【2020東京オリンピック】選手村はオリンピック終了後どうなるの?

オリンピックにはつきものともいえるのが選手村ですが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックにおいては湾岸エリアの晴海に21棟1860室の宿舎が建設される予定です。そこで、東京オリンピック・パラリンピック選手村の具体的な場所などの詳細に加えて、開催後の使われ方などに注目してみました。また、オリンピック終了後には選手村はどのように活用されるのかについても解説しています。

東京オリンピックの選手村が晴海に決定!

では、2020年東京オリンピック・パラリンピックの選手村は、どこに作られるのか?

実は既に決定して、工事も始まっているのです。場所はいわゆる湾岸エリア、江東区の晴海五丁目となっています。

今回の東京オリンピック・パラリンピック選手村の詳細について、まとめます。

そもそも選手村とは?

「選手村」という言葉はほとんどの人が知っているかもしれません。

選手村とは、オリンピック・パラリンピックに出場するアスリートの宿舎となる施設です。

ただ、単に寝泊まりする場所に留まらず、世界中から集結したトップアスリートたちが交流する貴重なコミュニケーションの場でもあります。

食事も提供されますし、なにより極度の緊張を強いられるオリンピック・パラリンピック期間中に選手たちが最高のパフォーマンスを発揮するために、リラックスできる空間としての機能も求められているのです。

2020年東京オリンピック・パラリンピック選手村の場所は晴海に決定しています。

住所は「東京都中央区晴海五丁目地内」。最寄り駅は、都営大江戸線「勝どき駅」から徒歩約10分、東京臨海新交通臨海線ゆりかもめ「新豊洲駅」からは、徒歩約20分だと発表されています。

選手村が晴海に選ばれた理由とは?

選手村の設営地として晴海が選ばれた理由は、東京オリンピック・オリンピックで使用される各競技場のほぼ中心に位置しているという地理的な条件からです。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは誘致段階から「コンパクトな会場配置」をコンセプトとしていました。

各競技場のほぼ中心に選手村が位置することは、運営上や移動する選手の負担を考慮しても極めて効率的です。

オリンピック選手の負担軽減にもつながるため、まさにベストな場所だったのです。

選手村の建設費用はどれくらい?

東京オリンピック・パラリンピックの選手村は、既に建設工事が進んでおり、2019年12月には竣工される予定です。

建設事業を担うのは、代表会社となる三井不動産レジデンシャル株式会社をはじめ、エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社、新日鉄興和不動産株式会社、住友商事株式会社、住友不動産株式会社、大和ハウス工業株式会社、東急不動産株式会社、東京建物株式会社、野村不動産株式会社、三井不動産株式会社、三菱地所レジデンス株式会社の11社。

いずれも日本の建設。不動産業界を牽引する大企業ばかりです。

気になる建設費用の総額は、約1000億円。選手村建設だけでも、まさにビッグプロジェクトといえますね。

選手村ってどんな建物なの?

東京オリンピック・パラリンピックの選手村は、東京湾を一望できる好立地。広さは13万3900㎡。東京ドーム3個分という広い敷地を有しています。

建物内は以下3つのゾーンに分かれています。

  1. 居住ゾーン=出場選手たちの居住スペース
  2. 運用ゾーン=訪問者やメディア関係者の対応スペース
  3. オリンピックビレッジプラザ=特別に認証を受けた関係者が訪れるスペース

メインとなる居住スペースは、14階から18階建ての宿泊マンションが21棟建設され、全部屋数は1860室となる予定です。

選手村はオリンピック開催後にどうなる?

Olympic Village
写真提供 = A.RICARDO / Shutterstock.com

ところで選手村って、オリンピックが終わった後にどうなるのか、気になりますよね。

大会終了後には、リニューアル工事を経て、マンションなど一大タウンとして生まれ変わる予定です。どんな街づくりが計画されているのか、概要を紹介しましょう。

選手村跡地は一般人の住む街になる

選手村として使われるのは、わずか2ヶ月間。その跡地には大規模なリニューアル工事が行われ、新たな街づくりが進められる予定です。

14階建て〜17階建ての高層マンションが22棟、さらに50階建ての超高層マンションが2棟建設され、トータル5650戸の一大タウンが晴海に誕生します。

住居のバリエーションも豊富で、一般住宅をはじめ、高齢者向けの住宅やシェアハウス、外国人向けのアパートなども建設されるとのこと。

もちろんマンションだけではありません。大規模な商業施設や保育所、医療モールの建設なども予定されており、街を出なくても買い物や日常生活にはまったく不自由しないはず。

これだけの大規模な街なので、マンション郡の中心には学校も開校される予定です。

子供がいる家庭にも優しく、公園や広場も整備されるし、子供たちの遊び場やご近所の交流にも便利でしょう。

未来型の「水素タウン」構想にも注目!

選手村跡地の街づくりにはもう一つの大きなインパクトがあります。それが「水素タウン」構想です。

二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギーとして、近年で水素エネルギーが注目されており、燃料自動車などにも活用されています。

日本政府は水素エネルギーに力を入れており、水素エネルギーの技術を世界的にアピールする好機会として、選手村跡地の街づくりに採用される予定です。

街の外れに水素ステーションを設置し、そこからパイプラインを通じて、マンションや商業施設、学校などに電力を供給する仕組みです。

住民の足としても、水素を燃料とするバス高速輸送システム(BRT)の車両を使用し、BRT専用道路を使用することで、大量輸送ができるとのこと。火災対策など課題も多いようですが、こちらも楽しみですね。

東京オリンピック開催後の選手村に住むことは可能?

Olympic Village
写真提供 = Mikhail Gerasimov / Shutterstock.com

選手村跡地の街づくりを担当するのは、選手村建設の際に前述した三井不動産レジデンシャル株式会社など11社が引き続いて担う予定です。

建設完了は2024年の予定で、気になる分譲価格などは予想が難しく、想像しにくいのが現状です。

分譲マンションの相場は景気変動など外的要因で大きく左右されるので、専門家でも数年先の相場を予想するのは非常に難しいとのこと。

ただ、大局的には選手村跡地のマンション相場は高騰せずに、安くなるという可能性が指摘されているのです。

マンションの価値は需要と供給のバランスによって相場が変動しますが、選手村跡地のマンションは5650戸と大量に供給されます。

このようなケースでは、供給過多となり、マンション価格が下落することが一般的です。

ちなみに5650戸ともなると、年間に東京23区で建設される戸数の約3分の1に当たる数字です。

それが一気に完成すれば、確かに供給過多になるかもしれません。

さらに、東京オリンピック終了後は景気が縮小傾向に進むことが予想されます。

景気が停滞すれば、マンションを売却する人が増えるので、中古市場も供給過多となります。

そうなると、全体の相場にも影響するため、新築マンションの価格も下落傾向になると予想されるのです。

また、利便性の面で不安の声も聞かれます。

選手村からの最寄り駅は大江戸線の勝どき駅ですが、実際には駅から徒歩10〜15分以上かかるマンションばかりのはずで、必ずしも好アクセスとは言い切れません。

前述したBRTにも期待したいところですが、それだけで大幅に改善するとはいえないでしょう。

東京オリンピック・パラリンピック終了後の景気停滞は心配ではありますが、選手村跡地のマンション相場が下がることは歓迎すべき事態かもしれません。

まとめ

以上、東京オリンピック・パラリンピックの選手村の詳細とその後の活用法についてふれてみました。

「オリンピックの選手村に住んでみたい、行ってみたい」という人も多いはずなので、終了後の街づくりについても大いに注目されるところですね。

(TOP 写真提供 = AlexAranda / Shutterstock.com)


《参考記事一覧》

【選手村?の場所は晴海?】2020年東京五輪?!選手村跡地には超高層マンションを建設か?!(オリンピックファン2020)

東京オリンピック後の選手村に住むことはできるの?(ファイナンシャルワールド)

東京五輪のさらに後、巨大な選手村予定地のその後は何になる?(SUUMOジャーナル)

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