2021年の秋に開幕となる日本初の女子サッカープロリーグ、WEリーグ。
「女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する」ことを理念とし、11クラブの参加が発表されています。
本記事では、WEリーグについて徹底的に解説していきます。
来年一気に盛り上がること間違いなしの女子サッカー。
これを読んで、話題に乗り遅れないようにしましょう。
WEリーグとは
1993年に開幕したJリーグに遅れること28年。
日本初の女子サッカーリーグである「Women Empowerment League」、略してWEリーグが2011年秋に開幕すると発表されました。
WEリーグの掲げる理念は「女子サッカー・スポーツを通じて、夢や生き方の多様性にあふれ、一人ひとりが輝く社会の実現・発展に貢献する」というもの。
スポーツは人々に夢や感動を与えるものであり、近年の女子スポーツ選手の活躍は夢と感動を与えてきました。
しかし、女性を取り巻く環境はまだまだ厳しいのが現状です。
WEリーグは女子サッカーを通じて私たち一人ひとりが活躍できる社会が実現することをめざしています。
開幕における盛り上がりが予想される
FIFA女子ワールドカップ2011年ドイツ大会優勝、2012年ロンドン五輪準優勝など、輝かしい実績を残したことにより、一気に注目を集めた日本女子サッカー。
当時、なでしこジャパンの活躍に熱狂した人も多いでしょう。
潜在的に女子サッカーに興味のある層も多いと予想されることから、WEリーグ開幕での盛り上がりが期待されます。
11クラブがWEリーグに参入
6月に入会の詳細が発表されたWEリーグ。
7月31日の締め切りまでに、17団体が申請しました。
そして、10月15日、WEリーグに参入するクラブとして発表されたのが
- マイナビ仙台レディース
- 浦和レッドダイヤモンズレディース
- 大宮アルディージャ
- ちふれASエルフェン埼玉
- ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
- 日テレ・東京ヴェルディベレーザ
- ノジマステラ神奈川相模原
- AC長野パルセイロ・レディース
- アルビレックス新潟レディース
- INAC神戸レオネッサ
- サンフレッチェ広島F.C
の11クラブです。
参入にあたっての条件は
- 運営に当たる法人を構成する役職員の50%が女性
- プロA契約選手が5名以上およびプロB・C契約が10名以上
- 意思決定に関わす人のうち、少なくとも1人が女性
- 監督はJFA・S級を有する、もしくは、S級資格取得講習会を受講中であること
- U-18、U-15、U-12チームを保有すること
- 座席数が5000人以上あるホームスタジアムを有すること
などであり、財務状況が重視されたとされています。
どのクラブも強化に力を入れているので、白熱した試合が期待されます。
目標はリーグ平均で5,000人の集客
WEリーグは、観客動員数の目標を1試合平均5000人としています。
現リーグであるなでしこリーグの平均観客動数は1200人。
その3倍以上もの人数を動員するため、女性や子どもが観戦しやすくなるよう、試合を開催する日時を金曜日の夕方や土曜日の夜にするとしています。
また、INAC神戸レオネッサの社長は、ホームスタジアムに動員する観客数が1万人以上となることを目標としています。
そこには、プロであるからにはスタジアムに足を運んでもらうことによって収益を上げることが必要である、という思いがあるようです。
INAC神戸の安本史社長は、姉妹都市である米シアトルやスペイン・バルセロナの女子サッカーチームとの交流戦にも意欲的です。
海外チームとの交流戦が盛んに行われることで、日本の選手の強化や海外選手の獲得がしやすくなります。
注目度が上がることで観客動員数の増加が期待できます。
試合時間の調整とマンガとのコラボ
WEリーグ代表の岡島チェアは試合時間を調整することで観客動員数アップを見込んでいます。
それは女子中高生の大規模な試合との時間をずらすこと。
アメリカ女子プロサッカーリーグでは日頃サッカーをプレイしている女の子が家族と一緒に憧れの選手を応援する光景が自然にあります。
思い描くビジョンはこの光景。
現状なでしこリーグではサッカーをしている女子中高生の練習や試合と時間がかぶり、観戦が少ないのが現状です。
試合時間をサッカーをしている女子中高生の練習や試合と時間をずらすことでサッカーをプレイしている女の子が観戦に来やすい環境を作ります。
また、女子サッカーを親しみやすくする工夫として「さよなら私のクラマー」という高校女子サッカーを舞台としたマンガとのコラボも考えられています。
これは直接サッカーと関わりのなかった層へのアプローチ。
広い層へのアプローチ戦略をしていますね。
女子サッカーのこれから
2011年、FIFA女子サッカーワールドカップでアジア勢初の優勝を飾り、大きな注目を集めた日本の女子サッカー。
2012年には澤穂希選手がバロンドール賞(年間最優秀選手賞)を受賞し、歌舞伎になでしこジャパンをモデルにした着物の人物が登場するなど、注目の話題が続きましたが、いまや、その注目度は下がっているのが現状です。
また、女子サッカーの課題として、サッカーをプレイする女子が少ないということがあります。
その理由として挙げられるのが、自分の試合となでしこリーグの試合が重なり観戦できていないこと。
WEリーグは、この状況を改善するため、試合時間を変更し、サッカーをプレイする女子が憧れの選手を応援できる環境を作り上げるとしています。
そして、試合を観戦したプレーヤーがやがて成長し、WEリーグのピッチに立つ、という、まさに「WEリーガーを女子の夢の職業にする」ということを実現しようとしています。
まとめ
2021年秋に開幕がせまるWEリーグ。
開幕戦を派手におこなうという岡島チェアがどのように運営していくのか、注目が集まります。
(TOP写真提供 = rawf8 / Shutterstock.com)
《参考記事一覧》
WE Love 女子サッカーマガジン|WEリーグ岡島喜久子チェアインタビュー前編「女子がどこまでできるか
日刊スポーツ|WEリーグ「オリジナル11」決定「開幕戦派手に」
スポジョバ|プロスポーツの今。女子プロ野球担当者に聞くコロナ禍での模索とスポーツの力
Jスポーツコラム&ニュース|女子プロリーグ創設の行方は。競技レベルの向上は著しいが……
デイリー|WEリーグ岡島チェア、姉妹都市交流試合を提案「観客動員につながる」
SPONICHI ANNEX|「WEリーグ」岡島チェア、観客動員増へ“あの手この手”自ら動く!