日本最大手の広告代理店「電通」では、様々な角度からスポーツビジネスに参入しています。
特に、東京2020オリンピック・パラリンピックでは、マーケティング専任代理店として、関係企業や団体のマーケティングを任されています。
さらに、電通ではオリンピックが終わった後でもスポーツ選手をサポートできる事業を予定するなど、積極的にスポーツ事業に携わっているのです。
電通とスポーツとの関わり
電通は、国内外の大手スポーツ団体と、強固な関係を維持しています。
ワールドカップやオリンピックなどの世界的団体、さらには日本の巨大組織IOC(日本オリンピック委員会)、日本サッカー協会などの団体とも関係があります。
このように世界や日本の大手スポーツ団体との強固な関係を維持しているのです。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の専任代理店も務める
2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック。
電通は、この巨大スポーツイベントのマーケティング専任代理店に選ばれました。
電通はこの契約により、マーケティングのプランの策定やスポンサーセールスの支援を行うことになったのです。
この契約に対して電通は、「これまで長年にわたり培ってきたスポーツ事業における知見やノウハウを生かし、2020年に開催される第32回オリンピック競技大会および第16回パラリンピック競技大会の成功に向けて、グループの総力を挙げて貢献していきたい」と述べています。
スポーツマーケティングの根幹は選手を支えること
スポーツマーケティングの根幹にあるのは、「スポーツ選手を支え、十分な結果を残せるような環境を整えること」です。
そのために様々な事業が行われています。
協賛社を募る
電通は様々なマーケティングスキームを駆使し、協賛社を集めています。
歴史と実績のある電通だからこそ、こうした支援活動ができると言えます。
2019年に開催される世界柔道の東京開催も、まさにこういった取り組みが実を結んだ成果と言えるでしょう。
スポーツ選手を実際にサポートしてくれる協賛社を募ることで、スポーツ選手を支援しているのです。
選手と協賛者を結ぶ
電通のスポーツ事業は、協賛社をみつけるだけではありません。
実際に選手とサポーターとのコミュニケーション機会を設けたりもしています。
たとえば、選手が協賛社の方々に直接感謝の気持ちを伝える機会をつくったり、大会などが開催されない地域や被災地などを訪問して地元地域の人々との交流の場を設けるなどしているのです。
こうした取り組みを通して、スポーツを支えてくれるファンを育てるとともに、選手自身のモチベーションアップも狙っています。
2020年に向けての動き
電通は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、選手を取り巻く環境を整える取り組みを進めています。
環境を整えることで選手に最高のステージを用意し、大会で結果が出せるように支援しているのです。
電通は、2020年以降にもスポーツが社会的価値を生み出すことができるように尽力していくとしています。
採用情報
電通のグループ企業「電通スポーツパートナーズ」では、スポーツに興味があり、専門的な知識や経験を持っている方を採用することで、よりよいスポーツ支援を行おうとしています。
そのため、次のような人材を募集しています。
広告会社またはスポーツマーケティング会社にて業務経験のある方。
国内マラソン大会などのスポーツイベント運営会社にて業務経験のある方。
放送局または放送制作会社にてスポーツ放映権/映像制作/中継等に携わった経験のある方。
スポーツイベントまたはイベント制作に関する専門的な知識や経験を弊社業務に生かせる方。プロゴルフツアーの運営・実施の業務経験のある方。
1級建築士/1級建築施工管理技士の資格をお持ちの方でイベント業界に興味をお持ちの方。
ある程度の経験と知識が必要ですが、スポーツマーケティングの最前線で活躍できることは魅力と言えるでしょう。
マーケティングにはステークホルダーとの連携が必要
マーケティングには、ステークホルダーとの連携が必要となります。
メディアや競技団体、開催地との連携について紹介します。
メディアや競技団体との連携
スポーツマーケティングには、放送や興業、マーケティングに関連する権利が必要です。
そして、こういった権利を扱うには信頼が必要となりますが、電通は長い歴史と実績がある企業として、多くの信頼を得られています。
その結果、スポーツマーケティングに伴う権利を取り扱うことができているのです。
もちろん、スポーツマーケティングは1社で完結できるものではないため、さまざまな関連団体や企業との連携が必要となります。
電通の取り組みとして1例をあげると、2016年から2017年のバレーボールプレミアリーグでは、イギリスのパフォーム・グループとの連携によって全試合ライブ配信を行ないました。
スポーツのネット放送によって「見る環境」を整えることで、若い世代のファンを獲得する狙いがあります。
さらに、海外のスポーツマーケティングでは、DANとの提携も計画されているのです。
開催地との連携
電通は、開催地と連携することで、大会の開催に向けた取り組みもおこなっています。
例えば、世界選手権では、開催数年前から海外や国内の競技連盟や競技団体、放送局などとのコミュニケーションとチームワークが必要とされます。
無事に大会の招致が決まったら、多くの関連団体や企業と連携した活動が求められるのです。
多くの団体との連携によって大会を招致し、開催が決まったら協賛社と連携して活動を進める。
こうした取り組みの中で、電通のスポーツビジネスは成長を続けているのです。
スポーツビジネスの強化に向けて他社と業務提携
電通は、スポーツビジネスの強化に向けて、フロムワンやパナソニックなど、他者との業務連携も行っています。
それぞれの企業とどのような業務連携を行っているのか、詳しくご紹介します。
フロムワンとの資本業務提携
2019年1月、電通は株式会社フロムワンとの業務資本提携を発表しました。
フロムワン社は、様々なスポーツメディアを運営している企業であり、野球をもっと楽しむための野球専門ポータルサイト「ベースボールキング」や、世界のサッカー情報を発信する「サッカーキング」などを展開する他、セルジオ越後氏のマネジメントを行うなど、幅広いファンに向けてスポーツ関連情報を発信しています。
スポーツメディアの大手であるフロムワン社との業務提携によって、より一層、スポーツビジネスにおける影響力が高められると考えられています。
パナソニックとの業務提携
電通は、WEBスポーツメディアのフロムワンだけでなく、電気メーカーの大手であるパナソニックとも業務提携をしています。
電通とパナソニックは、スポーツの強化と健康寿命の延伸などを実現するという目的で連携。
パナソニックが得意とする映像・センサー機能技術と、電通が得意なクリエイティブ部門とサービス設計を組み合わせることによって、より進化した映像コンテンツを提供することを目標としています。
eスポーツではベルロックメディアと連携
近年話題を呼んでいるeスポーツ。
電通は、まだまだ国内には広がりが小さいeスポーツを拡散するため、eスポーツ業界との連携も始めています。
その取り組みとして、デジタルマーケティングカンパニーとしてeスポーツのプロチームを保有するベルロックメディアとの連携を決めました。
電通は、ベルロックメディアとの連携で、eスポーツプレイヤーの企業タイアップ動画や企画、制作事業を強化すると共に、動画プラットフォームへの広告メニューの共同開発を実施していくとしています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
電通は、日本を代表する広告代理店ですが、スポーツ事業にも大変力を入れています。
選手のサポートや環境を整える取り組みを進めている電通。
2020年の東京オリンピックのマーケティング専任代理店として多くの企業と連携し、東京オリンピック・パラリンピックを成功に導く大役も担っています。
参考記事一覧
電通、スポーツ関連ビジネスの更なる強化に向け、フロムワン社と資本業務提携(ウェブ電通報)
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会がマーケティング専任代理店として電通を指名(dentsu)
電通とパナソニック、「プレミアム・スポーツコンテンツ」事業開発で業務提携~2020年の事業化目指す(MarkeZine)