「ファンとのつながりを大切に」宇都宮ブレックス佐藤夏美氏と田代智子氏がマーチャンダイジングで目指す「架け橋」【30代キャリア】

スポーツビジネスの現場で核となり、将来のキーパーソンにもなる30代の方々に、これまでのキャリアと現職について伺う連載企画。第3回は宇都宮ブレックスのマーチャンダイジング ディレクター 佐藤夏美(さとう・なつみ)さんと、企画・制作担当 田代智子(たしろ・ともこ)さんに、Bクラブへ転身したキャリアから、マーチャンダイジングの取り組みまで伺います。(聞き手はHALF TIME編集部の横井良昭)

アウェーでも物販強化。ブレックス流のマーチャンダイジング

――宇都宮ブレックスはBリーグの初代王者であり、日本人初のNBAプレーヤーである田臥勇太選手も在籍する人気クラブです。お二人が普段どのような業務をされているかを教えてください。

田代智子氏(以下、田代):私はグッズの企画・制作を担当しています。グッズのデザインなどに関してメインで担当し、製造は各関係会社の方と一緒に行っています。試合ごとの新グッズ制作時には社内のメンバーに意見をもらいながら、3〜5種類ほどの新商品を出しています。

佐藤夏美氏(以下、佐藤):私の方は試合会場での物販とオンラインショップの運営を行っています。グッズの企画・制作には直接業務としては関わっていませんが、社内ミーティングを通してカラーやデザイン面の決定、そして発売時期などに関して連携しています。

田代:私が企画・制作、佐藤さんが現場ディレクターという役割ですね。それぞれの立場で責任を持って仕事にあたっているので、お互い尊重し合っています。

――ブレックスではアウェーでも物販を強化するなど、ユニークな取り組みを行っています。どういった経緯で始まったのでしょうか?

田代:アウェーでも物販を積極的に行った理由の一つとして、田臥勇太選手の存在があります。現場で田臥選手グッズのニーズを肌で感じて、ブレックスのPRのためなら全国どこへでも行こうと考えました。

佐藤:アウェーファンの方々にも好評なんです。「毎回来てくれたら良いのにね」と言ってくださったりすると、アウェーまで赴いて良かったと思います。

田代:そういった現場の声は、グッズ制作にも活きています。ファンの反応を予想してグッズ制作をしているのですが、時には予想外の反応もあります。私自身も現場にできるだけ足を運ぶようにしていますが、ホーム、アウェー、地域によっても人気のグッズに違いが出るので、とても勉強になります。

クリエイティブ、Webの経験を活かす

――お二人それぞれ、これまでのキャリアをお伺いさせてください。

田代:前職は地元栃木県のデザイン会社でした。チラシやホームページ制作などのクリエイティブ経験が、ブレックスのグッズの企画制作にも活きていますね。「目的を持ってものを作る」という考え方は以前から変わらず、今は「ブレックスのファンに喜ばれるものを作る」ことを意識しています。

佐藤:私は前職がWebの代理店です。実は最初栄養士として病院や企業の社員食堂で働いていたんですが、「これからのキャリア」を考えたときにWebの世界に興味を持ったんです。代理店でWebの分析や提案活動を行なう中でスポーツ業界で働くことを考え始め、自分が転職したいと思ったタイミングで、ブレックスの募集を偶然見て応募したんです。

実は最初、アリーナ運営のポジションに応募したんですが、グッズ関連の求人を逆に勧められて現職に就いています。ECに関してはこれまでのWebの経験が活きていますが、物販の陳列などはまだまだ知見が足りていません。ですのでサッカーや野球の試合を視察し、自分なりに勉強をして毎試合のグッズ販売に活かしています。

――そして佐藤さん・田代さんのチームが組まれるわけですね。これまで一緒に働かれて、いかがですか?

佐藤:田代さんが入社歴で先輩になるのですが、最初はグッズ売り場での企画の見せ方からバナーの貼り方まで、細かく言われましたね(笑)。

田代:確かに最初の頃は、細かい指示も多かったですよね。グッズを縦ではなく横に並べてほしいとか、グッズの見せ方にこだわりもありましたから。でも、いつの間にか指摘はしなくなりました。技術的な部分は慣れればできるようになりますし、佐藤さんはファンとのコミュニケーションを楽しみながら現場で改善していましたし、任せた方が良いだろうと思いました。

佐藤:グッズの配置に関しては、ファンの方々から学ぶことも多いんです。私が「これを推さなきゃ」と置いたものより、ファンの方々は隅に置いてある商品に手を伸ばすこともある。そうすると配置を変えた方がいいなど、お客さんの動きが参考になります。

マーチャンダイジングに求められる「チャレンジャー」

――グッズの企画制作から販売まで、まさに二人三脚ともいえます。何か現在直面する「課題」はありますか?

田代:課題とまでは言えないかもしれませんが、デザインの仕事では社外の方に依頼することもあるのですが、なかなかデザインがしっくりこないことがあります。ブレックスに対する熱量が違うのかなと思うのですが、もっと周りを巻き込んで行ければなと思います。

それと、「勝ち負け」で売上が明確に変わるのは、スポーツ業界ならではですね。チームが低迷すると入場者数も減りますし、売上も伸びません。商品自体の魅力以外でこんなにも左右される業界は他にないですし、そこが面白い部分なのかなとも思います。

佐藤:お客さんの反応は、わかりやすいですからね。いつもは試合後にグッズ売り場に立ち寄ってくれるファンの方々も、試合に負けたらすぐに帰られてしまいますから。私たちは売り場の撤収作業もあるので、勝てば嬉しく、負けると寂しい(苦笑)。

一方でグッズには「オフシーズン」がありません。リーグのオフシーズンでもグッズはオンラインショップなどで販売していますし、コロナ禍でも忙しかったです。こんなに忙しいとは、入ってから知りました(笑)。有難いことですが。

――それでもお二人の仕事は充実されているように見受けます。スポーツの現場や業界の「魅力」は、何ですか。

田代:もともと私はブレックスのファンで、ブレックスの立ち上げの時から応援していました。バスケットボール経験者でもありますし、観戦することを楽しむのはもちろんですが、地元栃木県にプロバスケットボールチームというエンターテインメントができることに大変感動しました。

スポーツは「体験すること」に価値があります。一緒にチームを応援したり、会場に足を運んだり。グッズ1つをとっても、グッズを身にまとい、応援する一人ひとりにストーリーがあります。モノ消費が落ち込むなかで、スポーツ業界の「コト消費」には強みがあると思います。

ファンの時は「こんなグッズや演出があったらいいな」と好き勝手に思っていました(笑)。フロントスタッフとして働くとうまくいかないこともありますが、その分やり甲斐を感じます。

――現在ブレックスでは、マーチャンダイジングの担当者も募集しています。どういった方を求められますか?

佐藤:ブレックスには、負けていたシーズンでも次の新発売のグッズは好評だったり、「またお金貯めなきゃ」と言ってくれるような熱いファンの方々がたくさんいます。クラブのアクションに対して必ず反応してくれるファンの方々がいますので、やり甲斐につながります。とにかく「挑戦したい」と思っていただける方に、是非応募してほしいと思います。

田代:ブレックスは、チーム名の由来でもありますが「BREAK THROUGH(現状を打破する) 」の考え方を行動指針としています。既存のやり方を打ち破ってチャレンジをしていける、BREAK THROUGH精神を体現してくれる方と一緒に働きたいと思っています。是非、ご応募をお待ちしています!

スポーツ業界を新しい活躍のフィールドと捉え、ビジネスの現場を牽引する「未来のキーパーソン」に、HALF TIMEでは引き続き連載形式で伺います。


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