数あるスポーツの中でも、競技人口が多い部類に入る卓球。
日本でも、少子化が進む中でその競技人口数は増加傾向にあります。
日本の卓球の競技人口数はどれくらいなのか、また、世界各国の競技人口数がどれくらいなのか、調べてみました。
近年で低年齢層の卓球の競技人口が増加しているという実態とその理由についても迫ってみましょう。
競技人口ランキング
東京オリンピック2020では、日本選手団が大きな活躍を魅せました。
バレーボールやバスケットボール、卓球などに大きな夢を描いた方もいることでしょう。スポーツには、市場規模を図るうえで重要な指標の1つに、競技人口があります。
ここでは、各スポーツの競技人口についてまとめました。
- 世界ランキング
- 日本ランキング
それぞれについて、詳しくみていきましょう。
世界ランキング
まずは、世界の競技人口ランキングを下表にまとめました。
順位 | 種目 | 競技人口数 |
1位 | バレーボール | 約 5億人 |
2位 | バスケットボール | 約 4.5億人 |
3位 | 卓球 | 3億人以上 |
4位 | クリケット | 約 3億人 |
5位 | サッカー | 約 2億6千万人 |
競技人口数が多い順に、バレーボールが首位、そして2位がバスケットボールでした。
そして、世界的にみても、卓球の競技人口は多いといえます。
さらに、卓球は身近にできるスポーツの代表格。日本でも有力選手が続々と輩出されてきており、国際的なレベルも高くなっています。
日本ランキング
次に、日本の競技人口ランキングを下表にまとめました。
順位 | 種目 | 競技人口数 |
1位 | ウォーキング・軽い体操 | 約4700万人 |
2位 | 器具を使ったトレーニング | 約1700万人 |
3位 | ボウリング | 約1400万人 |
4位 | ジョギング・マラソン | 約1300万人 |
5位 | 水泳 | 約1200万人 |
日本では、ウォーキングや軽い体操の競技人口数の首位を占めました。
上位2種目がスポーツ競技に入るのかは疑問ですが、「政府統計の総合窓口」によると、このようになります。
定義や集計方法が世界とは異なるため、一概に比較することはできませんが、日常的なスポーツを楽しむ方が多いのが特徴といえるでしょう。
また、ボウリングやジョギング、水泳は、依然として日本国内でも人気が高いスポーツです。
世界の卓球競技人口
卓球の全世界での競技人口数は約3億人。
多くの人がプレーしているスポーツであり、国際卓球連盟には220の国と地域が加盟しています。
国別の競技人口数を見てみると、トップは中国の3000万人超。卓球が国技であり、競技人口の多さと選手層の厚さは世界でも群を抜いており、愛好家レベルになると8000万人超ともいわれます。
そんな中国は、オリンピックや世界選手権などでも多数の選手が優勝を飾り、世界の頂点に君臨していますが、競技人口の多さと国をあげての強化・育成により、世界最強の卓球王国となったといえるでしょう。
中国に次ぐのは日本の競技人口です。その数は約120万人。日本卓球協会には約35万人が登録しており、近年ではオリンピックのメダル常連国でもあります。
Tリーグというプロリーグもスタートし、卓球強国のひとつに数えられています。
ヨーロッパで卓球が盛んな国として知られているのはドイツです。ドイツには、ブンデスリーガいうプロリーグがあります。ブンデスリーガには、世界中から有力な選手が集まり、日本からも多数の選手が参戦してきました。ドイツの正確な競技人口は把握されていませんが、登録人口は70万人以上といわれています。
このほか、卓球が盛んな国として知られているのが韓国です。その競技人口数は強豪国としてはやや少ないものの、約40万人の愛好者がいるといわれています。
低年齢化・増加傾向にある日本の卓球競技人口
少子化の影響もあり、野球やサッカーなどの人気スポーツの競技人口数が減少していますが、その一方で、「スポーツを始める時に卓球を選ぶ」という子どもたちが、急激に増えています。
その結果、卓球では、全日本選手権で高校生が上位に進出したり、中学生がプロと互角の試合をすることが珍しくありません。
日本中学校体育連盟の「加盟校調査集計」によると、平成30年度の競技別の加盟生徒数で、卓球は男女共に4位にランクインしています。サッカーや野球、バレーボールやバスケットボールといったスポーツは、軒並み加盟生徒数を減少させているのに、卓球は10年前よりも増加しているのです。
また、日本卓球協会のホームページによると、卓球の競技登録人口は一時減少傾向にあった平成18年度の29万684人から毎年増え続けており、平成30年度には35万8600人に達しています。
かつては、「根暗なスポーツ」などと揶揄されて、部員数が年々減少していた卓球ですが、近年、福原愛選手や水谷隼選手など日本代表選手が活躍し、オリンピックでメダルを獲得するなど、世間に与えるイメージが著しく向上したことが卓球人気の復活を促したといえるでしょう。
卓球の人気は年々高まり、2019年には、本格的なトップリーグであるTリーグがスタートしました。そして、張本智和選手や伊藤美誠選手といった若手選手が台頭して、オリンピックでのメダル獲得が期待されています。
卓球の競技人口は今後さらに増加するでしょう。
日本の男女別、卓球の競技人口数
競技人口数が増加傾向にあり、男女共に若手選手が台頭してきている卓球。
男女別で競技人口数に違いがあるのか見ていきましょう。
公益財団法人 全国高等学校体育連盟の統計によると、2019年度の全国の高等学校体育連盟に加盟する部活動の部員数ランキングにおいて、卓球は男子が5万3728人と、競技別の6位にランクインしています。
ちなみに、1位はサッカーで16万2397人、2位はバスケットボールで8万7524人、3位は陸上競技で6万6868人、4位はバドミントンで6万5742人、5位はテニスで5万3784人となっています。
同調査における女子のランキングを見てみると、卓球部員の数は2万2600人と競技別の8位にランクイン。
ちなみに、女子の1位はバレーボールで5万7103人、2位はバスケットボールで5万6132人、3位はバドミントンで5万5986人、4位は陸上競技で3万8960人、5位はソフトテニスで3万3308人、6位はテニスで3万3187人、7位は弓道で3万2156人となっています。
高校の部活動の部員数からは、女子の卓球部員の数は男子よりだいぶ少ないといえるでしょう。
また、公益財団法人 日本中学校体育連盟のデータによると、卓球は、男女ともに競技別の4位にランク。
男子の卓球部員は15万9737人で、1位はサッカーで18万7708人、2位は軟式野球で16万4173人、3位はバスケットボールで16万190人となっており、女子の1位はソフトテニスで16万3806人、2位はバレーボールで13万9,017人、3位はバスケットボールで12万9199人となっています。
世界ランク上位の国
世界中で多くの人がプレーする卓球ですが、世界ランキングと競技人口数とには関わりがあるのでしょうか?
世界ランクが上位の国の動向と、日本の有力選手の動向などを男女別に見てみましょう。
2020年4月時点の世界ランクをみてみると、トップ10に中国が5人、日本・ブラジル・台湾・スウェーデン・ドイツが各1人ずつランクイン。
トップ5に限ると、4位にランクインしている張本智和選手以外、すべて中国選手となっており、トップ3を中国が独占しています。
ちなみに、トップ50に日本選手は6人がランクインしており、丹羽孝希選手が13位、ベテランの水谷隼選手が17位となっています。
また、2020年4月時点の女子の世界ランキングでは、トップ10に中国が6人、日本が2人、台湾・シンガポールがそれぞれ1人ずつランクインしています。
トップ5に絞ると、2位の伊藤美誠選手以外はすべて中国選手であり、男女ともに中国が占めています。
トップ50には日本選手が9人ランクイン。日本女子のリーダー格である石川佳純選手が9位、伊藤選手と同年代のライバルである平野美宇選手が11位となっています。
中国の圧倒的な強さを考えると伊藤選手の2位は快挙といえるでしょう。
まとめ
世界中で多くの人が競技している卓球。
男女ともに世界ランキングの上位を占めるのは中国ですが、中国が卓球王国である理由として、競技人口が多いということが上げられます。
日本は、男女ともに若手の選手が実力をつけており、オリンピックでのメダル獲得に期待が寄せられています。
少子化の波にのまれず、低年齢の世代における卓球の競技人口数が増加していることは、卓球界にとって追い風といえるでしょう。
(TOP写真提供 = FotoDuets / Shutterstock.com)
《参考記事一覧》
世界の「スポーツ競技人口」人気ランキングTop5!(スポーツルール)