サッカーにおけるフェイントは、相手のディフェンスをかわすテクニックの1つ。フェイントが上手くなれば、シュートでゴールしたときと同様、もしくはそれ以上の興奮を観戦者に与えることができるでしょう。
しかし、いざサッカーの試合でフェイントするとなると、なかなか難しいもの。
本記事では、試合で役立つフェイントの種類や初心者におすすめの練習方法などについて解説しています。
ぜひ、最後までご覧ください。
フェイントとは
フェイント(feint)は、もともと日本語で「見せかける」という意味を持ちますが、サッカーではどのようなプレーを指すのでしょうか。
ここでは、フェイントの目的に加え、フェイントが上手い方の特徴や有名選手を紹介します。
フェイントの目的
フェイントは、球技・格闘技などの競技で、相手を惑わせる目的で行います。
例えば、格闘技では相手の想定とは違う動きで意表をついた攻撃をすることで、相手の体勢を崩させたり、防御していない箇所に有効打を当てたりすることができます。
そして、サッカーでは主にオフェンスの際、相手のディフェンスをかわして、ゴールやパスを狙う目的でフェイントが使われます。
フェイントの上手い方の特徴
フェイントが上手な人には、以下の特徴があります。
- 相手をよく見ている
- 遊び心がある
- 創造力が豊かである
フェイントでは、相手の考えている裏をかく必要があります。相手の動きや思考のクセをつかむために、相手のことをよく観察している方はフェイントが上手い方が多いです。
また、フェイントは戦略の1つですから、真面目に考えてプレーしなければいけません。しかし、遊び心がなければ相手の意表をつくことはできません。
「こう動いたら相手が騙せそうだ」「こんなプレーをしたら面白そうだ」と、想像しながら、遊び心を持ってプレーできるのが、フェイントが上手い方の特徴です。
フェイントが上手いサッカー選手
フェイントが上手な選手は世界各地に存在しますが、なかでも、ポルトガル代表FWのクリスティアーノ・ロナウドが有名。ロナウドは、引き技・シザーズ・切り返し・股抜きなどを組み合わせたドリブルを得意としており、スピードの緩急や方向転換などの能力も高いことが特徴です。
本人も、「トリッキーなテクニックを織り交ぜることが自分のプレースタイルである」と語っています。
同じく、元ブラジル代表のロナウジーニョ・ガウチョは、際限のない創造力でさまざまなフェイントを生み出し、数多くの1対1の場面で相手選手を抜いてきた選手。また、FIFA最優秀選手賞やバロンドール・ゴールデンボール賞などの個人タイトルを数多く獲得しました。
さらに、ワールドカップ・欧州選手権・トヨタカップ・チャンピオンズリーグなどの主要タイトルをすべて獲得しているジダン(ジネディーヌ・ヤジッド・ジダン)は、マルセイユルーレットというフェイントを得意としていたことで有名です。
その他、以下のサッカー選手も有名です。
- リオネル・メッシ
- アントニオ・カッサーノ
- ナニ(ルイス・カルロス・アルメイダ・ダ・クーニャ)
- リベリー(フランク・アンリ・ピエール・リベリー)
- 三都主アレサンドロ
世界の名立たるサッカー選手が、フェイントで相手を翻弄する光景は圧巻ですね。
フェイントの種類
ここでは、初心者におすすめのフェイントを紹介します。
- ボディフェイント
- シザーズ
- ダブルタッチ
- ルーレット
それでは、詳しくみていきましょう。
ボディフェイント
サッカーで上半身の動きを使うフェイントが「ボディフェイント」です。
ボールテクニックが苦手でも、上半身の動きと相手との間合い・タイミングさえ掴めば、初心者でも簡単にできます。
使いこなせるようになると効果が絶大なため、フェイントが上手い有名選手のなかにも、このボディフェイントを得意としている方が数多く存在します。
ボディフェイントで重要となるポイントは体重移動。そして、コツは上半身を片側に振って、その反動で逆側に抜けることです。
シザーズ
サッカーの試合で、比較的よく使われるポピュラーなフェイントが「シザーズ」です。
プロのサッカー選手もよく使う技術ですが、難易度はそれぼと高くないため、練習を繰り返すことで初心者でもできるようになるでしょう。
シザーズの特徴は、そのまま相手ディフェンスをドリブルで抜くように見せかけて、ボールをまたぐ動作を行うこと。相手のタイミングをずらして一気に抜き、パスコースを作ったりシュートコースを作ったりします。
動きが小さいと相手の重心を大きく傾けることができないため、大きく動くのがポイントです。
ダブルタッチ
正面にいる相手ディフェンダーに対して、1度目のタッチで直線上に相手がいない横方向位置にボールをずらし、2度目のタッチで縦方向にボールを動し、相手を抜き去る動作のことをダブルタッチと言います。つまり、2回のボールタッチで、相手ディフェンダーを抜き去るフェイントです。
ダブルタッチのコツは、下記の3つ。
- ボールを自分が自由に扱える場所に置くこと
- タッチの際はボールを蹴るのではなく押し出すようにする
- 軸足を逃がす時に体も一緒にスライドする
一流選手も多用しているフェイントで、ボールの扱いが難しくテクニックの必要性が高いフェイントのように思う方も少なくありません。しかし、左右の足でボールを横に転がす技術と縦に押し出す技術があれば、初心者でも使えます。
ルーレット
ジダン選手が得意とし、愛用していたフェイントの1つである「ルーレット」。見た目の派手さから難しいフェイントに見えますが、コツを覚えれば、初心者でも意外と簡単にできます。
ルーレットの手順は、下記の4つです。
- ボールと向かい合った状態から、足裏の先を使ってボールを後ろに引き寄せる
- 軽くジャンプして足を入れ替え、反対側の足裏で、ボールをキャッチする
- その状態でもう一度足裏でボールを引く
- 逆足でドリブルを再開する
できるようになるまで、繰り返し練習しましょう。
フェイントのコツと練習方法
ここまで、サッカー初心者におすすめのフェイントを紹介しましたが、試合での成功率を上げるためには、コツを意識した練習をしなければなりません。
まずは、フェイントが上達するためのコツからみていきましょう。
ギリギリの間合いで行う
サッカーにおいて、フェイントはギリギリの間合いで行うことがポイントです。
そもそも、相手選手との距離が遠すぎる時にフェイントしても、意味がありません。また、距離が近い状態だとフェイントを行う前に、相手にボールを奪われてしまう可能性があります。
ギリギリの間合いで、相手選手との駆け引きができる環境を想定しながら練習しましょう。
スピードに緩急をつける
相手ディフェンダーを騙しドリブルで抜く場合に、ゆっくりとした動作では抜けません。
しかし、スピードが速くても、同じ速度では相手に動きを読まれてしまいます。
そのため、スピードに緩急をつけて、相手を騙すことがポイントです。練習中もスピードの緩急を意識しましょう。
リラックスした状態で行う
動きを意識し過ぎて、ガチガチの状態では、ぎこちないフェイントになりやすいです。また、相手選手からも、フェイントが読まれてしまいます。
リラックスして練習することも重要なポイントですので、意識してみましょう。
視野は広く
サッカーでは、視野を広くもつこともフェイントで重要なポイントです。
そもそもフェイントは、相手選手の動きをよく見て、即時に分析する必要があります。
つまり、サッカーボールだけではなく、周囲選手の動きや状況が確認できる広い視野を持つことが重要だということです。
視線がカギ
熟練選手になると、相手選手の目(視線)を確認することで、次の行動を予測します。
また、同様に相手選手も視線で動きを読もうとしてくるはず。そのため、それを逆手にとって、視線移動を起点に相手選手へのフェイントを仕掛けることも可能です。
さらに、ボディフェイントと視線移動を組み合わせることで、試合での成功率を上げることができるでしょう。
サッカー初心者におすすめの練習方法
サッカーにおいて、フェイントの練習は1人でもできますが、チームメイトなどに協力してもらいながら練習した方が効率的です。
サッカー初心者が練習する際は、基本的に下記の4ステップで進めるのが、おすすめです。
- 1人で体重移動の練習を繰り返し行う
- ボールタッチの練習を繰り返し行う
- コーンを置き、相手を想定した練習を行う
- 実際にチームメイトに強力してもらい練習を行う
まとめ
本記事では、フェイントについてや、初心者へのおすすめの練習方法などを解説してきました。
フェイントが上手くできるようになれば、試合で活躍できる選手を目指せるでしょう。
また、ボールテクニックが苦手でも、上半身の動作や視線移動などのコツを掴めば、成功率を上げることができます。
ぜひ本記事を参考にして、練習してみてください。
(TOP写真提供 = Jannik Skorna / Unsplash.com)
《参考記事一覧》
サッカーのフェイントで覚えておきたい! 基本的な種類と練習方法(Alpen Group)