東京マラソンの開催以降、日本全国にひろがったマラソン。
近年ではシャルソンという変わった大会が開かれるなど、その形態は多様化しています。
また、モデルや女性芸能人がSNSで走ることの楽しみを発信するなど、スポーツとしての一面だけでなく、アピールする場にもなっています。
それに伴って、マラソンに対して様々なビジネスを仕掛ける企業も増えています。
この記事では、マラソンの移り変わりについて紹介します。
SNSの活用で進化を見せるマラソンビジネス
今、マラソンでは、SNSの活用が進められています。
皇居ランなどに合わせたサービスを展開するホテル、多くの著名人がSNSで拡散したことで多くのランナーが殺到するようになった東京マラソンなど、SNSの活用による変化がうかがえます。
宿泊パック
皇居ランは、今や、周辺のホテルが適応したサービス展開をするほどの盛り上がりを見せている大会です。
たとえば、皇居から近いダイヤモンドホテルでは、午後3時のチェックインから翌日正午までゆったり滞在できて皇居ランを楽しめるコースをはじめ、ミネラルウォーターのサービスや、タオルセットの追加も可能。
マラソンブームの拡大によって、大会に合わせたサービスを提供するホテルが増えているのです。
マラソンエキスポ
マラソンエキスポのエキスポは、博覧会を意味するキーワードです。
つまり、マラソンエキスポとは、博覧会の規模の巨大マラソン大会と言い換えることができます。
東京マラソンエキスポは、毎年8万人を集める大会であり、2019年には、3日間で合計約12万人が集まりました。
芸能人や著名人ランナーと一緒に走れるだけでなく、供給所では、さまざまなグルメを味わうことができるなど、人気のある大会です。
博覧会というだけあって、走らない方も楽しめる展示などが行われていて、ツイッターやフェイスブック等で毎年大変な話題になります。
ファッション
東京マラソンが開催される前には297万人ほどであった週1ランナーは、今では600万人を超えているとされています。
これだけ大人数になったことによって注目する企業が増えていますが、中でも、女性向けのランニングファッションを販売するメーカーが多く集まっています。
各地で行われるファッションショーで、ランニングウエアのコーナーができるほどの盛り上がりを見せていて、女性ランナーがマラソンをファッションの面からも楽しむことができるようになっています。
SNS利用の新しいイベントも人気
SNSを使用したマラソンイベントとして「シャルソン」が人気です。
シャルソンは従来のマラソン大会の概念を覆す革新的な大会です。
実際にシャルソンではどんなことが行われているのか解説します。
シャルソン(ソーシャルマラソン)
シャルソンとは、コースも距離も自由、というマラソン大会です。
参加者はSNSなどで参加の意思を表明し、決められた時間にゴール地点に到着していればよいので、一般的なマラソン大会とは似て非なるものと言えます。
参加者が見付けた地域の魅力をフェイスブックなどで発信したり、走っている最中に出会った他のランナーと積極的に交流することが可能。
地域の活性化やコミュニティー作成にも役立てられており、観光客を集めるための手法として企業や各団体が注目しています。
シャルソンのルール
シャルソンのルールとして
- ゴールの場所と時刻はあらかじめ指定
- スタートの時刻や場所は参加者各自が決めて良い
- マラソンだが、歩くことも可能。
- 交通機関も利用可能
- 車道ではなく、主に歩道を走る
などが挙げられます。
また、ランナーは、マラソンの途中で写真を最低1枚撮って、発見した街の面白さを懇親会で伝える必要があります。
つまり、シャルソンは、タイムを競ったり走ることを楽しむ従来のマラソン大会とは異なり、人と企業や街をつなぐことが目的とされています。
SNSでの発言に注目が集まる
マラソン好きのタレントやモデルがSNSなどで発信をすることも、現在のマラソン人気につながっています。
出岡美咲
出岡美咲さんは、izuという名前でモデル活動をされています。
モデル活動の傍らでマラソンにも挑戦していますが、中でも特徴的なのが、世界最北端のフルマラソン「FWD北緯78度マラソン」に挑戦したことでしょう。
出岡美咲さんは、6時間19分54秒で見事完走していますが、完走後の写真や情報などをブログに掲載。
走り終わった後の充実感を伝えるなど、マラソンの素晴らしさを伝えています。
福内櫻子
福内櫻子さんは、学生時代、陸上に力を注ぎ、全日本大学選手権大会などに出場して数々の成績を残した人物です。
大学卒業後、競技生活からは引退しましたが、現在はランニングアンバサダーとして、トレーナーやゲストランナーなどの活動をしています。
今は、現役時代のタイムを残すためのマラソンとは違い、自分と向き合うために走っているという福内櫻子さん。
2019年3月10日には、3年ぶりのフルマラソンに挑戦し、3時間8分10秒でゴールしています。
その様子をSNSで発信し、多くのファンから驚きの声が上がりました。
マラソン大会への提供で健康志向の人へアピール
各企業は、マラソン大会へ自社製品を提供することで、健康志向の方へアピールしたり、企業イメージのアップにつなげようという動きを見せています。
アンハイザー・ブッシュ社が製造するビール
アンハイザー・ブッシュ社が製造するビールは、通常のビールよりもカロリーや糖質が低いのが特徴です。
大会への商品提供は、健康志向が高い運動好きな人々へアピールするという目的があるようです。
5万人以上が参加する、TSCニューヨークシティマラソンのパートナーをつとめるアンハイザー・ブッシュ社では、ビール好きな一般ランナーを集めたチームを結成し、ランナーが主体となって情報を発信する活動をしています。
また、大会優勝者を翌年のインフルエンサーランナーの募集告知、指導役に抜擢しています。
スポーツドリンク
マラソンでランナーが格好良くドリンキングする様子はランナーの憧れです。
そんなイメージのあるマラソンドリンクにも、多くの企業が参入しています。
スターバックスコーヒージャパンでは、東京オリンピックの際に4店が給水ポイントとしてランナーにコーヒーを提供します。
また、本格的なスポーツドリンクでは、MAURTEN ドリンクミックスが結果に結びつくと話題です。
世界6大マラソン大会の優勝者が飲んでいたドリンクとの触れ込みで、多くのトップランナーに支持されています。
科学者とエリートアスリートとの共同開発によって開発されたドリンクであり、胃の許容量を超えた炭水化物をエネルギー化することができるなど、機能的にも優れています。
美味しいマラソン大会
日本各地では、地元のグルメを味わえるイベントも行われています。
カクテル発祥の地である横浜マラソンでは、給水ポイントで本格的なバーテンダーがシェイカーを振り、ノンアルコールカクテルが味わえます。
北九州マラソンでは、エイドステーションが地元スイーツで埋め尽くされます。甘いものが大好きな方におすすめです。
この他にも様々なグルメを味わえるマラソンが行われているので、探してみてはいかがでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
マラソンとSNSは今や切っても切れないものになっています。
日本各地や世界では、いろいろな取り組みが行われているので、マラソンに参加してSNSで発信してみてはいかがでしょうか。
参考記事一覧
ビールブランド、マラソン大会でSNS重視のアクティベーション戦略に変更(SPORTS SPONSORSHIP)
SNS×ご当地マラソン「シャルソン」広がる (日経スタイル)
福内 櫻子(ランニングアンバサダー) RUNNING TICKET Vol.11(ALPEN RUNNING)
3年ぶりのフルマラソン?3時間8分10秒でゴールしました?(ツイッター)