、内側の円の半径も等しいのです。双方の違いは四角形の配置だけ。

つまり、四角形を移動させるだけで、オリンピックのエンブレムからパラリンピックのエンブレムに変換することが可能なのです。

数学的にも見事なアプローチであり、まさに考え抜かれたデザインであることに、デザイナーだけでなく、建築家や数学者たちも驚いたそうです。

野老さんは、「一つ一つのピースを数えると45枚。オリンピックもパラリンピックも同一のピースで組み立てるというのは、ずっと考えてきたことです」とコメントしています。両エンブレムの四角形の数が一緒なのは「パラリンピックにもある平等の精神を意識した」とのことでした。

45枚という数字については「数の摂理の問題で、あまり意図はありません」ということであり、あくまで幾何学的なアプローチで挑んだようです。

意外と知らない!? エンブレムとロゴの違い

オリンピックを象徴するマークとして使用される「エンブレム」ですが、「ロゴ」という呼称も使われます。

では、エンブレムとロゴは同一なのでしょうか?

エンブレムとロゴには、厳密な違いがあります。

五輪マーク、いわゆる5つの輪で形作られたマークであるオリンピックシンボルが含まれたものを「エンブレム」と呼ぶのに対して、それが含まれていないものを「ロゴ」と呼ぶのが正式です。

夏季オリンピックでエンブレムが採用されたのは、1924年のパリ五輪が初めてでした。

ただし、そのデザインには五輪のオリンピックシンボルが含まれていないため、正確には「ロゴ」と表現するのが妥当でしょう。

パリオリンピックのロゴは盾の中に帆船を描いたデザインで、一見すると何のロゴかわかりにくいものでした。

1928年のアムステルダム五輪では、ロゴ(エンブレム)は使われませんでしたが、1932年のロサンゼルス五輪以降は毎回、開催都市や国の象徴的な存在をモチーフにしたエンブレムが使用されています。

1948年のロンドン五輪では、ロンドンの象徴である「ビッグ・ベン」をデザインに取り入れたエンブレムが採用され、1960年のローマは、ローマの建国神話に登場する狼と双子の兄弟をモチーフに、ラテン語で「1960」を表す「MCMLX」の文字を配しています。

1968年メキシコ五輪のエンブレムは、3本の線で「MEXICO68」の文字を幾何学的に描き、「68」の部分にオリンピックシンボルを組み込んだ秀逸なデザインで話題を呼びました。

東京オリンピックのロゴの最終選考まで残った作品

東京オリンピックのロゴを決める際、最終選考まで残った作品は3つありました。

1=つなぐ輪、広がる和(つなぐわ、ひろがるわ)


〈出典:Tokyo2020〉
制作者:久野梢(くの・こずえ) 東京都在住、1967年生まれ/デザイナー

2=超える人(こえるひと)

〈出典:Tokyo2020〉
制作者:後藤崇亜貴(ごとう・たかあき) 東京都在住、1966年生まれ/アートディレクター/デザイナー

3=晴れやかな顔、花咲く(はれやかなかお、はなさく)

〈出典:Tokyo2020〉
制作者:藤井智恵(ふじい・ちえ) 東京都在住、1967年生まれ/デザイナー

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は、東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムに着目し、込められた意味や作者について迫ってみました。

興味深い事実も多かったと思います。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催まで、あと1年に迫りました。

エンブレムに込められた「平等の精神」というメッセージ通りの素晴らしい大会になってほしいですね。

(TOP写真提供 = Singulyarra / Shutterstock.com)


《参考記事一覧》

オリンピックの象徴であるエンブレム。2020年東京五輪は江戸の伝統「市松模様」がモチーフ(オリンピックチャンネル

2020東京オリンピックのエンブレムに込められた意味や隠された秘密(みんなのおかねドットコム)

四角形を動かすだけでオリンピックからパラリンピックへ 東京五輪のエンブレムの秘密に驚きの声があがる(ねとらぼ)

 
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