新型コロナウイルスの影響で、2021年に延期になってしまった東京オリンピック・東京パラリンピック。
オリンピックはもちろん、メディアやSNSを通して取り上げられ、パラスポーツの注目度も上がっています。
本記事では、パラスポーツに興味を持った方やパラリンピック観戦に向けてどんな選手がいるのか気になる方に、パラスポーツで活躍する選手たちと、その競技について簡単に紹介します。
卓球
パラリンピックの卓球は、一般の競技規則に沿って行われるため、ネットの高さも広さも同じもの。しかし、障がいの程度や種類によって11のクラスに区分けされ、障がいを考慮したルールに基づいて行われます。
両手が使えない選手がラケットを口で加えたり、手首にラケットを固定させたりと、様々なプレースタイルを見ることできるのも、この競技の魅力です。
卓球で注目される選手に浅野俊 選手がいます。
浅野選手は、2001年生まれの19歳。小2から卓球を始め、中学のクラブチームでは知的障がい者卓球の全国大会に出場しました。長崎県の卓球強豪校瓊浦高校に進学した後、健常者と変わらないトレーニングに励み、国際大会のデビュー戦となる2019アジア大会ではシングルスで優勝。持ち味はパワーのあるドライブショットで、速い展開で相手を圧倒します。
陸上
パラリンピック陸上は、障がいの種類や程度によってクラス分けし、できるだけ公平に競技を行います。パラ陸上にしかない種目があったり、パラ陸上でしか見れないプレーが盛りだくさんなので、見ていて飽きないスポーツです。パラ陸上で注目されるのは
- 芦田創 選手
- 井谷俊介 選手
- 石田駆 選手
- 山本篤 選手
- 鈴木徹 選手
の5名。
それぞれの選手について、紹介します。
芦田創 選手
芦田創選手は、1993年生まれの27歳。
幼少期の腫瘍の治療の影響で右上肢に機能障がいがあり、体の左右差を克服できるようトレーニングを積んでいます。
芦田選手は数々の国際大会に出場し、前回大会リオパラリンピックでは男子4×100mリレーで銅メダルを獲得。
東京パラリンピックでは、走り幅跳びで金メダルを目指します。
井谷俊介 選手
井谷俊介選手は、大学在学中のバイク事故により右下腿部を切断。
ハンディキャップを抱える人達のランニングクラブ大和鉄脚走行会に母親のすすめで参加したことをきっかけに、ジョギング用の義足と出会います。
元々はF1レーサーを目指していた井谷選手。
現在はパラリンピック金メダルとレーサー2つの夢を追っています。
パラ陸上を始めてから約1年半、初めての国際大会で優勝しメキメキとちからを付けています。
石田駆 選手
石田駆選手は、中学時代から陸上を始め、高校ではインターハイにも出場。
しかし、大学に入学してすぐ、左肩に骨肉腫が見つかり、人工関節になります。
人工関節ため、体のバランスが取りづらいにも関わらず、独自の理想フォームを追求し、数々の国際大会で好記録を残しています。
専門は100mと400m。
現役大学生が見せる力強い走りが楽しみです。
山本篤 選手
山本篤選手は、高校生の時にバイク事故がきっかけで左大腿部を失いました。
義足装具士になるべく入った専門学校で、競技用義足と出会い陸上競技を開始。
北京パラリンピックから3大会連続出場を果たし、リオパラリンピックでは走幅跳で銀メダル、4×100mリレーで銅メダルを獲得しました。
冬季パラリンピックではスノーボードにも出場するなど、二刀流パラアスリートとして注目される選手です。
鈴木徹 選手
鈴木徹選手は、シドニーパラリンピックから5大会連続でパラリンピックに出場中の日本パラのエース。
2008年北京パラリンピックでは日本の旗手を務めました。
鈴木徹選手は元々、ハンドボールの選手だったそうですが、高校の時の交通事故によって右下腿部を失います。
トレーニングの一環で始めた走高跳で才能が開花し、走高跳を始めて3ヶ月目にはシドニーパラリンピックの出場基準を超えます。
2016リオパラリンピックでは惜しくも4位に終わりましたが、今大会ではメダル獲得が期待されます。
車いすラグビー
車いすラグビーは、マーダーボール(殺人競技)と言われるほど激しくぶつかり合うスポーツです。
一般のラグビーと異なる点は、ボールの大きさや前にパスができること、点数の付け方など。
男女混合のチームがあるというのも車いすラグビーの特徴の1つです。
本記事では、池崎選手と池選手の2選手を紹介します。
池崎大輔 選手
池崎大輔選手は、日本車いすラグビーのエースとして期待される選手です。
元々は車いすバスケの選手でしたが、車いすラグビーと出会い転向。
闘志溢れるプレーで日本代表を牽引しています。
池透暢 選手
車いすラグビー日本代表のキャプテンを務める池選手。
19歳の時に交通事故で左足を失った後、池崎選手と同じく車いすバスケを始めます。
その後車いすラグビーに転向。
足となる車いすはパフォーマンスを保てるギリギリの高さに設定しているのだとか。
正確なパスと巧みな車イス操作が売りです。
この他、クロスカントリースキーやゴールボール、水泳など、パラスポーツにはさまざまな種目があります。
ここからは、それぞれの競技の注目選手を紹介します。
阿部友里香 選手(クロスカントリースキー/バイアスロン)
阿部友里香選手は、1995年生まれの25歳。
岩手県山田町に生まれ、中学2年生の時にテレビで見たバンクーバーオリンピックをきっかけにクロスカントリースキーをはじめました。
中学3年の時、東日本大震災により被災し、自宅が全壊。
高校で実家を離れて、本格的にスキーに取り組み、高校3年で初のパラリンピック出場。
地元東北復興の希望の星となります。
東京パラリンピックではクロスカントリースキーとクロスカントリースキーと射撃を合わせた競技、バイアスロンの2競技で金メダルを目指します。
安室早妃 選手(ゴールボール)
ゴールボールとは、鈴の入ったボールを用いる競技。鈴の音や相手の足音など、あらゆる気配から相手のゴールを狙います。
安室選手はゴールボール日本代表の守備の要であるセンターを任されています。
安室選手の特徴はセンターからでも得点を狙えること。ゴールボールでは攻撃の中心は両ウイングですが、安室選手がいることでセンターからの得点も期待できるとされてます。
一ノ瀬メイ 選手(水泳)
一ノ瀬メイ選手は、先天的に右肘から先が欠損。
1歳半から水泳を始め、13歳で史上最年少でのアジア大会に出場します。
その後もアジアを中心に活躍し、2016リオパラリンピックにも出場。リオ大会ではメダルへの期待という重圧から十分な力を発揮出来なかったようですが、今回の東京パラリンピックではメダル獲得が期待されます。
まとめ
2021東京パラリンピックで注目される11人の選手たちを紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
パラ競技は、すべての選手が自身の障がいと向き合い、さまざまな工夫をしながら各競技に取り組む姿が観られます。
本記事で紹介した以外にも、数多くの選手が出場するパラリンピック。
その活躍に注目が集まります。
(TOP写真提供 = mezzotint / Shutterstock.com)
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