ソフトボールのルール ~基本ルールと野球との違い、さらに注目選手についても紹介

女子ソフトボールは、日本チームがメダルを狙える世界のトップレベルの実力でもあることから人気のスポーツです。2021年開催の東京オリンピックでも、前回13年前の北京大会に続き金メダルを獲得、世界に実力を示しました。

ソフトボールのルールですが、野球と似ていますが、独自ルールもあり、ここで一度整理してみましょう。野球のルールをご存知の方には、野球と比較し違いを説明しながら、また、野球のルールを知らない方でも観戦を楽しめるよう、ソフトボールのルールについて紹介しましょう。

ソフトボールはいつから始まった?

ソフトボールは1887年、アメリカのシカゴにおいて室内でプレーする野球として生まれたとされています。野球選手が冬場練習のために室内で行っていましたが、1920年ごろから屋外でもプレーされるようになり、1933年に全米統一ルールが制定されて「ソフトボール」と命名されました。日本には1921年に伝わり、終戦後に普及、1950年から国体の競技種目になり人気が高まりました。

ソフトボールの基本的なルール

ソフトボールの基本的なルールを、まとめてみます。

主なルール

2つのチームが戦う団体競技です。攻撃チームと守備チームのそれぞれ9名ずつが先発メンバーとして参加します。各チーム7回ずつ交互に攻撃と守備を行い、多く得点したチームが勝利します。

ダイヤモンドと呼ばれる四角形に、本塁(ホームベース)、1塁、2塁、3塁にベースを置き、中でも1塁は「ダブルベース」と呼ばれる白とオレンジの2つのベースを使います。

投手が下手投げで投げたボールを捕手が捕球するまでの間に、相手チームバッターが打撃します。バッターはダイヤモンドを右回りに、1塁から2塁、3塁を回って本塁に到達して1点を獲得できます。守備側は飛球を捕球するか、ゴロボールを打撃した選手が1塁に行くまでに打ったボールを1塁手に投げる・渡すことでアウトにできます。3アウトで攻守が交代、守備はできるだけ進塁をさせないよう、攻撃は進塁し得点することを競います。

野球との違いは?

写真提供 = Rachel Barkdoll / Unsplash.com

野球のルールをご存知の方には、ソフトボールと野球のルールの違いを説明した方が分かりやすいかもしれません。以下の通り表で比較してみました。主要なポイントは、ソフトボールではスピーディーな試合を行うための独自ルールがいくつも見られます。

ソフトボール(国際ルール)野球(日本の野球規則)
グラウンドホームベースから外野フェンスまで男子76.20メートル以上、女子67.06メートル以上ホームベースから両翼まで76.119メートル以上、中堅まで121.918メートル以上
塁間18.29メートル27.431メートル
投球距離ピッチャーズプレートからホームベースまで男子14.02メートル、女子13.11メートルピッチャーズプレートからホームベースまで18.44メートル
バットバット長さ86.36センチ以内、重さ1.08キログラム以内、直径5.72センチ以内(誤差0.79ミリ)、滑り止めテープ25.4〜38.1センチを巻く、主流は金属、丸い棒状、表面滑らかバット長さ106.7センチ以下、重さの規定なし、太さは6.6センチ以下、滑らかな丸い棒、材質は木(ただし、アマチュアでは金属製バットが認められ、重量は900グラム以上)
ボールボール円周30.16〜30.80センチ、重さ177.19〜198.45グラム、色は黄色で革かゴム製ボール円周22.9〜23.5センチ、重さ141.7〜148.8グラム、コルク、ゴムなどの芯に糸を巻きつけ、白色皮革で包む
投球方法下手投げに限定、手と手首は体側線を通過投げ方に、セットポジションとワインドアップ他は厳しい規定はない

グラウンドが狭い、投球距離が短い

ソフトボールでは、ボールが大きく重く、飛びにくいボールになっています。また、投げ方も下手投げに限定していますが、投球距離が短いために女子でもトップ選手が時速100キロ以上のボールを投げれば、体感速度は野球の時速150キロのボールに匹敵すると言われています。

塁間が短い

①リードの禁止

ソフトボールでは塁に出たランナーは、塁を離れてのリードが禁止されています。離れた場合は走者はアウトになります。(野球ではリードは自由です。)

②ダブルベース

一塁はダブルベースになっていて、野手は内側白色のベース、打者走者は外側のオレンジ色のベースを踏むことで、接触を避ける危険防止がされています。捕球と触塁の同時はセーフです。(野球はシングルベースです。)

イニング数

ソフトボールでは7回が基本、延長戦の場合は8回以降、ノーアウト2塁からスタートするタイブレークで決着をつけます。(野球は9回が基本、延長戦は大会ルールによります。)

リエントリー

ソフトボールでは、先発メンバーは交代した後も一度だけ再出場できます。(野球では交代した選手はその試合では再出場はできません。)

指名選手(DP)

ソフトボールでは、打撃専門の指名選手(DP)と、守備専門の指名選手(FP)を1人使うことができます。(野球では、打撃専門の選手(DH)はピッチャーに代わって打席に立ちます。ソフトボールではどの守備の選手と代っても構いません。)

テンポラリーランナー

ソフトボールでは2アウトで捕手が出塁している場合には、テンポラリーランナーとして走者を交代することができます。ランナーになる選手は、塁上の選手以外で、打順が最後に回ってくる選手に決まっています。捕手はプロテクターなどの装着用具が多く、時間がかかるため、攻守交代をスピーディーにするためのルールです。(野球ではこのルールはありません。)

投球ルール

ソフトボールでは、投球の際に野球と異なる細かいルールが決められています。投げる際にはピッチャーズプレートを踏んでボールを持ったら2から5秒完全な動作停止を行うことや、ボールを投げる時に手と手首は体の側面から離さないこと、捕手からの返球後は20秒以内に投球すること、などです。(野球ではセットポジションなどにボークなどの禁止事項があります。)

これからの大会と注目の選手

さて、これから行われる大会と注目の選手について紹介しましょう。

開催予定の大会

男子TOP代表チームは、2022年11月27日から12月4日までの予定でニュージーランド・オークランドで行われる、第17回男子ワールドカップに出場予定です。前回大会で惜しくも準優勝でしたので優勝を期待したいです。また、開催時期は未定ですが、第11回男子アジアカップがマレーシアで行われる予定です。

女子TOP代表チームは、2021年7月の東京オリンピックで金メダルを獲得しました。今大会は福島県の福島あづま球場と神奈川県の横浜スタジアムで行われ、6チームの総当たりの予選後、1・2位チームが決勝戦、3・4位チームが3位決定戦を行いました。日本チームは予選をアメリカに次いで2位通過、決勝戦では2−0でアメリカを破り優勝しました。(3位はカナダ、4位はメキシコでした。)次大会は未定です。

国内大会では、2021年度は新型コロナ感染症の影響で第76回の国体は中止、その他の大会スケジュールが変更される中、9月予定でした全日本総合選手権男女大会が11月から再開されています。

今後の予定は、2022年3月に第40回になる男女高校選抜大会、第18回の都道府県対抗全日本中学生男女大会、第15回春季小学生男女大会が予定されています。

注目の選手(日本女子)

東京オリンピックで活躍した日本女子チームのレジェンド2名と、これからも活躍を期待される選手4名を紹介します。

上野由岐子投手 〜日本女子チームの投手で、2008年の北京オリンピックでも2021年東京オリンピックでもエースとして金メダル獲得に貢献したレジェンド。最速時速130キロのボールを投げます。右投げ。

山田恵里外野手 〜東京オリンピックで日本女子チームのキャプテン。2008年の北京オリンピック決勝で決勝点となるホームランを打ったレジェンドです。東京オリンピックの大事なカナダ戦ではサヨナラタイムリーを放ち、勝負強さを見せました。左投げ左打ち。

藤田倭投手 〜投手と打者の二刀流で、長打力もあり、戦略的にも鍵となる選手です。右投げ右打ち。

後藤希友投手 〜リリーフエース。国際大会での実績は2019年の世界ジュニアだけと少なかったものの、東京オリンピックでは予選からリリーフで好投を見せ、時の人となりました。左投げ。

我妻悠香捕手 〜東京オリンピックでは3捕手を揃えましたが、一番成長著しかった捕手です。

山本優内野手 〜オリンピック経験はなかったのですが、東京オリンピックでは日本女子チームの主砲として活躍。アメリカの左ピッチャーに対してクリーンアップ3人並べた右打ちの1人です。

注目の選手(日本男子)

日本男子チームも実は、2019年第16回の世界選手権では決勝でアルゼンチンに延長戦の末敗れて準優勝でしたが、現在世界ランキング1位です。これからの注目の選手を紹介しましょう。

小山怜央投手 〜2016年の世界ジュニア選手権優勝投手で、2018年インカレ・全日本総合を優勝し2冠を獲得した投手。2019年の世界選手権でも大会最速の時速135キロのボールを投げ「次代のエース」として活躍、これからも注目です。右投げ。

八角光太郎内野手 〜大学生ながら全日本選手として2018年アジア選手権に出場、首位打者・本塁打王・打点王の3冠獲得、MVPも手にした逸材です。右投げ左打ち。

実は、日本女子チームは、東京オリンピック中、男子チーム選手の支援を受け、速いボールの練習を積んでいたそうです。女子の金メダルの陰に男子チームのサポートがあったのですね。

まとめ

ソフトボールのルールについて、基本ルールと野球との違い、これからの大会予定と注目の選手について紹介しました。

日本のソフトボールは男女とも世界トップレベルにあり、これからも注目です。オリンピックでは世界的なスポーツ種目でないという理由で大会種目から除外されることが多く、オリンピックを目指す選手にとっては種目になるかならないか、決定まで落ち着かないことが多いです。スピーディーでスリリングな試合のソフトボールにファンも多く、ぜひ気持ちを切らさず練習に励んで頂き、次の世界大会でもよい結果を期待したいです。

ソフトボールの試合観戦の際には、ぜひこのルール説明を参考に楽しんでみてください。

(TOP写真提供 = Rachel Barkdoll / Unsplash.com)


《参考記事一覧》

ソフトボールの基礎知識 (公益財団法人日本ソフトボール協会)

野球・ソフトボール用具規則 (MIZUNOホームページ)

『スポーツ観戦を楽しむ本』(成美堂出版)

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