【2020年】Tリーグとスポンサー契約を結ぶ企業一覧~特徴を解説

2018年10月に日本のプロ卓球リーグとして開幕したTリーグ。

その運営費はチケット収入やスポンサー収入によって賄われています。

Tリーグには6種類のスポンサータイプがあり、それぞれのタイプごとに異なる特徴を持ちます。

どのような企業がスポンサーとなっているのか、紹介していきます。

Tリーグのスポンサーは6タイプ

Tリーグのスポンサーは、スポーツ団体である一般社団法人Tリーグを支援するスポンサーと、Tリーグに所属する地域チームを支援するスポンサーに分けられます。

スポーツ団体であるTリーグを支援するサポーターは、

  • TITLE PARTNER
  • TOP PARTNERS
  • PARTNERS
  • OFFICIAL SPONSORS
  • OFFICIAL SUPPLIERS
  • SPECIAL SUPPORTERS

の6タイプ。

そして、地域チームスポンサーは、

  • クラブパートナー
  • 企業パートナー
  • ゴールドパートナー
  • エリアパートナー

などに細分化されています。

それぞれのタイプで契約内容は細かく決められていますが、内容は非開示となっています。

この記事では、スポーツ団体であるTリーグを支援するスポンサーについて、詳しくご紹介していきます。

TITLE PARTNER

TリーグのTITLE PARTNERは、家電量販店として知られるノジマです。

ノジマは、プロ野球の横浜ベイスターズやなでしこサッカーのノジマステラ神奈川相模原、アメフトX(1部)リーグのノジマ相模原ライズなどに積極的にスポーツ支援をしている企業ですが、Tリーグの2018年シーズン開幕途中の2018年11月からスポンサー契約を締結。

Tリーグ松下前チェアマンの熱心な勧誘に加えて、野島社長の「新しい挑戦を恐れず、どんどん行いたい」のいう考えとTリーグの理念とが重なったことから契約に繋がったとしています。

野島社長には、日本の若い有望選手や世界のトップ選手がTリーグに参加してくれる流れを作りたい、という思いや、Tリーグの試合での観客へのホスピタリティや卓球の試合のスピード感やスリル感を会場や自宅でVR(仮想現実)で体感できるような仕組み作り、選手とサポーターとの相乗効果をTリーグで実現し、Tリーグを盛り上げることで日本選手の強化・育成、卓球の価値を社会的に認知させる仕組みを作りたい、という先を見据えた思いがあるようです。

TOP PARTNERS

TOP PARTNERSは独占権や優先権を有する契約であり、東京ばな奈とNTT docomoが名を連ねています。

東京ばな奈(菓子製造販売)

東京ばな奈は、旅行客が東京で必ず目にするお菓子の1つであり、知名度の高いブランドです。

今では、試合後の選手から観客に東京ばな奈を配る演出が名物ですが、2018年8月にTリーグ初スポンサーとして発表された際には、「スポーツスポンサーシップ自体が初めての会社がなぜ?」と驚いた人が多くいました。

東京ばな奈がスポンサーとして名乗りを上げた理由として、当時、2020年の東京五輪が決まり、社長が東京に育ててもらった菓子屋としてスポーツ界に何かできないかと考えていたということと、18年2月に平昌冬季オリンピックカーリング女子のもぐもぐタイムが話題となり、お菓子とスポーツとの掛け合わせでこんなに盛り上がるのかと感心していたタイミングでスポンサーの話があったということがあります。

この他、卓球は身近なスポーツでありながらスポンサー新規参入者が入り込む余地があると感じたことや、卓球には日本の文化が育てた家族感のようなものがあり、老若男女が参加できる生涯スポーツで参加する敷居も低いということ、そして、何より日本にはスター選手が多く、メダルや世界一が狙えるスポーツであると感じたことも、トップパートナーとして参加する決め手になったようです。

NTT docomo(通信・放映)

NTTドコモは、2020年4月1日からTリーグとの間でトップパートナー契約を締結しました。これに併せて、NTTぷららは、2019年シーズンに引き続き、2020年から2023年スタートのシーズンまでの4シーズン、Tリーグと映像配信に係る契約を締結しています。

NTTドコモは、Tリーグ開幕当初から映像配信サービスで公式戦全試合の映像やAI(人工知能)技術を活用したハイライト映像などを配信し、Tリーグの魅力を広く伝えてきました。

今後はこの契約に基づき、Tリーグの各種プロモーション活動への協賛に加え、5Gやマルチアングル、360度カメラやXR(現実世界と仮想世界の融合)、AIハイライトや自動統計生成など、先端技術を活用した映像の高度化と観戦体験の最大化、リモートプロダクション導入による効率運営やTリーグの会員IDとdアカウントとの連携によるデジタルマーケティングの推進等に共同して取り組み相乗効果を生むことを目的としています。

Tリーグとドコモは、これらの活動でTリーグの理念「卓球を科学する」を具現化し、スポーツ産業の持続的成長に貢献したいとしています。

PARTNERS

TリーグとPARTNERS契約を締結している企業は、Tリーグの試合運営に協力しています。

SonyMusic

SonyMusicは、ソニーグループの音楽系事業統括会社です。Tリーグを音楽・イベント演出等の側面から卓球の魅力を広めてファンの開拓をサポートします。

ひかりTV

ひかりTVは、NTTドコモの子会社であるNTTぷららが運営する、映画配信サービスやインターネット接続サービスを行う会社です。Tリーグの試合コンテンツの企画制作と動画配信でファンの拡大をサポートします。

dTVチャンネル

dTVチャンネルは、多彩な専門チャンネルをサブスク(定額見放題)で提供するOTT運営会社です。ひかりTVチャンネル+でTリーグ試合を配信してファンの拡大をサポートします。

Hibino

Hibinoは、「音と映像のプレゼンテイター」 として、業務用音響機器の販売、システム設計及び施工・メンテナンスを行う会社です。Tリーグの会場の大型アリーナビジョンをレンタルしオペレート、録音、中継、トラックダウンを行うことで試合を盛り上げサポートします。

BUTTERFLY (タマス)

BUTTERFLY (タマス)は、1950年に設立された卓球用品の製造及び販売を行う会社です。卓球の振興・普及、発展に長く取り組んでいる会社でTリーグ男子4チームユニフォームの供給を行います。

Nittaku(日本卓球)

Nittaku(日本卓球)は、創業大正9年、1947年設立の卓球の専門メーカーです。卓球全てのコンテンツに企画・開発・製造・販売を行っています。Tリーグ女子4チームにユニフォームを供給しています。

ローチケ (ローソンエンタテインメント)

ローチケ (ローソンエンタテインメント)は、1992年に設立のローソンの100%子会社で、音楽・スポーツ・演劇・レジャー施設・映画等各種イベントのチケットを販売する会社です。Tリーグ試合観戦チケットを販売します。

ロート製薬

ロート製薬は、1899年創業、医薬品・化粧品・機能性食品等の製造販売を行う会社です。目薬の会社として有名ですが、目を酷使するスポーツである卓球選手たちの目の健康をサポートします。

Data Stadium

Data Stadiumは、 2001年設立のスポーツデータ等の配信会社であり、2018年からTリーグにパートナーとして参加しています。データ分析結果をファン向け、スポーツ団体・選手向けに提供するほか、映像コンテンツの制作・販売も行っています。

amazon prime video

amazon prime videoは、スポーツコンテンツ等をライブ配信とオンデマンドで提供するOTT事業会社です。 Tリーグ公式戦全試合をライブとオンデマンドで配信し、ファンの拡大をサポートします。

OFFICIAL SPONSORS

OFFICIAL SPONSORSは、Tリーグに関わることで企業の知名度向上や社内コミュニティの管理等を目的としています。

OFFICIAL SPONSORSには、EPSや日本化薬、RYOYO (菱洋エレクトロ)や東亜合成、DUSKINやT-POINT (Tポイントジャパン)、メディカル・ケア・サービスが名を連ねています。

EPSは、製薬会社への新薬開発支援サポートなど、事業活動としては企業間取引が多く、一般消費者にはなじみのない会社です。この企業がスポンサーメリットとして考えているのが「社内コミュニティの強化」を図るということ。

会社はコミュニティの集まりであり、コミュニティを管理することが会社のコントロールにつながる、との考えに基づき、社内組織の結束を高めることと、Tリーグを支援することで社員のプライドやモチベーション向上につなげたい、としています。

OFFICIAL SUPPLIERS

OFFICIAL SUPPLIERS契約を結んでいる企業は、いずれも卓球をプレーする上で重要となる、道具の製造販売メーカーや体育館施設の設営等を担当する企業です。

OFFICIAL SUPPLIERSはVICTAS、Nittaku(日本卓球)、Yasaka(ヤサカ)、SAN-EI(三英)、ダスキン・レントオールが名を連ねています。

VICTAS

VICTASは、ヘアケア・コスメ・スポーツ事業を行う親会社スヴェンソンの傘下の卓球用品メーカーです。旧社名をヤマト卓球といい、セルロイド工業所から発展した会社で、Tリーグ男子使用球を2020年から供給しています。

Nittaku(日本卓球)

 ITTF公認球の「ニッタクプラ3スタープレミアム」は国内で生産し高い品質で評価されています。2020年からTリーグ女子使用球を供給します。

Yasaka(ヤサカ)

Yasaka(ヤサカ)は、1947年創業の卓球総合メーカーです。ラバーの「マークV」は50年の歴史を持つ看板商品であり、2020年からTリーグに卓球ネットを供給します。

SAN-EI(三英)

SAN-EI(三英)は、1962年設立の卓球用品の製造・販売を行う会社です。卓球施設の施工も行い、Tリーグには2020年から卓球台を供給します。

ダスキン・レントオール

ダスキン・レントオールは、ダスキンの子会社でスポーツイベントの会場設営・企画・運営を行ないます。Tリーグでは会場施設の設営や資材のレンタル等を行っています。

SPECIAL SUPPORTERS

SPECIAL SUPPORTERSには、卓球王国・Rallys・PR TIMES・TOKYO HEADLINE・Daiwa HouseというTリーグを盛り上げる卓球情報や読み物を提供するメディア企業が参加しています。

まとめ

Tリーグは、発足当初、リーグ主導で動いていましたが、次第に地域密着のチーム主導で試合環境の運営に移行する段階に来ています。

2020年7月8日には、20年シーズンからの「Tリーグの5G(グローバル、グルーピング、グローアップ、5G、ガバナンス)」と題した新しいグランドデザインを発表。

Tリーグとスポンサーとでの相互連携効果が期待されます。

(TOP写真提供 = dwphotos / Shutterstock.com)


《参考記事一覧》

NEWS (Tリーグ オフィシャルホームページ)

卓球「Tリーグの5G」構想発表で新時代のアリーナスポーツめざす(テレビ東京卓球NEWS)

億単位の赤字……卓球「Tリーグ」松下浩二チェアマン“電撃退任”の真相(文春オンライン)

報道発表資料  Tリーグとドコモが「トップパートナーズ契約」を締結(NTTdocomo ホームページ)

Tリーグ・タイトルパートナー、「ノジマ」の社長が描く卓球界の未来(WEB SPORTIVA)

”東京ばな奈”はなぜTリーグにスポンサーしたのか?<卓球応援企業特集>(Rallys)

ヘルスケア業界の雄・EPS、Tリーグ協賛で目指す「コミュニティ強化」<卓球応援企業特集> (Rallys)