フットボールから誕生した球技はさまざまありますが、なかでも、他球技と比べて得点方法が複雑なスポーツがラクビーです。
そのため、ラクビー観戦中に「あのプレーは何点なのだろう?」と疑問に思う方もいることでしょう。実際、ラクビーの得点方法は複数存在し、種類によって獲得できる点数が異なります。
本記事では、ラクビーの得点方法や種類、選手のランキングなどについて解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
ラグビーの得点方法
複数の得点方法があるラクビーですが、最初は現在のように複雑ではありませんでした。
ラグビーの得点方法には、歴史が深く関係しています。まずは、ラグビーの得点に関する歴史からみていきましょう。
ラグビーの歴史
ラクビーは、サッカーと同じ「フットボール」から派生したスポーツの1つ。スポーツとしてルール統一をする際に、ボールを持って走ることを認めるか否かで、サッカー(アソシエーション)とラクビー(ラグビーフットボール)に分裂しました。
フットボールとして、ボールを持って走ることを認めるルールで実施した団体が、イングランドでも有名な、パブリックスクール「ラグビー校(ラグビースクール)」。この学校で最初にボールを持ってプレーした人物が、ラグビーの発明者だと言われているウィリアム・ウェッブ・エリスという人物です。
ラグビーの得点に関する歴史
ラクビーが誕生した当初から、ボールを持って走ることが認められていました。
そして、当時の得点方法は、2本のゴールポストの間のクロスバーの上を、蹴ったボールが越えれば1ゴール。つまり、ラグビーのなかで最も熱くなる得点方法の1つ「トライ」が、当初はありませんでした。
ちなみに、誕生当初はトライをしても得点は獲得できず、成功するとゴールキック(コンバージョンキック)への挑戦が認められるだけでした。
その後、時代とともに試合での「トライ」の価値が重要視され、ラグビーにおける得点方法として確率。その他の得点方法や点数は、ラクビー誕生時から変わっていません。
その他の得点方法については、得点パターンと種類との関連性があるため、詳細は後述します。
得点パターンと種類
ラクビーでの得点方法は複数ありますが、大きく分けると以下の2種類です。
- キック
- トライ
それでは、詳しくみていきましょう。
キック
ラグビーで得点が獲得できるキックは、以下の3種類です。
- コンバージョン(ゴール)キック
- ドロップゴール(キック)
- ペナルティ(キック)ゴール
ラグビーにおけるコンバージョン(ゴール)キックとは、トライを決めたチームが挑戦を認められたゴールキックのこと。獲得できる得点は2点です。
上記で紹介したように、トライに成功すれば5点獲得。つまり、この挑戦に成功すれば「5点+2点」で、計7点獲得できます。
プレー方法は、地面にボールを落としてバウンドさせて蹴る「ドロップキック」と、キックティーにボールをセットして蹴る「プレースキック」のどちらかを選び、ゴールポストの間とクロスバーの上を超えれば得点を獲得できます。
なお、ゴールを通過する前にクロスバーやゴールポストに触れてもよいとなっていますが、ボールがグラウンドに触れた場合はノーゴールですので注意しましょう。
ちなみに、前述した2つのキック方法のうち、どちらを選んでも獲得できる得点数は同じです。
そして、キックする場所はトライの場所によって決まり、トライでボールを地面にタッチした場所からタッチラインと平行な延長線上の場所になります。
さらに、トライした選手が蹴らなければならないということではなく、どのポジションで誰が蹴ってもよいというルールとなっているため、基本的にキックが得意な選手(キッカー)が担当する場合も少なくありません。
ラクビーでは、相手チームの選手がオフサイドなどの反則を行った際に、反則をしなかったチームにフリーキックの権利が与えられるルールとなっています。
そのため、キックに成功すれば、3点獲得できます。ここで、ペナルティゴール(キック)の権利が獲得できる可能性のある相手チーム選手の反則を、下記に列挙します。
- オフサイド
- オブストラクション
- インテンショナルノックオン
- ウィルフルスローイング
- ウエストオブタイム
- デレイザスローイング
- ピックアップ
- オーバーザトップ
- コラプシング
- スクラムホイール
- ハイタックル
- レイトタックル
そして、地面にボールを落としてバウンドさせて蹴る「ドロップキック」。ボールを持った選手は、試合のどの時点でもこのキックを試みることができます。
そして、このキックに成功すれば3点獲得可能。ちなみに、ドロップゴール(キック)とも呼ばれています。
トライ
相手のゴール領域(インゴールエリア)内に、ボールをグラウンディングさせる得点方法をトライと言います。上記で紹介したように、当初トライは直接得点となるプレーではありませんでしたが、現在では成功すれば5得点獲得できます。
相手のゴール領域内に持ち込んだ時点ではなく、ボールを地面につけた(グラウンディング)した時点で得点となるため、ボールがしっかり地面に接地していなければノーゴール扱いとなります。
また、トライでの得点方法には、通常のトライの他に、「ペナルティトライ」もあります。
ペナルティトライとは、別名「認定トライ」とも呼ばれており、相手選手の阻止により失敗となった場合、その阻止方法が反則であると審判が判断すれば獲得できるルール。以前は、トライ後にコンバージョンキックへ挑戦し、成功すれば7点、失敗すれば5点でした。
しかしが、2017年からキックが省略され、ペナルティトライであれば、一気に7点獲得できます。
得点ランキング
ラクビーでは、1シーズンに1人の選手がどれだけの得点を獲得できるのでしょうか。
ここでは、ジャパンラグビートップリーグが発表している「2020-2021得点ランキング」を参考に、上位5位までの選手とその獲得得点を下表にまとめました。
順位 | 選手名 | 獲得した得点数 |
5位 | ジャック・ストラトン | ・所属チーム:東芝ブレイブルーパス・総合得点数:60点・トライ数:3(3×5得点=15点)・コンバージョンゴール数:18(18×2得点=36点)・ペナルティゴール数:3(3×3得点=9点)・ドロップゴール数:0 |
4位 | ヘイデン・パーカー | ・所属チーム:神戸製鋼コベルコスティーラーズ・総合得点数:62点・トライ数:1(1×5得点=5点)・コンバージョンゴール数:24(24×2得点=48点)・ペナルティゴール数:3(3×3得点=9点)・ドロップゴール数:0 |
3位 | 松田力也 | ・所属チーム:パナソニック ワイルドナイツ・総合得点数:63点・トライ数:0・コンバージョンゴール数:18(18×2得点=36点)・ペナルティゴール数:9(9×3得点=27点)・ドロップゴール数:0 |
2位 | ライオネル・クロニエ | ・所属チーム:トヨタ自動車ヴェルブリッツ・総合得点数:76点・トライ数:1(1×5得点=5点)・コンバージョンゴール数:19(19×2得点=38点)・ペナルティゴール数:11(11×3得点=33点)・ドロップゴール数:0 |
1位 | ボーデン・バレット | ・所属チーム:サントリーサンゴリアス・総合得点数:128点・トライ数:6(6×5得点=30点)・コンバージョンゴール数:37(37×2得点=74点)・ペナルティゴール数:8(8×3得点=24点)・ドロップゴール数:0 |
まとめ
今回は、ラグビーの得点方法や種類、トップランキングの選手について紹介してきました。
ラグビーでは得点方法が複数あるため、難しいようなイメージを持っている方もいることでしょう。しかし、ルール自体は難しくはないため、本記事を参考にすればすぐに覚えることができると思います。
また、得点方法によって獲得できる得点が異なるため、ギリギリでも逆転の可能性があることがラクビーの試合の楽しさの1つ。さらに、総合得点数は近くても、得点方法が選手によって異なるため、誰がどんな方法で得点王になるのかが分からないという面白さもあります。
本記事が、ラグビーの得点について知りたい方の参考になれば幸いです。
(TOP写真提供 = Bj Pearce / Unsplash.com)
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