フットサルのルール ~2020年改正やサッカーとの比較を含め解説

イギリスのインドアサッカーや南米のサロンフットボールを基とするフットサル。

少ない人数、そして、サッカーグラウンドの約9分の1のスペースでプレーすることができるため、日本でも人気のスポーツです。

しかし、詳しいルールはよく知らない、という人も少なくないでしょう。

そこで、日本サッカー協会がまとめたフットサル競技規則から、フットサルのルールについて解説します。サッカーとの違いについても紹介するので、ぜひ最後まで一読してください。

フットサルの歴史

フットサルは、1930年代頃から南米を中心に弾まないボールを使って行なわれたサロンフットボール、または、イギリスから始まった壁の跳ね返りも利用する室内のインドアサッカーが起源と言われています。いずれも室内でプレーされる「室内サッカー」であり、1989年には国際サッカー連盟(FIFA)の所管に、そして、1994年には世界共通ルールがまとめられました。

フットサルのルール解説

フットサルのルールは、以下のとおりです。

1.試合時間

フットサルの試合は、 1回20分の2つのピリオドで行なわれます。正味プレーイングタイムで測られるため、ボールがピッチ外に出たり、ファウルがあったりした場合には時計が止められます。また、ピリオド前後半で1回ずつ1分間のタイムアウトを要求できます。

2.競技人数

フットサルの競技人数は 1チーム5人。サッカーのゴールキーパーに当たるのはゴレイロと呼ばれるポジションが1人と、4人のフィールドプレーヤーから構成されます。基本的に、ピヴォ(サッカーでのフォワード)1人、アラ(サッカーでのミッドフィルダー)2人、フィクソ(サッカーでのディフェンス)1人で、交代要員は最大9人と上限が設けられています。

3.ピッチ

フットサルのピッチは、 縦(ゴールとゴールの距離)25〜42メートル、横16〜25メートル。ゴールの高さは2メートルですが、横幅は3メートルと小ぶりです。体育館で行なわれることが多く専用シューズが必要です。

4.使用球

フットサルで使用するボールは、13歳以下のサッカーで使う4号球と同じ大きさ。サッカーボールの5号球と比べて小さく、反発が少なく弾みにくいのが特徴です。

5.ボールがピッチから出た場合

フットサルでは、タッチラインから外にボールが出た場合、キックインが行なわれます。ゴールラインから外に出た場合は、ゴールクリアランス(サッカーでのゴールキック)またはコーナーキックが行なわれます。

6.4秒ルール

フットサルの試合は、スピーディーな展開が魅力です。

①キックイン

②コーナーキック

③フリーキック

④ゴレイロが自陣でボールを処理する場合

⑤ゴールクリアランス

は、4秒を超えると反則となり、相手チームに間接フリーキックが与えられます。

7.5ファウル

フットサルは接触プレーが多く、ちょっとしたファウルが失点につながる競技であるため、ファウルの回数により厳しい罰則が与えられます。

ファウル5つ目までは守備側がフリーキック地点から5メートル離れた場所に壁を作ることができますが、6つ目以降は相手チームに10メートルマークからの直接フリーキックが与えられます。ただし、5ファウルはハーフタイムにリセットされます。

8.バックパス

ゴレイロがボールをプレーした後、相手選手がボールに触る前に自陣ハーフ内で味方がゴレイロに返球することはできません。もし、ゴレイロが触ったら、その時点で相手に間接フリーキックが与えられます。

9.退場者の補充

 フットサルでは、退場者が出た場合、2分間は選手の補充をすることができません。ただし、人数が多い方のチームが2分以内に得点した場合、その時点で選手の補充が認められます。

10.オフサイド

フットサルには、サッカーで設けられているオフサイドの反則がありません。したがって、ゴール前にひとり選手を置いて縦パス1本でゴール、という戦術が可能となるスピーディーな試合展開が見られます。

2020/2021年のルール改正

写真提供 = Falaq Lazuardi / Unsplash.com

フットサルでは2014年以来6年ぶりに大きくルールが改正されました。主な改正点を説明します。

①キックオフではボールを後ろに下げても構わない

改正前はボールを一度前に出さないとスタートできませんでしたが、2020/2021年のルール改正により、キックオフでボールを後ろに下げることが可能となりました。

②キックオフで直接ゴールすれば得点になる

改正前、キックオフでのゴールは得点になりませんでしたが、改正後、キックオフで直接ゴールしても得点として認められるようになりました。

③キックインはタッチライン上にボールを静止し、軸足がピッチ内でも構わない

改正前は、ボールをラインから25センチ以内に静止させる、というルールが設けられていたため、ボールを蹴りづらく軸足がピッチ内に入って反則となり、相手ボールになることが多かったのですが、改正によって反則をとられることが少なくなりました。

④ゴールクリアランスでの変更

・ペナルティーエリア内でボールを受けても構わない

改正前は、ペナルティーエリア内でボールを受けたらやり直しでしたが、改正後、ペナルティーエリアでボールを受けてもプレーを続行することが可能となりました。

・ゴレイロの手をボールが離れた時点でインプレーになる

ルール改正に伴い、相手選手がペナルティーエリア内にいる際も、ゴレイロがパスを出すことが可能となりました。

⑤決定機阻止の反則での変更 

改正前は一発退場となっていましたが、改正後は警告となりました。ただし、反則の質は考慮されます。

⑥試合終了のブザーで行なったプレーでのゴールは認められない

改正前は、ブザーの鳴った時点でのプレーはインプレーでしたが、改正に伴い、試合終了のブザーがなった時点のプレーは認められなくなりました。

⑦ゴールの移動があっても定位置で入ったとみなされればゴール

ゴールが固定されていないため動いてしまうことが多いフットサルですが、守備側が動かした場合、定位置で入ったとみなされればゴールとなる、と改正されました。

サッカーとの違い

フットサルはサッカーに似ている競技ですが、サッカーと異なる点もいくつかあります。サッカーとフットサルとの違いについて、表にしてみました。

項目フットサルサッカー
ピッチの大きさ(m)20×4068×105
ピッチの表面木、人工素材芝、人工芝など
ゴールの大きさ(m)2×32.44×7.32
ボール(一般)4号球でローバウンド5号球
シューズ体育館用シューズスパイク
選手の人数5人11人
交代最大9人登録12人で交代5人
交代の方法交代ゾーンで自由プレーが切れた時3人まで
試合時間20分間の2ピリオド45分ハーフ
時間の計測プレーイングタイムランニングタイム
タイムアウト各ピリオド1分1回なし
ピッチ外のボールキックインスローイン
オフサイドなしあり
4秒ルールありなし
反則の累積ありなし
退場後の措置2分経過後補充可補充不可

フットサルの魅力とは

フットサルの魅力は色々ありますが、本記事ではその中から3つ、紹介します。

①攻守の交代が速く、スピーディーな試合

「4秒ルール」を採用するなど、試合展開がスピーディー。室内で行われる競技であり、攻守の交代が速いため、バスケットボールの試合を見ているよう。サッカーとバスケットボールの魅力・良いところを取り入れた競技といえるでしょう。

②華麗な足技

フットサルは、サッカーと比較すると空中戦が少なく、トップレベルでも上半身のボールの処理は少ない傾向があります。つまり、フットサルで大事となるのは足技です。競技人数が少ないだけに、ひとりでもディフェンスを抜くと、シュートチャンスが増え、攻撃側には非常に有利な状況を作ることができます。複数の選手が連動するパスなどの繊細な動きが求められるのも、フットサルならではです。

③ベンチの戦術が重要

スーパーサブの選手をどこで投入するか、また、ゴレイロもフィールドプレーヤーとして参加するパワープレーをするかどうかなど、ベンチの戦術が重要となります。

まとめ

フットサルのルールについて、観戦に重要なポイントを押さえて解説しました。

サッカーに似た競技ながら、独自ルールやスピーディーでスリリングな試合展開が期待できるフットサル。

本記事で紹介したルール等を参考に、フットサルを観ること・することを楽しんでください。

(TOP写真提供 = Pascal Swier / Unsplash.com)


《参考記事一覧》

【フットサルルール】これさえ知っていれば大丈夫! (STORTSONE)

2020/2021 フットサル競技規則の改正について (日本サッカー協会)

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