「パラスポーツ」と聞くと、4年に一度、オリンピックの後に同じ会場で行われるパラリンピックなど、障害者のスポーツ競技と思っている方がほとんどなのではないでしょうか。
しかし、「パラスポーツ」は今、健常者も障害者も同じルールの下で行うスポーツ、という広い意味をもつ言葉として用いられることも。
本記事では、パラスポーツの魅力について紹介していきます。
パラスポーツとは
パラスポーツとは、元々、パラリンピック競技を指す言葉。
しかし、今では障害者が行うスポーツ全般を指す言葉となっています。
現在パラスポーツには、
- アーチェリー
- 車いすラグビー
- 車いすテニス
- 車いすバスケットボール
- 車いすフェンシング
- 車いすカーリング
- 車いす空手
- ゴールボール
- アンプティサッカー
- カヌー
- シッティングバレーボール
- 5人制サッカー
- CPサッカー
- デフサッカー
- ソーシャルフットボール
- 柔道
- 自転車競技
- 卓球
- パラ射撃
- バドミントン
- 馬術
- パラ水泳
- パラパワーリフティング
- ボッチャ
- 陸上競技
- セーリング
- テコンドー
- アルペンスキー
- アイスホッケー
- クロスカントリースキー
- スノーボード
- バイアスロン
など、さまざまな競技があります。
障害がある人・無い人がともに楽しめる競技もあります。一度トライしてみてはいかがでしょうか。
パラリンピックとは
パラリンピックは、4年に一度行われるオリンピックの閉幕後に行われる障がい者の最高峰のスポーツ大会のこと。
その始まりは、1944年にナチスドイツから亡命したユダヤ人のルードウィッヒ・グッドマン医師がイギリスに開業したストーク・マンデビル病院で脊髄損傷を患った患者の社会復帰を考えてリハビリを行ったこととされています。
第二次世界大戦以前、脊髄損傷は死の宣告とみなされ、宣告を受けた患者たちは死ぬまでの間、絶望のあまり精神的にうつ病を患い、世間から見放され、忘れられた存在となっていました。
神経科医のグッドマン医師は、スポーツや試合参加が患者の快復を助けることに気づき、患者たちを人間として扱い、自信をつけさせることを目的としたスポーツを快復プログラムに取り入れたのです。
1948年以降、障害者のスポーツ大会であるストーク・マンデビル競技会が毎年開催され、1954年までには7種目の競技に14カ国から250人が参加。1960年には、正式な国際パラリンピック大会の初回が行われたのです。
パラリンピックと呼ばれるようになったのは1964年の東京大会から。
そして、当初、パラリンピックはオリンピックとは別会場で行われていましたが、1988年の韓国ソウルオリンピック以降、パラリンピックとオリンピックは同じ会場で開催されるようになりました。
パラスポーツの「パラ」とは
パラスポーツの「パラ」の語源は、下半身付随の英語であるparaplegicsであると認識している人が多くいますが、実際は、ギリシャ語の「並んで立つ」「対等」という前置詞である「para」から来ているとの説が有力とされています。
このほか、英語の「平行」を意味する「parallel」が起源である、とする説もあるようです。
パラスポーツの魅力
障害者が行うスポーツを意味するパラスポーツ。
その魅力として
- 生きざま
- レベルの高さ
- 競技の迫力
などが挙げられます。
パラスポーツは「障害」がある人が行うスポーツであり、それはつまり、その選手が先天性・後天性に関わらず、何らかの挫折を味わったことがある、ということ。
先天性の場合、健常者と同じように生活ができないことに苦悩を感じる経験は生まれてからずっとあることであり、後天性の場合、ある日突然昨日まで出来たことができなくなった、ということを意味します。
つまり、どちらもそれぞれの苦悩を乗り越えて活躍できるだけの努力を積み重ねたということであり、その生きざまは輝かしいものであるといえるでしょう。
また、パラスポーツというとハンディがあるがゆえに健常者のスポーツに比べてレベルが高くないと感じている人もいるかもしれませんが、実際のレベルはとても高いもの。
ブラインドサッカーは全盲の選手が行う競技ですが、ブラインドサッカーの選手と目隠しした元Jリーガーの選手で対決をすると、ブラインドサッカーの選手の方が上回る活躍をします。
これはつまり、ブラインドサッカーの選手は視覚以外の五感を研ぎ澄ませてプレーしている、ということであり、視覚が閉ざされた中でも正確なプレーができるよう、努力を積み重ねている結果だといえるでしょう。
そして、車いすテニスや車いすバスケットボールなどでは、健常者は足で動き、手はラケットやボールを扱いますが、車いすに座った状態では車いすを動かすこととボールやラケットを扱うこと、そのすべてを「手」で行います。
つまり、パラスポーツは条件が健常者のスポーツに比べて厳しいにもかかわらず、見ごたえのあるプレーを出来る、ということ。
競技を目にしたら、そのすごさを目の当たりにすることができるでしょう。
パラスポーツに関する団体
先天性・後天性の障害がある人たちが行うパラスポーツ。
前述したとおり、パラスポーツには数多くの競技がありますが、以下のようにパラスポーツに関わる団体・協会も数多くあります。
- 日本視覚障害者卓球連盟
- 日本障害者フライングディスク連盟
- 全日本車椅子空手道連盟
- 日本ドッヂビー協会
- 日本ぺガーボール協会
- 公益財団法人日本障がい者スポーツ協会(JPSA)
- 公益財団法人 日本障害者リハビリテーション協会(JSRPD)
- 独立行政法人 福祉医療機構(WAMNET)
- 公益財団法人 日本スポーツ協会
- 茨城県卓球バレー協会
- 一般社団法人 世界ゆるスポーツ協会
- 一般社団法人 日本パラアイスホッケー協会
- 一般社団法人 日本身体障害者アーチェリー連盟
- 一般社団法人 日本障害者カヌー協会
- 特定非営利活動法人 日本障害者ゴルファ―ズ協会
- 一般社団法人 日本ゴールボール協会
興味がある方は、それぞれの団体のホームページを覗いてみてください。
まとめ
障害者のスポーツである「パラスポーツ」。
オリンピック閉幕後に行われることから、多くの人に認知されていますが、いろいろな挫折や苦悩を乗り越えて活躍する選手の生き様やその競技のレベルの高さは輝きを放つもの。
同じルールの下で障害者・健常者が一緒に楽しむことができるので、ぜひ一度体感してみてはいかがでしょうか。
(TOP写真提供 = Dorothea OLDANI / Unsplash)
《参考記事一覧》
パラリンピックの「パラ」の意味 障がい者の苦難と希望の歴史がそこにある (ハフポスト)
誰でも主役になれる。それが、パラスポーツの魅力 (NECホームページ)
パラリンピック(パラスポーツ)の楽しみ方を解説!魅力はどこ?見るべきポイントとは? (「寝たきり」やめました。「Goroの挑戦」始めます。)
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