【Jリーグ】DAZNによって中継されるようになった理由と配信の裏側を紹介

国内サッカーの頂点、Jリーグ。サッカーファンであれば、ファンのチームはもちろん、注目の試合を観戦したいのではないでしょうか。そこで今回は、JリーグのWEB観戦の方法や、Jリーグ配信の裏側についてわかりやすく解説しています。Jリーグ配信について詳しく分かる内容になっています。

Jリーグのライブ中継をしているのはDAZNだけ!

DAZN
SmartPhone
写真提供 =  David Marin Foto / Shutterstock.com

現在、日本でJリーグを全試合生中継しているのは、DAZNのみです。

世界中のあらゆるスポーツを観戦可能なDAZNでは、サッカーはもちろん、野球、モータースポーツなど、130種類以上、6000試合以上を生中継。見逃し配信などもあり、スポーツファンにとって、なくてはならないコンテンツになっています。

Jリーグを配信する際の方式にもこだわっており、違う試合を同時に観戦可能なサービスや、20台のカメラで、いろんな角度から試合を楽しめるサービスまで、サッカーを楽しめる工夫がたくさんされています。

DAZNのJリーグ中継の仕組み

DAZNのサッカー中継は、たくさんのスタッフが動き、視聴者に映像を届けています。

制作して伝送、配信に至るまでを現地のスタッフで行う方式です。実際にどのような仕組みで、私達に映像が届けられるのかを解説します。

まず、スタジアムでは、たくさんのテレビカメラが試合を撮影。その映像をもとに、中継車の中で、CGと解説などの音声を入れています。

その後、出来上がった映像をデジタル信号化。出来上がった信号は、光ケーブルでつなげている端子盤から、専用の回線で配信サーバーに届けられます。

そして、サーバーから、インターネットを経由して視聴者に配信されているのです。また、映像を光回線で伝えるためのエンコーダーは、4台使用されています。

CG映像や解説を入れた映像と、ニュースで使う無編集の映像、それぞれにバックアップが必要なため、4台のエンコーダーを使っているのです。

スタッフの動き

試合前は、敗戦や機材の準備、各フォーメーションの確認などをします。試合が始まっても、スタッフたちの仕事は終わりません。

試合中はモニターで映像を確認。試合後にもインタビューなどの、ニュース用の映像素材を編集、配信しているのです。

これらの作業が終わってから、やっと撤収作業に入れます。

このように、2時間の配信のためには、1日がかりの作業が必要で、本当に大変な労力がかかっているのです。

Jリーグ配信にもデジタルの波が

Jリーグは、AIなどのデジタル技術による競技の配信を推進していく方針を発表しています。

その一環のAIによる自動撮影が始まっているのです。2018年には、FC宇治と奈良クラブの試合で実施されました。AI搭載の自動撮影カメラで撮影した映像が、NTTぶららのユーチューブアカウントで配信されました。

AIカメラでは、ボールや選手の位置を自動認識。効率的な撮影ができます。

さらに、公式試合だけでなく、育成年代の試合に活用することで、育成にも役立てることも計画されているのです。

そして、複数のカメラによる映像の中で、最適な映像に切り替える自動装置も開発中です。試合のデジタルデータをAIが解析。ハイライト動画や選手画像を自動制作できるシステムも導入予定です。

また、高速ネット通信である5G通信の利用も広がっています。その一環として、VR映像の配信が予定されています。

VRセットをつかって観戦することで、自分の好きな角度で見られるサービスなども実現できるシステムが開発されています。

DAZNの1カ月無料体験で視聴しよう

サッカーだけでなく、多くのスポーツファンに愛されるDAZN。今や、デジタル世代の観戦者にとってなくてはならないサービスです。

そんなDAZNは、2016年にスタートした比較的あたらしいサービス。

サービス開始は近年のことですが、海外サッカー、メジャーリーグなど国外のコンテンツも充実。

また、モータースポーツ、テニス、ボクシングなど、配信数は競合の配信サービスを圧倒しています。

DAZNの価格

DAZNは定額制の配信サービスで、料金は月額1,890円です。それ以外の有料コンテンツや、オプション、プランはありません。

また、ドコモを使っている方は、格安の1,058円で楽しめます。通常料金より、832円安いですが、違うのは料金だけ。あらゆるスポーツを見ることができるのです。

そして、DAZNには、1ヵ月無料トライアルというシステムがあります。

これは、DAZNを1ヵ月無料で楽しめるもので、ドコモユーザーでも利用できます。

DAZNをみたい方、1ヵ月トライアルをしてみたい方は、アカウントを作成する必要があります。

アカウントの作成、名前とメールアドレスを記入。パスワードを作るだけです。

そのあと、支払い方法を記入します。カードだけでなく、キャリア決済もできるので、自分にあった支払い方法を選びましょう。

登録後、最初の1ヶ月は無料です。もし、気に入らない場合は、オンラインで退会可能です。

いつでも退会できる上に、再開もいつでもできます。自分のお財布事情に合わせて使用できるのも魅力なのです。

システム改革も検討

DAZNは、2019年上半期の振り返りと今後の方針の説明会を行いました。そこで、オープンブラウザ、新料金体系、広告収入の強化を発表しています。

オープンブラウザは、会員登録をしなくても、コンテンツを一時体験できるサービスを開始するというもの。これにより、幅広い方にもっとDAZNを広げようという狙いがあります。

新しい料金体系は、値上げをするのではなく、1つのアカウントで見られている視聴デバイスの数によって料金を変えるというものです。コンテンツは関係なく、デバイス数によるプランの多様化を計画中です。

広告収入の強化については、スポーツ業界でメジャーなビジネス形態の、スポンサーを適用できるかを検討中です。さらに、スポーツに貢献しようという方針も、セットで考えられています。

以上の3つが、DAZNの改革の柱です。スポーツファンとして、これからのDAZNの動きに注目しましょう。

フジテレビNEXTsmartやスカパー!サッカーオンデマンドなどで観られる試合も

Jリーグの試合は、DAZNがメインですが、それ以外のサイトで観戦可能な試合もあります。

フジテレビNEXTsmartとスカパーオンデマンドで見られる試合

フジテレビNEXTsmartとスカパーオンデマンドでは、国内サッカーのタイトル戦、「ルヴァンカップ」を視聴可能です。

ルヴァンカップはJ1、J2から16チームが4グループに分かれて総当たり戦をします。上位チームがプレーオフを戦います。そこで勝ち抜いたチームと、ACL出場チームの8チームでトーナメント戦を行うという方式です。

ルヴァンカップ2019の日程は次のようになっています。

  • 3/6(水):グループステージ第1戦
  • 3/13(水):グループステージ第2戦
  • 4/10(水):グループステージ第3戦
  • 4/24(水):グループステージ第4戦
  • 5/8(水);グループステージ第5戦
  • 5/22(水):グループステージ第6戦
  • 6/19(水):プレーオフステージ第1戦
  • 6/26(水):プレーオフステージ第2戦
  • 9/4(水):準々決勝第1戦
  • 9/8(日):準々決勝第2戦
  • 10/9(水):準決勝第1戦
  • 10/13(日):準決勝第2戦
  • 10/26(土):決勝

スカパーではルヴァンカップのみしか見られなくなった

かつては、スカパーがJリーグを放映していましたが、今は、完全撤退しています。

スカパーは2007年にJリーグの全試合放送を開始しました。「サッカーといえばスカパー」というイメージも築き上げたほどです。そんなスカパーの撤退にはサッカーファンから、多くの悲痛な声が上がりました。

Jリーグは半年間、放映権の交渉を行いました。その結果、2017年シーズン以降はスカパーではなく、DAZNと契約すると発表したのです。

DAZNと契約した背景には、DAZNが打ち出した契約額が破格だったことが挙げられます。

DAZNが、Jリーグと結んだ契約額は10年で約2100億円。スカパーが支払っていた金額は、約1年で50億円。単純計算でも4倍以上の差があります。こうした資本の差に敗れ、スカパーはJリーグを放送できなくなってしまったのです。

それでも何とかJリーグを放送しようとしたスカパー。DAZNの運営会社に対し、中継権を二次受けできないかと交渉を続けました。

Jリーグの内部にも、スカパーを支持する人も多く、契約にこぎつけるのではないかと期待されていました。

しかし、DAZNから厳しい条件を突きつけられ、交渉続行が難しいと判断し完全撤退を決めたのです。

まとめ

現在、Jリーグをネット観戦するためには、DAZNに加入するのが一番確実と言えるでしょう。

DAZNはサービスと質の良さから、多くのスポーツファンに愛されています。

DAZNがこうした放送を行うウラでは、激しい契約交渉が行われていることも忘れてはなりません。

私たちが毎日楽しくJリーグが見られるのは、いろいろなプロセスがあり、現場で頑張っている方々がいるからなのです。

(TOP 写真提供 = David Marin Foto / Shutterstock.com)


《参考記事一覧》

Jリーグ放映権を“黒船”に奪われた「スカパー!」の悲劇(週刊現代)

スカパー!サッカーオンデマンド特集ページ|(スカパー!オンデマンド)

フジテレビNEXTsmart(ネクスマ)2019JリーグYBCルヴァンカップ-フジテレビの人気番組を動画配信!(FOD)

世界を魅了する映像に…Jリーグ中継、裏方たちの挑戦(ニュースイッチ)

DAZN、会員登録前の試し見機能や新料金形態を導入へ-(PHILEWEB)

DAZNの料金体系┃月額の支払い金額はいくら?|(スポーティングニュース・ジャパン)