世界各国で人気のスポーツ、バスケットボール。
いつ、どこで、始まったスポーツなのでしょうか?
実は知らないバスケットボールの始まりについて、紹介します。
日本にはいつ伝わったのか、そして、日本のバスケットボールはどのような歴史をたどっているのかについても紹介します。
始まりや歴史を知ることで、バスケットボールを「する」のも「みる」のも、また違った楽しみ方が出来るでしょう。
バスケットボールの起源
バスケットが生まれたのは1891年、アメリカ。
当時、アメリカではほとんどのスポーツがシーズン制であり、冬季に楽しめるものがありませんでした。
そこで、冬季にも楽しめるスポーツを、ということで考案されたのがバスケットボールです。
マサチューセッツ州のスプリングフィールドにある国際YMCAトレーニングスクールで体育教師として務めていたジェームズ・ネイスミスが、体育館の手すりなどに「桃を入れる籠」を2個吊り下げて、その籠にボールを投げ入れることで得点を競い合う、としたのが始まりです。
ネイスミス氏が少年時代に楽しんだ遊びである「ダック・オン・ザ・ロック」というゲームをヒントとしたもので、「籠」を用いたことから「バスケットボール」と名づけられました。
バックボードが生まれた驚きの理由
バスケットボールというと、バスケットゴールの裏にはバックボードがある、というイメージがあると思いますが、実はこのバックボード。ある驚きの理由から誕生しました。
その理由とは、観戦する観客の邪魔を防ぐため。
2階席で試合観戦をしている観客がシュートを邪魔する、という事態が発生したことを受け、1892年、バスケットと観客との間に長方形の大きな網が設けられました。
しかし、この網が観客に壊される、ということが起こったため、現在のようなバックボードが設置されることとなったのです。
このバックボードも、しばらくは板が使用されていましたが、バックボードの裏からだとゴールが見えない、という意見があったことから、透明のバックボードへと変更。
バックボードが設置されたことで、レイアップやバンクシュートなど、さまざまなシュートが誕生しました。
YMCAを通じ世界各国へ
ネイスミス氏によって考案されたバスケットボールは、アメリカ国内へその年のうちに広まりました。
そして、国際YMCAトレーニングスクールに来ていた各国の留学生を通じて世界各国へと伝搬していきます。
現在、バスケットボールの競技人口は約4億5000万人。
213の国と地域で親しまれています。
1932年、国際バスケットボール連盟が発足
世界各国にバスケットボールが伝わる中、1932年、国際バスケットボール連盟が発足します。
本拠地はスイスのジュネーブで、国際試合の取り決めなどを統括しています。
8か国で発足した国際バスケットボール連盟ですが、2014年に214の協会が加盟。
1936年には、日本も加盟しています。
2003年以降は、アジア・アメリカ・ヨーロッパ・オセアニア・アフリカの5つのゾーンで地域を分割し、国際大会の運営などを担っています。
1934年に国際オリンピック連盟に加盟し、1936年からはオリンピック競技となりました。
日本に伝わったのは1908年
バスケットボールが日本に伝わったのは1908年のこと。
国際YMCAトレーニングスクールの卒業生である大森兵蔵氏が広めたとされています。
一説には、1891年にアメリカでバスケットボールの試合に参加した石川源三郎氏が日本にバスケットボールを伝えたともいわれていますが、その記録が残っていないため、定かではありません。
その後、1913年に北米YMCA同盟からの協力主事として来日したF.H.ブラウン氏が関西のYMCAで指導したことをきっかけに普及していきました。
1924年には、立教大学・東京商科大学・早稲田大学が全日本学生籠球連合を結成。
各地で対抗戦が行われるようになり、急速に普及が進みます。
1930年、日本バスケットボール協会が発足
日本の全国各地でバスケットボールが広まるなか、1930年、バスケットボールの普及と発展を目的に、日本バスケットボール協会(JABBA)が発足します。
その後、1976年には社会人バスケットボールリーグ「バスケットボール日本リーグ」が発足。
1976年に法人化し、財団法人日本バスケットボール協会(JABBA)、そして、1995年にはバスケットボール日本リーグ機構(JBL)が設立されました。
2007年には、日本バスケットボールリーグ(JBL)が設立され、日本協会の略称がJABBAからJBAへと改められました。
2014年に国際バスケット連盟から指摘されていた問題点が解決されないことを理由に資格停止処分を受けましたが、2015年、その処分は解除されています。
日本プロリーグの歴史
日本のプロリーグが誕生したのは2005年。
1995年に設立されたバスケットボール日本リーグ機構(JBL)では、興行権が各クラブに与えられず、チケットの売り上げ収入が各クラブに入らないという状況に陥ったため、企業母体が無い埼玉コロンブスと新潟アルビレックスが経営難に陥ったことがきっかけです。
この2つのチームはバスケットボール日本リーグ機構(JBL)を脱退後、日本プロバスケットボールリーグ「bjリーグ」を設立。
国内にトップリーグが2つある、という状況となります。
2006年、日本で世界選手権大会が開催されましたが、大会は大赤字で終わり、国際バスケットボール連盟から、国内男子トップリーグの統合や日本代表の長期的な強化策などの問題について指摘を受けます。
2012年にJBLはナショナル・バスケットボール・リーグ(NBL)へと移行。
bjリーグに歩み寄りますが、地域名を残したいbjリーグと実業名を残したいNBL、選手の年俸などの資金面の問題などにより、統合は実現しませんでした。
そして、2014年。国際バスケットボール連盟(FIBA)は、指摘していた問題が解決されないことを理由に、国際大会の資格停止処分を下します。
翌2015年。指摘を受けていた問題の解決を進め、FIBAの資格停止処分は解除。
2016年、bjリーグとNBLとが統合して「ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(Bリーグ)」が誕生しました。
まとめ
冬季に楽しめるスポーツを、ということで考案された「バスケットボール」。
いまや、世界各国で人気のスポーツの1つであり、「Bリーグ」の誕生で売上・入場者数とも急増しています。
今後、どのように変化していくのか、興味深いものです。
(TOP写真提供 = Vasyl Shulga / Shutterstock.com)
《参考記事一覧》
バスケ誕生の歴史とは?日本での広まり方も解説!(スポジョバ)
バスケットボールの歴史とは?バスケの発祥と始まり・起源はいつから?(Activeる!)
バスケットボールの基礎辞典(栃木県バスケットボール情報サイト)
保護者の友達に教えよう!バスケットボールは約100年前に“桃”から生まれた?(ミニバスネット)
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