テニスには他のスポーツではあまり耳にしない、さまざまな専門用語があります。解説者が使う、テニスの専門用語がわからないという方もいるでしょう。
本記事では、テニスの専門用語のなかでも、ストロークについて解説しています。
ストロークは、上手く打てることがテニス上達の鍵となると言っても過言ではありません。
ぜひ、最後までご覧ください。
テニスのストロークとは?フォームのコツ
ストロークは、もともとテニス独自の専門用語ではなく、下記のように他のスポーツや他のジャンルでも使われている用語です。
- 水泳では水を腕で水をかくこと(一かきすること)
- スピードスケートでは、氷の上で脚を動かすこと(一滑りすること)
- ボート競技ではオールを動かすこと(一こぎすること)
- ボート競技のボートの艇尾に最も近いこぎ手(整調)のこと
- ゴルフで球を打つこと
- ゴルフでの打数のこと
- 往復運動で動く距離のこと
- 往復運動での行程のこと
- 弦楽器和音を弾くときの手の動きのこと
- タイプライターでのキーの打数のこと
ストロークを日本語に直訳すると、「打つこと」「打撃」「ひと突き」などですが、テニスでのストロークとは、ボールを打つこと。卓球やクリケットといった競技でも、ボールを打つことをストロークといいます。
ただし、テニスの場合は、自分側のコートでワンバウンドしたボールを打つことをストローク。一方で、自分側のコートに来たボールをノーバウンドで打ち返した場合は、ストロークではなく「ボレー」と呼びます。
また、サーブの返球もストロークではなく、リターンと呼びます。
一般的にテニスの場合は、相手のショットをリターンすることをストロークと呼びますが、「テニスでボールを打つ=ストローク」でも間違いではありません。
ちなみに、自分側のコートでボールがツーバウンドすると相手のポイントとなってしまうため、ツーバウンドでの返球に呼び方はありません。
ストロークの種類
テニスでの基本となる打ち方は6種類あり、この6つを「6ストローク」と呼んでいます。
そんな6ストロークとは、下記のとおりです。
- フォアハンドストローク
- バックハンドストローク
- フォアボレー
- バックボレー
- スマッシュ
- サーブ
自分側のコートでワンバウンドしたボールの返球の種類といえば、「フォアハンドストローク」「バックハンドストローク」です。
本記事では「テニスでボールを打つ=ストローク」と捉えて、6ストロークすべてをストロークの種類として解説していきます。
それでは、詳しくみていきましょう。
フォアハンドストローク
フォアハンドとは、利き腕側でボールを打つこと。つまり、ラケットを右手に持っている選手は右側で、左手に持っている選手は左側で、コートにワンバウンドしたボールを返球することを、フォアハンドストロークと呼びます。
一般的に、利き手は日常使いすることから筋肉量が多いため、フォアハンドストロークの方がボールの返球がしやすく、威力のあるショットを打てる選手が多いです。
バックハンドストローク
バックハンドとは、利き手とは逆側にきたボールを打つこと。ラケットを右手に持っている選手は左側で、左手に持っている選手は右側でコートにワンバウンドしたボールを返球すれば、バックハンドストロークと呼びます。
利き手と逆側で打つため、バックハンドストロークが苦手という選手も少なくありません。
しかし、上手く打てるようになれば、フォアハンドに回り込まなくても済むので、プレイの質は格段に上がります。
ボレー
自分側のコートに入ったボールを、ネット付近でノーバウンドで返球するのがボレーです。
- フォアハンドで打ったボレーが:フォアボレー
- バックハンドで打ったボレーが:バックボレー
ネット付近で、さらにバウンドによって威力が軽減していない相手ショットを返球するため、難易度が高いです。
スマッシュ
自分の頭よりも高い位置まで上がったボールを、相手コートに叩きつけるように返球するのがスマッシュです。
ノーバウンドでもワンバウンドでも、自分の頭よりも高い位置でサーブを打ったショットは、ボレーやストロークではなくスマッシュと呼びます。
サーブ
6ストロークのなかで唯一、相手のショットの返球ではないのがサーブです。
手に持ったボールを空中にトスし、それをラケットで打つショットのこと。このサーブで試合が始まります。
回転の違いでの種類もある
フォアハンドストロークとバックハンドストロークには、下記のような回転の違いで種類が異なります。
- 回転のかかったストローク:フラット
- 相手方向に順回転するように打つストローク:スピン
- 相手方向に逆回転するように打つストローク:スライス
また、片手打ちと両手打ちという種類もあります。
フォアハンドストロークはあまりみられませんが、近年、両手打ちバックハンドストロークのプロテニス選手も少なくありません。
また、一般・ジュニア選手で両手打ちバックハンドストロークを使っている方が増えています。
片手打ちバックハンドストロークの方が、ボールの回転・スピード・コース・角度に変化をつけやすい事が特徴。ラケットが安定するため、バックハンドストロークが苦手な方に向いています。
質の高いストロークを打つためには?
ここでは、フォアハンドストロークとバックハンドストロークで、質の高いショットを打つための正しいフォームとコツを紹介していきます。
フォアハンドストロークのフォームのコツ
フォアハンドストロークで質の高いショットを打つコツは、上手くユニットターンができることです。
ユニットターンとは、下半身と上半身が連動するように、体全体でターンすること。下記の手順で行います。
- 軸足のつま先を横に向ける
- 軸足に体重を乗せる
- 上半身を捻る
ボールがネットを越えたタイミングでこのユニットターンを行います。そして、ボールを打つ位置まで移動し、フォアハンドストロークで打てば、スイングスピードが確実にボールに伝わります。そして、質の高いショットが打てるようになります。
また、ボールをまっすぐ飛ばすために、ラケット面を打球方向に向け、その体勢のまま手首をキープすることもコツです。
テイクバックしてどうしても振り遅れてしまうという方は、肘が体の少し前にあるように意識するとよいでしょう。
バックハンドストロークのフォームのコツ
バックハンドストロークには片手打ちと両手打ちがありますが、どっちで打つかによって質の高いショットを打つためのコツが変わります。
片手打ちと両手打ちのコツを、下表にまとめました。
片手打ちのコツ | 両手打ちのコツ |
テイクバックは正面から見て、ラケット面が背中の反対側から見えるくらい捻る。スイングは腕ではなく体ごと振る。ラケットは大きく振り抜いて確実にボールに力を伝える | 右と左のグリップを握る力をフォアハンドの1/2で握る。両肩とグリップで2等辺3角形を作り、そのカタチをキープする。腕の動きが制限されるのでしっかりと腰の回転を使ってボールに力を伝える |
まとめ
今回は、テニスのストロークについて、解説しました。
安定するストロークが打てるようになれば、試合で勝てる確率が飛躍的にアップします。
ただし、常に同じ体勢でショットが打てるわけではないため、さまざまな状況・体勢でも安定して返球できる必要があります。まずは、基本的なフォームで安定したストロークが打てるように練習しましょう。
またストロークが安定すれば、余計な体力を使わずにプレイできるので、怪我のリスクも軽減できます。
ぜひ本記事を参考にして、安定した質の高いストロークが打てるよう練習してください。
(TOP写真提供 = Chino Rocha / Unsplash.com)
《参考記事一覧》
テニスのストロークとは?安定する打ち方のフォームの基本とコツ【テニスコーチ監修】(Activeる!)
テニスの「ストローク」はどうすれば上手になるの?!打ち方の基本やコツをご紹介!(SPOSHIRU)