野球のストライクゾーンとは?正しい定義と広さの活用方法を徹底解説!

「ストライクゾーンの正しい定義とは?」

「ストライクゾーンを活かす攻め方は?」

など、ストライクゾーンについて、疑問を持つ方も少なくないでしょう。

野球中継などを見ていると、ストライクゾーンは投手から見た視点でホームベース上に9分割に表示されます。

したがって、その表示がストライクゾーンであり、平面でストライクが判定されるものと思っている方も少なくないはず。

しかし、実際には、ストライクゾーンはホームベースの上に立体的に存在するもの。

この記事では、正しいストライクゾーンの定義や、広さをうまく活用する攻め方などを詳しく解説していきます!

ストライクゾーンとは

ストライクゾーン「the strike zone」とは、野球で審判がストライクと判定する範囲を指します。

公認野球規則によると、ストライクゾーンは以下のとおり定められています。

74 STRIKE ZONE「ストライクゾーン」打者の肩の上部とユニフォームのズボンの上部との中間点に引いた水平のラインを上限とし、ひざ頭の下部のラインを下限とする本塁上の空間をいう。このストライクゾーンは打者が投球を打つための姿勢で決定されるべきである。

【注】投球を待つ打者が、いつもと異なった打撃姿勢をとってストライクゾーンを小さく見せるためにかがんだりしても、 球審は、これを無視してその打者が投球を打つための姿勢に従って、ストライクゾーンを決定する。

引用元:公認野球規則
2021-FC2 http://yokouchibaseballclub.web.fc2.com/rules2021/rules2021-mokuji.html

つまり、ストライクゾーンは、ホームベース上に立体的に存在しており、ストライクゾーンの空間の高低、左右、奥行き全てにボールの一部分が通過すればストライクと判定されます。

ストライクゾーンの高低

ストライクゾーンの上限は、肩の上のラインとズボンの上のラインの中間になります。

とはいえ、この中間点を瞬時に判断するのは非常に難しいでしょう。

そのため、実際には脇の下や胸のマークなどを基準にします。

ストライクゾーンの下限は、ひざ頭の下部のラインです。

ストライクゾーンの左右

ストライクゾーンの左右は、ホームベースの横幅(ボール6個分)が基準です。

ただし、ルール上では、ベースの端をかすめて通過すればストライクになるので、実際にはボール8個分の横幅になります。

ストライクゾーンの奥行き

ストライクゾーンの奥行きは、キャッチャー側にあるホームベースの五角形の頂部分です。

五角形のどこを通過してもストライクになります。

ストライクゾーンの判定

写真提供 = Antoine Schibler

つぎに、ストライクゾーンはどのように判定されるかについてみていきましょう。

バッターボックスの立つ位置によってストライクゾーンは変わらない

野球のバッターボックスは、横幅48インチ(121.92cm)、奥行72インチ(182.88cm)の長方形で、ホームベースから 6インチ(15.24cm)離れています。

バッターボックス内の立つ位置によって変化することはありません。

構え方によってストライクゾーンは変わらない

公認野球規則の定義によれば、「打者が投球を打つための姿勢」で決定されるとなっています。

これを見ると最初の姿勢で決まると思ってしまいますが、打者がストライクゾーンを小さく見せようと極端にかがんだりしてしても、ストライクゾーンの範囲は変わらないと注意事項として記されています。

つまり、バッターが打席で最初に構える姿勢ではなく、ピッチャーが投げた後、バットがボールに当たる瞬間の姿勢でストライクゾーンが決まることになります。

審判に依存する面もある

前述した通り、ストライクゾーンは、バッターの立つ位置、構え方によって変わることはありません。

実際のストライクゾーンを最終的に判定するのは審判です。

以下の公認野球規則を確認してみましょう。

8.02 審判員の裁定(a)打球がフェアかファウルか、投球がストライクかボールか、あるいは走者がアウトかセーフかという裁定に限らず、審判員の判断に基づく裁定は最終のものであるから、プレーヤー、監督、コーチ、または控えのプレーヤーが、その裁定に対して、異議を唱えることは許されない。

引用元:公認野球規則
2021-FC2 http://yokouchibaseballclub.web.fc2.com/rules2021/rules2021-mokuji.html

バッターは、ストライクゾーンに来たボールを強く打ち返すことが出来るフォームを考えて、日々練習に取り組んでいます。

そのため、バッターの打つ姿勢(打撃フォーム)は人によってさまざまでしょう。

つまり、その打つ姿勢(打撃フォーム)で判断されるストライクゾーンは、結局のところ審判の主観によります。

一球一球のストライク、ボールの判定は微妙なケースも数多くあり、審判は瞬時に判断しなくてはなりません。

野球は、審判の判定は絶対的なものであるとするフェアプレーの精神の上に成り立っています。

ストライクゾーンをうまく活用するには

バッテリーは、ストライクゾーンの広さを有効活用して打者を打ち取ろうとします。

ここでは、その方法をいくつかご紹介します。

ストライクゾーンの奥行きを活用する

上述したようにストライクゾーンは、ホームベース上に立体的に存在するものであり、ボールがその一部を通過すればストライクと判定されます。

つまり、ストライクゾーンの空間に左右の側面から通過するようなボールを投げてもストライクです。

たとえば、サイドスローのピッチャーが角度を付けたボールを投げてストライクを狙えば、バッターにとってはとても打ちにくい球になるでしょう。

また、スピードボールと緩いボールといった緩急を駆使することも、ストライクゾーンを立体的に捉えたピッチングの極意になります。

四隅のコースを活用する

ピッチャーが配球をするにあたって、インハイ、インロー、アウトハイ、アウトローの四隅のコースを投げ分けることができれば、バッターを打ち取る確率が高くなります。

バッターにとって、四隅のコースをバットにミートできるポイントはすべて異なるので、タイミングを合わせることが難しくなるからです。

また、バッターの目の残像を利用するという方法もあります。

インコースにきた軌道、アウトコースにきた軌道は、バッターの体の感覚として脳に残っています。

この残像を利用して、直近のコースと逆のコースを投げることで打ち取る可能性が高くなります。

そのため、四隅のコースの投げ分けは非常に有効です。

プレートの位置を変えてさまざまな軌道に見せる

プレートの位置を変えることも、バッターから見ると同じ球種であっても違う軌道になるので、有効になります。

プレートの3塁側から投げるか、真ん中から投げるか、1塁側から投げるか、というだけで3つの軌道が微妙に違います。

さらに、四隅のコースに投げ分けることができれば、バッターはさまざまな軌道に対応しなくてはなりません。

しっかり打ち取るためには、あらゆる方法を組み合わせることが重要だといえるでしょう。

まとめ

この記事では、ストライクゾーンの正しい定義と、広さをうまく活用する方法について解説してきました。

ピッチャーの投球の軌道によって、バッターに対するボールの角度が異なれば、打ち取る確率が高くなります。

ストライクゾーンの空間をうまく活用していけば、バッテリーの攻め方のバリエーションを増やすことができるでしょう。

(TOP写真提供 = Chris Chow / Unsplash.com)


《参考記事一覧》

ストライクゾーンの範囲とは?意味と定義と合わせて解説【初心者ガイド】 (Activeる!)

野球のストライクゾーンのルールとは?【定義や意味をわかりやすく解説】 (野球の聖典)

ストライクゾーンの定義と範囲|高さとコースの境界線や奥行きの活用方法(キャッチャー目線)

配球のコツ!コースを投げ分けてストライクゾーンを広く使おう(We Love Baseball)

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