いよいよ2020年に開催が迫る東京オリンピック。いろいろな準備が進んでいますが、パブリックビューイングに関しても本格的に動き出しています。パブリックビューイングは、大勢の観客がスクリーンを通じて観戦する方法であり、スポーツ中継やライブなどでよく用いられているもの。
今回は、東京オリンピックでのパブリックビューイングについてのルールを紹介します。また、パブリックビューイングよりもイベント性が強いライブサイトの情報についても記載しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
パブリックビューイングとは?
パブリックビューイングとは、スポーツなどのイベントを様々な会場の大型スクリーンに映し、観戦を行う方法のことです。
スポーツ業界では、サッカーのワールドカップ、野球の日本シリーズなど大きな試合、ボクシングの世界タイトルマッチなどに用いられ、地元のチームや選手を応援するために多くの人が集まります。
スポーツ業界以外では、オペラのチケットが毎回売り切れるオーストラリアのウィーン国立歌劇場でパブリックビューイングが行われ、会場に行けなくても美しい音楽を堪能できるようになっています。
パブリックビューイングによって、潜在的需要を掘り起こしたり、公演そのものの人気につなげる効果が得られているようです。
パブリックビューイングには、街頭のテレビや大型ビジョンなどに代表される無料視聴が可能なものと、映画館やスタジアムなどが主催する有料のものとがあり、それぞれ大きな盛り上がりを見せています。
教育機関や自治会でもパブリックビューイングが可能に
さて、いよいよ2020年に開催が迫る東京オリンピック。
日本だけでなく世界中が注目するスポーツの一大イベントですが、多くの教育機関や企業でパブリックビューイングが可能となっています。
従来、オリンピックでは、企業や教育機関がパブリックビューイングを主催することは知的財産権保護の観点から認められていませんでした。
しかし、オリンピックの盛り上がりや雰囲気作りへの水差しになるなどの意見が多数寄せられ、平昌パラリンピックから学校主催のパブリックビューイングが許可されたのです。
パブリックビューイングが可能となったことにより、地元のスーパースターをみんなで応援しようと多くの住民が駆けつけ、大きな盛り上がりをみせました。
東京オリンピックでは、各種教育機関や自治会がパブリックビューイングの開催権を持つことによって国を上げて盛り上げる動きが広まっています。
パブリックビューイング実施には規制がある
オリンピックでもパブリックビューイングの開催が許可されましたが、実施するためには様々な規制があります。
代表的な規制として
- 開催できるのは非営利団体
- 無料で行わなければならない
- 放映できるのは競技の生放送だけ
- 名前
などがあります。
それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。
開催できるのは非営利団体
オリンピックのパブリックビューイングは、非営利団体でなければなりません。
可能な団体として、つぎの組織が挙げられます。
- 地方自治体などの行政機関
- 自治会や商店街などの地域機関
- 学校
- 体育協会などのスポーツ機関
- 商工会などの経済機関
- 大使館などの国際機関
- 保育所などの児童福祉機関
- 公益法人
- その他非営利団体
つまり、一般的な企業や商店、個人が勝手に開催することはできないといえます。
無料で行わなければならない
オリンピックのパブリックビューイングは、全て無料で行わなければなりません。
また、飲食物の提供や各種グッズの販売などは一切禁止です。
さらに、開催に関わる費用はすべて主催者負担なので、かかる負担はかなり大きいといえるでしょう。
放映できるのは競技の生放送だけ
パブリックビューイングの会場で放映できるのは、競技の生放送、しかもテレビ中継のみです。
民法の番組を使用する場合は、スタジオ映像やCMをカットする必要があります。
また、NHKの番組を使用する場合は、スタジオ部分などをカットしなくてはなりません。
つまり、家でテレビを見るよりも、規制がある中での観戦になるといえるでしょう。
さらに、パブリックビューイングで使用する番組は、放送局の承認を得なければなりません。
日程の変更や競技結果によって使用番組の変更があった場合でも、その都度放映権者との確認や競技が必要とされるなど、ルールは細かく設定されています。
名前
パブリックビューイングの名前は、開催者が独自で決めることはできません。
使用できるのは
- 東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会パブリックビューイング
- 東京2020オリンピック競技大会パブリックビューイング
- 東京2020パラリンピック競技大会パブリックビューイング
- 東京2020大会パブリックビューイング
の4つに限定されています。
(転載元:東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 パブリックビューイング 基本ガイドライン)
つまり、「〇〇自治会主催!地元の選手応援パブリックビューイング」などの名前はつけられないということ。
こうしたところからも、オリンピックのパブリックビューイングがいかに厳格な管理体制の中で行われているかを知ることができます。
ライブサイトならイベントや飲食も楽しめる
パブリックビューイングでは、飲食物の配布や販売はできないと前述しましたが、飲食やさまざまな催しを楽しむことができるイベントもあります。
それがライブサイトです。
ライブサイトは、大型スクリーンによって大会が中継され、みんなで感動と興奮を共有できるもの。
会場では、飲食物を食べたり競技体験があるなど、競技観戦以外の楽しみもあります。
パブリックビューイングを「観戦会」とするならば、ライブイベントは「大きなスポーツイベント」といえるでしょう。
ライブサイトは日本全国で行われる
大会組織委員会や関係団体が開催するイベントは1都10県に限られていますが、地方自治体が独自で開催するライブサイトもあります。
つまり、ライブサイトは日本全国で行われるのです。
ライブサイト参加費は無料
ライブサイトも、入場料は無料です。
しかし、自由に行われる物販やイベントには費用が発生します。
録画放映OK
パブリックビューイングでは、放映できる映像は生放送の競技シーンのみでしたが、ライブサイトは、録画放映もOKです。
つまり、感動の名場面をもう一度大勢で見るということもできるでしょう。
様々な催し
ライブサイトでは、様々な催しが開かれます。
いくつか紹介していくので参考にしてくださいね。
- 会場装飾やステージイベント
ライブサイトの会場では、さまざまな装飾が施され、観戦ムードを高めてくれます。
また、ステージイベントも開催され、音楽の演奏やダンス、トークショーなどを楽しむことができます。
各主催者がどのようなイベントを組んでいくのか、楽しみです。
競技体験
ライブサイトでは、競技の体験イベントも開催されます。
スポーツクライミングや車椅子競技の体験、テコンドーのレクチャーや各種競技の解説などいろいろな形で競技とふれあい、楽しむことができるのです。
各会場でさまざまなイベントが開催されるライブサイト。
現状では主要団体が主催するものしか発表されていませんが、各地方自治体主催のライブサイト情報が、この先次々と発表されていきます。
ぜひ、近くで開催されるライブサイトを見つけてみましょう。
まとめ
会場に足を運べない人でも、オリンピックをみんなで応援できる「パブリックビューイング」と「ライブサイト」。
それぞれの規模や主催者、内容は異なりますが、大勢がスポーツで一つになるというかけがえのない経験ができるイベントです。
チケットに外れた方も、そもそも購入しなかった方も、家でのテレビ観戦ではなくパブリックビューイングをすることで、個人では得られない興奮を味わうことができるでしょう。
(TOP 写真提供 = maxstockphoto / Shutterstock.com)
《参考記事一覧》
東京五輪・パラのパブリックビューイング、学校や自治会も可 - (産経ニュース)
東京2020オリンピックをパブリックビューイングで見たい!場所はどこ?(Ohen)