バスケットボール(以下バスケと略)は、元々寒い冬の季節にできる室内スポーツとして、アメリカで考案され、世界的に広まった人気のあるスポーツです。
アメリカのプロバスケットボール連盟のNBAは世界最高峰のバスケリーグで、世界から名選手が集まってシノギを削っています。日本からも八村塁選手がNBAで活躍しているニュースを見ると、誇らしく応援したくなるうれしい気持ちになりますね。
さて、今回はバスケの試合に出場する選手の人数について、カテゴリー別にプレー人数とベンチ入り人数、選手退場での対応について説明しましょう。
プレー人数
プレー人数は、①FIBA管轄大会 ②日本の中学校 ③日本の高校 ④プロリーグ ⑤ミニバス ⑥3×3 のそれぞれのカテゴリーに応じて決まっています。
①国際バスケット連盟(FIBA)の管轄する大会
FIBAが管轄する大会ではベンチメンバーは12人以下と決められています。日本バスケットボール協会(JBA)の定める人数定員も同じですが、日本国内大会においては、大会主催者が人数など変更できるようになっています。
・5人制バスケ共通のルールについて
5人制のバスケにおいては、いずれのカテゴリーにおいてもバスケ共通のルールとして、スターティングメンバーは5人。その後、試合中にケガや退場でプレーする人数が減っても試合は続けられます。1人になった時点でそのチームは負けとなります。
また、バスケでは交代人数や交代回数の制限はありません。退場選手以外は、一度ベンチに下がった選手も何度でもコートに戻ることができます。自由に交代できることから、試合の流れを変えるために5人一気に交代させたり、相手チームの顔ぶれを見て選手を交代させたりすることができます。
・オリンピック
オリンピック種目の5人制バスケ競技は、FIBAが管轄する主要競技会のひとつですので、プレー人数は1チーム5人で、ベンチメンバーは12人以内です。
②日本の中学校
日本の中学校体育連盟の主催する5人制バスケ大会でのプレー人数も1チーム5人、ベンチ入り人数はプレー人数含め10人~15人です。こちらも、大会によって人数の規定に違いがあります。
例えば、神奈川県の中学校バスケットボール新人大会では、ベンチ入り人数は選手15人と、学校代表者(学校長または教頭)1人、監督1人、コーチ1人、アシスタントコーチ1人、マネージャー1人の合計20人がベンチ入りできます。選手登録は何人しても構いませんが、出場選手は最大15人との規定です。
③日本の高校
中学校と同じで、プレー人数はやはり1チーム5人、ベンチ入り人数はプレー人数含む10人~15人です。中学校と同様、大会に応じて人数が異なります。
例えば、全国高等学校バスケットボール選手権大会の大会要項では、チーム編成は引率責任者1人、コーチ1人、アシスタントコーチ1人、マネージャー1人、選手15人以内と定められています。また、選手のうち外国人留学生は2人以内とし、コート上の5人のうち1人以内とするとされています。
④プロリーグ
日本のプロバスケットボールリーグであるBリーグは、独自のルールを規定しているため注意が必要です。
・Bリーグ
プレー人数は1チーム5人、クラブの選手登録人数は、B1およびB2クラブいずれも10人から13人と定められています。B1クラブのアマチュア選手は2人以内、B2クラブのプロ選手は5人以上、また、外国籍選手は1クラブ3人以内、帰化選手は外国籍選手と別途1人以内が条件になっています。登録選手に限り公式試合に出場することができます。
・NBA
北米のプロリーグであるNBAでは、オリンピックなどで使われるFIBAの国際ルールとは異なる独自のルールを規定しています。
プレー人数は1チーム5人で、それぞれのチームはロースターと呼ばれる15人の選手を登録(Gリーグと2つの契約を結ぶ2ウェイ契約の2人を含めると17人)、そこから13人がアクティブリストとして選ばれ、試合に出ます。残りの選手は、インアクティブリストに登録されます。
試合開催には、最低8人が出場できる状態である必要があります。ただし、2020-2021シーズンから新型コロナウイルス感染症の影響を考慮して、出場枠(アクティブリストの人数)が13人から15人に拡大されました。
⑤ミニバス(12才まで)
ミニバスは、一般のバスケとはルールが違います。一般のルールと比較しながら、特に選手交代のルールの違いを確認しておきましょう。JBAのミニバスルールによると、プレー人数は1チーム5人、ベンチ入り人数は最低8人で、上限は15人です。
まず、1クォーター(1Q)は一般の10分より短く、6分となっています。
選手交代のルールが細かく決められていて、一般では自由に選手交代ができますが、ミニバスでは第3Qまでに10人以上が試合に出場することになっており、最初の5人と交代要員全員が試合に出場しなければいけません。また、1人の選手が出場できる時間も12分(2Q分)までと定められています。これはミニバスの目的である、選手の出場機会を増やすことための規定なのです。
2018年度までは、10人未満のチームは大会にエントリーすらできなかったのですが、少子化の影響もあり、2019年度以降は8人以上10人未満のチームも試合にエントリーができるようになりました。ただし、第3Qまでに全ての選手が6分以上は出場しなくてはならず、3Q続けて出場することはできないことになっています。
⑥3×3(スリーバイスリー)
東京オリンピック種目にもなっている3×3(スリーバイスリー)の試合では、試合は3人対3人で行ないます。
FIBAの3×3の公式試合では、両チームとも3人の選手を揃えていなければ、ゲームを始められません。ただし、試合中にはコート上に最低1人のプレーヤーがいれば試合は続行できます。例えば、コートに2人、ベンチに交代要員として1人でも試合続行は認められます。
チーム構成は、プレーヤー3人と交代要員1人の合計4人が1チームになります。
コートの規定
JBAのルールでは、コートの大きさは、縦28メートル、横15メートルと決められています。ミニバスにおいては、縦28~22メートル、横15~12メートルです。
3×3のようにコートの大きさが横15メートル、縦11メートルと一般より小さい場合にはプレー人数は3人ずつとなります。
退場選手が多い場合のプレー人数
試合で1人5回以上ファウルを犯してしまうと退場となり、試合終了まで再出場できなくなります。その場合、退場選手が出てもベンチメンバーから補充し、5対5のイーブンで試合を再開させることができます。
2005年より以前は、5人揃えて再スタートだったのですが、交代メンバーがいない場合や、ケガをした選手の治療に時間がかかる場合などは、5人より少ない人数でも再スタートできるようになりました。ケガや退場で人数が減っても、どちらかが1人のみになるまでは、試合は成立・続行されます。
ちなみに、アメリカNCAAでは3対5で試合が行われたことがあります。プレーがきっかけで乱闘が起き、片方のチームの選手が退場処分になったことが原因でした。
まとめ
本記事では、バスケのプレー人数について解説しました。バスケはハードな接触プレーや反則の多いスポーツだけに、ケガや退場などの予期せぬ出来事で選手が不足することは考えられます。
一方、ミニバスを除いては、選手交代が自由にできるため、ベンチ入りの人選、選手個々の特徴や起用方法にも注意して観戦してみるとより試合が楽しめるのではないでしょうか。
(TOP写真提供 = Joel Muniz / Unsplash.com)
《参考記事一覧》
ひとめでわかるミニバスケットボールのルール (日本バスケットボール協会)
バスケで知っておくべきシチュエーション別6つの人数 (バスケすごいぜ!)
アメリカのバスケで驚きの事態!選手が退場しすぎて人数が「3対5」に (GetNavi web)
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