スポーツ選手には名言を残している人が多くいますが、その中でも「野球選手」は名言の宝庫です。
有名選手の名言を知っていれば、ビジネスシーンでちょっとした話題にすることもできるでしょう。また、人生の糧となるような、「深い言葉」を残している選手もいます。
この記事では、「日本野球選手」「メジャーリーガー」「プロ野球監督」の3つのカテゴリで紹介しています。
日本人野球選手の名言
プロ野球選手には、名言を残した人が数多くいます。その中でも今回は特に著名な、次のような選手たちの名言をまとめてみました。
- イチロー
- 松井秀喜
- 大谷翔平
では、それぞれの選手の名言を詳しく見ていきましょう。
果てしない努力の結果磨き上げられた天才イチロー
「イチロー」と言えば、言わずとしれた野球界のスーパースターです。日本では7年連続首位打者という記録を打ち立て、メジャーリーグでも2度の首位打者を取るなど、天才の名を欲しいままにしました。
そのイチローは、次のような言葉を残しています。
「努力せずに何かできるようになる人のことを「天才」と言うのなら、僕はそうじゃない。努力した結果、何かができるようになる人のことを「天才」と言うのなら、僕はそうだと思う。人が僕のことを努力もせずに打てるんだと思うなら、それは間違いです。」
数々のタイトルを獲得した天才イチローは、意外にも「努力」の人でした。実際に少年時代のイチローは、1年のうち360日は野球の練習をしていた、というエピソードもあります。
大きな活躍をしている人を見ると、つい「才能があって羨ましい」などと考えがちですが、結果を残している人は、それだけ大きな努力もしているのです。
誇りを持って目標に突き進んだ松井秀喜
「松井秀喜」は、高校時代に通算60ホーマーの実績を引っさげて「巨人」に入団し、強打者として活躍しました。その後メジャーリーグでも活動し、ワールドシリーズのMVPにも選ばれています。
松井秀喜は、著書の『不動心』で次のように述べています。
「誇りを持っている人の方が素晴らしい仕事をするような気がします。それは会社に依存する、独立心がないという意識とは違うと思います。それを守るために必死に戦える。それが誇りだと思います。」
松井秀喜が自分の役割に、「誇り」を持って臨んでいたことがわかります。他にも松井秀喜は、星稜高校や巨人、ヤンキースなど、自分が所属したチームにも誇りを持っています。
何かを成し遂げるために重要なのは、プライドを持って挑むことなのです。
自分を信じ未知を切り開く大谷翔平
「大谷翔平」は、投手と野手の両ポジションでプレーする、「二刀流」と呼ばれる珍しいタイプのプレーヤーです。プロ野球で二刀流は無理だという意見も多い中、日本で活躍しましたし、メジャーリーグでも二刀流で活躍を続けています。
その大谷選手は、次のように語っています。
「誰もやったことがないから、自分しかやっていないから、「自分にしかできない仕事」が、もしかしたらそこにあるかもしれないから、だから、二刀流をやっています。どのジャンルにおいてもそういうのは魅力的です。」
やった人がいないからこそ自分がやるんだ、という気概を感じる言葉です。
前例が無いことをやろうとすると、文句を言う人が大勢います。しかし「前例が無い」は「不可能」とイコールではありません。チャレンジ精神こそが、新しい世界を切り開きます。
海外野球選手の名言
海外で活躍した野球選手からは、次の3人をピックアップしました。
- ベーブ・ルース
- トミー・ラソーダ
- ヨギ・ベラ
では、彼らがどんな名言を残しているのか見ていきましょう。
野球界の神様ベーブ・ルースは常に今を見つめていた
ベーブ・ルースは、野球界における神様のような存在です。投手としても野手としても活躍し、野球人気に貢献しました。ベーブ・ルースは子供が好きで、病気の子供に「君のためにホームランを打つ」と約束して、実際にホームランを打った、というエピソードを持っています。
生前ベーブ・ルースは、次のような名言を発しました。
「Yesterday's home runs don't win today's games.」
日本語にすると、「昨日打ったホームランは、今日のゲームを勝たせてくれるわけではない」となります。
人は何かを成し遂げると、それに満足して足を止めてしまうことがあります。しかしベーブ・ルースは、昨日の成功は置いておき、今を必死に生きるべきだと言っています。
トミー・ラソーダは強い愛着が力になることを教えてくれる
「トミー・ラソーダ」は、現役時代にはめぼしい活躍ができなかった人です。しかしドジャースの監督として、才能を開花させました。トミー・ラソーダは、選手、コーチ、監督、顧問などを歴任し、合計71年もドジャースに関わり続けました。
トミー・ラソーダは、ドジャースへの想いを、こう表現しています。
「I bleed Dodger blue and when I die, I'm going to the big Dodger in the sky.」
日本語では、「俺にはドジャーブルーの血が流れているんだ。死んだ後も、天国からドジャースを見守るよ」といった意味になるでしょうか。
トミー・ラソーダの言葉は、何かに対する強い愛着が、人を動かす原動力になることを示しています。
ヨギ・ベラのヨギイズムでは敗北も貴重な経験
「ヨギ・ベラ」は、ヤンキースやメッツで活躍した選手で、引退後もコーチや監督として多くのチームに尽力した人です。彼の独特な発言や考え方は、「ヨギイズム」と呼ばれています。
ヨギ・ベラの語録には、次のようなものがあります。
「Losing is a learning experience. It teaches you humility. It teaches you to work harder. It's also a powerful motivator.」
翻訳すると、「負けも経験になる。謙虚になれる。もっと努力しないといけないと教えてくれる。それはまた、強いモチベーションになるんだ」といった意味になります。
何かで負けたり失敗すると、人は落ち込んでしまいがちです。しかし、敗北は成長へのきっかけにもなります。
監督の名言
監督は、選手を指揮するという仕事柄からも、名言を残した人が多くいます。今回はその中から、次の3人を選んで、名言を紹介します。
- 王貞治
- 野村克也
- 落合博満
では、それぞれ見ていきましょう。
辛さを耐え忍んでチームを開花させた王貞治
「王貞治」は、特徴的な「一本足打法」でホームランを量産した選手で、その活躍から国民栄誉賞も送られています。選手を引退してからは、巨人とホークスの監督を務めました。
監督になった王貞治は、次のようなことを言っています。
「チームでも人でも、成長するときは45度の角度で一本調子で上がっていくことはない。最初は見えないくらいジワジワと上がっていき、途中から急カーブで伸びるものです。そのジワジワの時期にも、監督としては辛抱強く言い続けること、そして待ち続けることが大事なのです。」
王貞治は、華やかな選手時代に比べて監督としては、苦難の連続でした。巨人監督時代は、優勝ができなかったことから、引責辞任させられ、ホークス監督になってからもチームを勝たせられず、ファンに生卵を投げつけられるという屈辱を味わっています。
しかしこの名言のように、苦しさに負けず耐え続け、ついにはチームを日本一にさせることに成功しています。
嫌われることも受け入れ指揮を執った野村克也
「野村克也」はスター選手としては珍しく、ドラフトからではなくテスト生としてプロに入った人です。しかし努力によって実力を伸ばし、戦後初の三冠王になるなど、多くのタイトルを獲得しています。
また野村克也は、現役選手としてプレーしながらも監督として指揮も取るという「選手兼任監督」としても活躍しました。野村克也は次のような言葉を残しています。
「好かれなくても良いから、信頼はされなければならない。嫌われることを恐れている人に、真のリーダーシップは取れない。」
人に好かれたいというのは自然な感情です。しかし人を使う立場になると、好意を求めることは甘さにつながってしまいます。
批判の矢面に立ってチームを引っ張った落合博満
「落合博満」は、25歳にロッテに入団と、遅いスタートを切った選手です。しかし現役時代に2年連続で三冠王を取るなど、目覚ましい活躍をしています。引退後は中日の監督になり、8年間でリーグ優勝4回、リーグ準優勝3回という素晴らしい成績を残しています。
マスコミへのコメントが少なく、ファンサービスが足りないと言われた落合博満は、次のようなことを言っています。
「一番ブーイングを受ける場所、一番嫌な役割っていうのは、監督がしなきゃいけない。『何でこんなピッチャー使うんだ』って、罵声を浴びるのは監督だけで十分」
上にいる者が、矢面に立って責任を取るようでなければ、組織はうまく回りません。こういう意志を持った落合博満だからこそ、監督として優秀な成果を挙げられたのではないでしょうか。
まとめ
プロ野球選手は華やかな職業ですが、同時に成績を残せなければあっさりとクビになる、シビアな仕事でもあります。そういうギリギリの世界で生きてきた選手たちだけに、その言葉は含蓄深いものになっています。
ここで気になった言葉があったら、その選手の他の名言もぜひ調べてみてください。あなたの人生を支える言葉になるかもしれません。
(TOP写真提供 = Jordan Rowland / Unsplash.com)
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