ライフスタイルバスケブランドAKTRが新たに参画。楽天とJUBFが手掛ける大学バスケの国際大会「WUBS」の舞台裏

8月10日から13日までの4日間、国立代々木競技場 第二体育館で、昨年に続く第2回の開催を迎える、一般社団法人全日本大学バスケットボール連盟(JUBF)主催の大学バスケの国際大会「Sun Chlorella presents World University Basketball Series(以下、WUBS)」。今年は新たに米国、オーストラリア、韓国からも各校が参加し、全体の参加チーム数も2倍に増える。

発展を続ける国内バスケの潜在力とは? また、新たなパートナーが考える大会自体の魅力とは? 昨年の第1回大会から運営協力を行う楽天グループ株式会社(以下、楽天)のIPコンテンツ事業部スポーツビジネス課ディレクターの岡本直也氏と、今大会の公式パートナーAKTR(アクター)代表の新田寛之氏に話を伺った。

楽天のスポーツ事業は「スポーツの発展にグローバルな視点で取り組んでいく」

東北楽天ゴールデンイーグルス、ヴィッセル神戸といった国内クラブの運営や、NBAのゴールデンステート・ウォリアーズといった世界を代表するチームのスポンサードを行う楽天。同社がグローバルスポーツを「事業」として捉えるようになったのは、2018年にヴィッセル神戸に入団したアンドレス・イニエスタがきっかけだった。

「イニエスタ選手の肖像を使ったIP(知的財産)ビジネスが2018年から始まりました。スポンサードをするだけでなくビジネスとしてやっていこう。そして、スポーツの発展のためにグローバルな視点で取り組んでいこうとスポーツビジネスが新たにスタートしたんです」(岡本氏)

楽天グループ株式会社 IPコンテンツ事業部 スポーツビジネス課 ディレクター 岡本直也氏。写真提供=楽天

以降同社は、肖像権ビジネスをサッカー以外にも広げ、またスポーツイベントの企画運営をゼロから手掛けるなどスポーツ事業を拡大していく。その中でJUBFに話を持ちかけ、“大学生が海外選手と戦える舞台”として用意したのが、昨年初開催となったWUBSだ。

バスケットボールはもともと競技人口の多いスポーツで、近年さらに盛り上がりを見せている。楽天が大切にする“人々と社会のエンパワーメント”をバスケで実現していこうという取り組みになる。

日本、フィリピン、インドネシア、チャイニーズタイペイから各校が出場した昨年の第1回大会は、3日間の大会期間中、4ヶ国でのべ380万人以上が視聴した。告知から開催まで1ヶ月というスケジュールだったが、海外ではライブ中継も行われた。多くの人が視聴したことで大会の「可能性を感じた」(岡本氏)という。

昨年の第一回大会はアテネオ・デ・マニラ大学(フィリピン)が優勝。日本の東海大学は2位で幕を閉じた。写真提供=楽天

2年目のWUBS 新たなフォーマットとパートナー

今年の第2回大会は、米国、オーストラリア、韓国と参加国も増え、参加チーム数も8チームと前回の2倍に増加。フィリピンではパブリックビューイングの開催も予定されるなど、大会は拡大の一途を辿る。

さらにWUBSが工夫するのは、バスケファン以外にもリーチしていく点だ。今大会は日本発のライフスタイルバスケットボールブランド「AKTR」を新たなパートナーとして迎え入れ、公式グッズの制作・販売だけでなく幅広いコラボレーションを展開する。

デザイン性が高く日常でもスポーツでも着られるアパレルを展開するAKTR。東京・駒沢と大阪・心斎橋にフラッグシップストアを構える。写真提供=AKTR

「AKTRのブランドメッセージは『Choose Yourself』で、“自分らしさを忘れずに、自ら能動的に動いて人生を豊かにしていこう”というもの。海外のチームと試合ができて世界が見てくれる環境は、これまで選ばれた人にしか与えられていませんでした。(大会パートナーとして)若者が新しい経験を得られることをお手伝いできれば」(新田氏)

バスケ界の中でもライフスタイルブランドとして展開してきたAKTRにとっては、メインストリームのバスケ大会に関わる貴重な機会にもなる。新田氏は「既存のバスケの枠を超えて“広い関心ごと”になっていけるようにタッチポイントを作っていきたい」とも話す。

NBAでは八村塁や渡邊雄太といった日本人トッププレーヤーが続々と出現し、日本代表も五輪やFIBAバスケットボール・ワールドカップを通して盛り上がりを見せるが、大学というカテゴリーはまだまだ伸びしろがある。

そこにカッコよさやクールさを加える存在となるのがAKTRだと岡本氏は強調する。 「バスケ人気の高い国の大学が参加し、各国では試合が視聴される中、国内をどう盛り上げていくか。その時に、AKTRさんをはじめとするパートナーの支えは大きい」(岡本氏)

駒沢オリンピック公園に近くに位置する、AKTRの駒沢フラッグシップストア。バスケを楽しむ人々のコミュニティの中心地となっている。写真提供=AKTR

「自分たちがライフスタイルの中で着たくなる」マーチャンダイジング

昨年大会では、思うようにグッズ展開ができなかったのも事実だ。その反省を生かすという意味でも、ユースカルチャー、ファッションアパレルに強いAKTRは適任だった。

「いわゆるイベントグッズを作るというよりは、自分たちがライフスタイルの中で着たくなるようなものの中に大会の名前を入れる方向で考えています。日本では競技とカルチャーに少し距離がありますが、アメリカだとそこがシームレスにつながっていますよね。

マーチマッドネス(※)のグッズとかは僕らでもほしいじゃないですか。そういったものを今回のマーチャンダイジングでできると面白いなと思っています。バスケの競技大会という枠を超えて、“渋谷で行われるひとつの大きなお祭り”という見せ方ができるといいでしょうね」(新田氏)

(※全米の大学バスケ・ナンバーワンチームを決める、NCAA 1部所属チームのプレーオフトーナメント)

AKTRはバスケをライフスタイルの一部として提案する。写真提供=AKTR

大会初日の8月10日には、バスケットボール男子日本学生選抜(JUBF選抜)と本大会にも出場するフィリピンのアテネオ・デ・マニラ大学「BLUE EAGLES」とのエキシビションマッチが予定されている。その日本学生選抜(JUBF選抜)のユニフォームもAKTRが提供する。

今まではメジャースポーツブランドが担ってきたユニフォーム提供を、ライフスタイルブランドのAKTRが手掛けたことは変革の一つだろう。大会では公式グッズの制作・販売以外にも、運営スタッフが着用するTシャツもデザインし、提供する予定だ。

AKTR代表 新田寛之氏。写真提供=AKTR

大学バスケの最上位大会を目指して

これまで日本の大学バスケットボール界では、観客を入れて行う国際大会の実現には至っていなかった。それは日本だけではなく、海外から参加するチーム・選手からも待ち望まれていたものだった。

前回大会から4チームの参加が増えたことについて、「昨年の第1回大会が好評だったことから、第2回大会への参加を各大学に打診した際に、その時点で参加する意向を回答いただいたケースもあり、各大学のWUBSへの反応は好意的だった」と岡本氏はいう。

海外チームからすれば、国外チームと対戦できるオンザコートでのメリットと、秋冬からのシーズン開幕前に日本まで行って、チームの絆を深めることができるというオフザコートでの魅力がある。

「今までは代表に選ばれる選手を除くと、インカレ(全日本学生選手権)が学生最後の舞台でした。でも、その上にさらに世界大会があるということで、『知らない世界が実は広がっているんだ』『世の中は今まで決められていたものだけじゃない』ということを、多くの学生の方が知ることにつながればいいなと思っています」(新田氏)

各大学の反応は「好意的」(岡本氏)。WUBSは国際バスケ大会として大学バスケ最高位を目指す。写真提供=楽天

昨年招待制だったWUBSに日本代表として出場した東海大学は、同年、2年ぶり7回目の第74回全日本大学バスケットボール選手権大会優勝を果たし、同大会の優勝校と準優勝校に与えられることになった今年のWUBS出場権を実力で掴み取った。

海外チームの選手にとってもWUBSは卒業後の進路を見据えたアピールの場になる。国内外の選手・コーチが一堂に介すことで、海外との距離感を知り、海外挑戦へのきっかけにもなり得るだろう。

AKTRがこれまで大切にしてきた、ひとりひとりのプレーヤーの「個性」、そして能動的に動き、「チャンスを掴む」ということ。それらの想いがWUBSという新たな舞台で実現することになる。

◇Sun Chlorella presents World University Basketball Series
公式サイト: https://www.wubseries.com/event
Instagram: https://www.instagram.com/wubs_official/
Twitter: https://twitter.com/wubs_official
TikTok: https://www.tiktok.com/@wubs_official

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