バスケットボールのプロリーグ「Bリーグ」に見るスポーツビジネスの現状

スポーツビジネスの分野では、ITやSNSの活用が進められています。

そして、バスケットボールのプロリーグである「Bリーグ」でも、IT技術の活用によって情報を一極集中させ、膨大なデータを使えるようにしています。

この膨大なデータを活用することによって精度の高いマーケティングが行えるようになっているのです。

この記事では、Bリーグで行われているスポーツマーケティングについて紹介します。

ITの活用でバスケ人口を増やす!秘訣はBマーケティングにあった!

Basketball

ITの積極活用によってバスケ人口を増やそうという動きが活発化しています。

そこでまずは、バスケ人口増加とIT技術の活用の関連性について見ていきましょう。       

・Bマーケティングとは

Bリーグは、リーグや日本バスケット協会がもっている権利や収益を1か所に集中させていますが、その収益が集まっている場所がBマーケティングという会社です。

この取り組みは、アメリカのNBAでも実施されていない極めて稀な取り組みです。

・キーワードは集中

Bマーケティングには、収益や権利だけでなく、情報も集められます。

この情報を活かすことでマーケティングが可能になっています。

また、組織が巨大化することで、スポンサー企業がつきやすくなるのも大きなメリットといえるでしょう。

各チームがバラバラに運営するのではなく、リーグ自体がまとまってマーケティングをすることで、Bリーグは日本で注目されるプロスポーツとなったのです。

○なぜバスケは女性ファンや若者ファンが多いのか?

バスケットのBリーグは、前体制と比較して入場者が50%増、そして、売上がなんと10倍に増加しました。そこで鍵となったのが、若者と女性のファンです。

一見バスケットボールに興味がなさそうな層をしっかりと掴むことで、客数、売上を増やすことに成功したのです。         

・競技者は、男女半々

バスケがなぜ「若者」と「女性」をターゲットにしようと考えたのかというと、バスケは競技者が男女半々という割合になっているスポーツであり、観戦者ベースでいうと男性よりも女性の方が多いというデータがあることが起因しています。

そして、さらに色々なデータを分析すると、バスケには潜在的観戦者がたくさんいて、バスケはみんなで見たいという人や家にいるよりも出かけるのが好きで、テレビよりもスマホ派であるというデータが揃ったのです。

さらに、これらの人々は情報を発信したいという傾向が強いことがわかりました。

・来場の理由は「誘われたから」

初来場の観戦客へアンケートを行った結果、「なぜ来場に至ったか」という項目では、ほぼ全員が「誘われたため」と回答しています。

つまり、新たな顧客を獲得するためには、既存のファンの満足度を高め、バスケ観戦に興味がある人を連れてきてもらう必要があります。

いつも来てくれるお客様の満足度を高めるためには、スタジアムやチケット購入をより便利なものにすることが大事になるわけです。

さまざなま取り組みの結果、入場者は前リーグ時代の1.5倍になり、女性の観客割合が過半数を超えるようになりました。

Bリーグはスマホファーストの時代へ!入場者数1.5倍にした秘訣とは?

前述の通り、Bリーグは、観客数を1.5倍に増やすことに成功しています。そこには、徹底的な「スマホファースト」という考え方があります。          

・スマホですべて可能に

プロスポーツの世界では

・グッズ

・チケット

・中継

・スポンサー

の4つが主な収入源となっています。

そして、Bリーグではこれらのすべてをスマホのみで完結できるシステムを確立しました。

具体的には、サイトから購入できる電子チケット制の導入やインターネット放送による配信、サイトを使用したグッズ販売などです。

Bリーグはこれらの顧客情報を一元管理してマーケティングへ活用しています。

・データからファンの気持を把握 テレビとネットの価値とは

これまで来場した観客のデータを活用することで、様々なことが明らかになっています。

1つは、ネットとテレビの関係です。こういった話題はテレビがたくさん取り上げていて、「今の若者はテレビを見ない」ともされていますが、一概にそうとはいえない結果が出たのです。

2016年の開幕戦は、地上波のフジテレビやBSのNHK、スマホのライブというそれぞれの媒体で放送しましたが、テレビを見ないとされていた20代の男性の多くがテレビで観戦していたのです。

さらにSNSでの拡散力も強く、上位20キーワード中、19ワードがバスケット関連になったほどです。

2つ目は、ファンの気持ちです。

前述の通り、バスケットの新規来場者の来場理由は「誘われたから」というもの。

このことから、ライト層向けのサービス展開よりも、既存の顧客の満足度を高めることに比重を置くべきだという結論が導き出されたのです。

Bリーグの考える新しいマーケティング方法

Bリーグでは、スマホファーストを掲げてマーケティングをしています。スマホを使用したマーケティングには、SNSが必ずついてきます。

BリーグのSNSの活用方法には、4つのポイントがあります。

・SNS活用には4つのポイント

SNS活用のポイントは、

  • 潜在ファンへのアピール
  • チケットの販売
  • 告知媒体
  • リアルとのつながり

の4つです。

  • 潜在ファンへのアピール

新規のファンを獲得する場合、試合会場へいきなり誘うのではなく、最初はあくまでつながりを得ることを大切にしています。

つながりを作ることで敷居を低くして、Bリーグの観戦に興味をもってもらうのです。

また、会場の雰囲気を伝えることができるコンテンツを発信することによって、誘われたら行ってみたいなと思わせるように仕掛けているのです。

・チケットの販売

Bリーグのチケット販売の割合の中で2番目に多いのがSNS経由の販売です。

その割合は3割を超えています。

・告知媒体

「バスケットボール」は野球やサッカーにくらべてメディアへの露出が少ないスポーツであり、情報の拡散にはSNSの活用が有効でした。

SNSを活用することで、マスメディアに取り上げてもらいやすくなるという狙いもあったのです。

しかし、SNSの活用による情報の拡散が上手くいったことで、SNSを活用して自分たちで広げていこうという意識が強くなっています。

・リアルとのつながり

Bリーグは、SNS上だけではなくリアルなイベントも充実させています。もちろん、その模様もSNSでライブ配信されているのです。

SNSの代表的なツールでもあるLINEでは、チームが順番に選手の生番組を配信しました。

また、こうしたイベントだけでなく、通常の試合でもSNSによっていろいろなコンテンツを配信しています。

試合のMVPや、ダンクコンテストのファイナリストをSNSによる投票で決めたことも。

SNSをマーケティング手法に用いることで、確かなブランドとして確立しています。

まとめ

世界最大のバスケットリーグといえば「NBA」であり、日本のBリーグはまだ誕生したばかりのリーグです。

Bリーグでは、日本における人気を高めるために、IT技術やSNSの活用を進めています。

こういったバスケット業界の取り組みは、バスケットボールに限らず、様々なスポーツにも応用できることでしょう。

参考記事一覧

ITの積極活用が、バスケを見る・する人を増やす(日経ビジネス)

  1. LEAGUEに学ぶ!"スマホファースト"でファンを掴み、入場者を1.5倍にしたデジタルマーケティング事例(FUJITSU)

「Bリーグ」はどうやって若者と女性のファンを増やしたのか(講談社)