スポーツのなかでも、さまざまな要素が求められる「サッカー」。それぞれの要素を伸ばすために、さまざまなトレーニングを行っている方もいることでしょう。
そのなかでも、とくに重要な要素があります。
それは、「アジリティ(Agility)」。
「サッカーにはアジリティが必要」という言葉を耳にしたことのある方もいることでしょう。では、アジリティとはいったい何なのでしょうか。
本記事では、サッカーにおいて大切な要素であるアジリティに関して、下記の内容を解説します。
- アジリティとはなにか、サッカーとの関係
- サッカーにアジリティが必要な理由
- アジリティを高めるトレーニング方法
アジリティの必要性を知り、今後のトレーニングに活かすためにも、ぜひ最後までご覧ください。
アジリティとは
そもそもアジリティがどのような意味を持つ言葉かご存知ですか?
ここでは、アジリティとはなにか、その意味やサッカーとの関係について解説します。
アジリティの意味
アジリティとは、敏捷性という意味を持つ言葉。機敏な、素早いという意味の英単語「アジャイル(agile)」の名詞形です。
ゲームなどをしていると、「HP(体力)」や「STR(筋力)」などと一緒に「AGI」というステータスを見たことがある方もいることでしょう。
これはアジリティの略であり、キャラクターの敏捷性に関わるステータスです。このように、意外と身の回りのさまざまなところで使われています。
サッカーにおいてのアジリティ
サッカーは、スピードが欠かせないスポーツです。このスピードは大きく3つの要素に分けられ、「3大要素」と呼ばれています。
- スピード
- クイックネス(俊敏性)
- アジリティ(敏捷性)
これら3つは、サッカーに求められるダッシュやドリブル、フェイントなどのさまざまなテクニックに関わる要素です。
「どれも同じじゃないの?」と思う方もいるかもしれません。しかし、3つの要素にはそれぞれ違う意味があります。
なかでもアジリティとは、速さだけではなく「正確性」や「状況判断、予測能力」なども含まれている要素です。
サッカーにアジリティが必要な理由
サッカーにおいて、アジリティは欠かすことのできない要素です。ではなぜ、そこまで重視されるのでしょうか?
アジリティの重要性、そしてアジリティが欠けるとどうなるかについて解説していきます。
サッカーにおいてアジリティが必要な理由
先ほど、サッカーのスピードに必要な要素はアジリティのほかに「スピード」と「クイックネス」があると説明しました。
スピードやクイックネスは、身体的な素早さや速さに関わる要素なのに対し、アジリティとは単純な身体的運動だけではなく状況判断などの「思考」が含まれた要素です。
そもそもサッカーは、1人で行うスポーツではありません。試合には、必ず相手選手や味方選手がいます。
そのため、常に相手選手や味方選手の動きを見ながら、自分がどのような行動を行えばよいのかを考えてプレーしなければいけません。また、サッカーは刻々と状況が変化するため、思考には多くの時間をかけることができないでしょう。
例えば、相手がフェイントやディフェンスを仕掛けてきた際、その動きに対してどのような行動をとればよいかを考える時間はほとんどありません。
相手の動きに瞬時に対応するために、その時々でとっさに判断をする必要があります。
そこで重要になるのが、アジリティです。アジリティを高めることで、プレーなかで一瞬の判断を下して自らの動作に繋げることができるでしょう。
サッカーでアジリティが欠けると…
サッカーにおいてアジリティとは、状況判断とそれに対応するための素早さに関わる要素の1つです。
いかにスピードが速く素早い動きができたとしても、状況判断ができなければ動きが単調になってしまいます。
状況判断ができなければ、相手の動きに対応できずボールを奪われる、ドリブルで抜けられるなど、多くのデメリットがあるでしょう。また、状況判断が早いから素早い動きができると考えることもできます。
状況判断が遅いと、その分動きも遅くなってしまう可能性があります。
アジリティを高めるためには、トレーニング法など
アジリティは鍛えることができる要素です。ここでは、アジリティのスキルを高めるトレーニング法を3つ紹介します。
- 鬼ごっこ
- ○×トレーニング
- 足じゃんけんトレーニング
それぞれの内容について、詳しくみていきましょう。
鬼ごっこ
誰もが1度は遊んだことがある、「鬼ごっこ」。鬼ごっこは、サッカーで大事な瞬発力を高めるトレーニングとしても有効な遊びです。
鬼ごっこでは、鬼から逃げるために方向転換や加減速などを行う必要があります。
また鬼がどのような行動をとるか、どのように追いかけてくるかを予測しながら、鬼の行動に合わせてとっさに判断して行動する必要があるでしょう。
ルールを説明する必要もほとんどなく、すぐに始められるのも大きな特徴。ルールを変えることで、よりスキルアップさせたい動きを取り入れることもできます。
○×トレーニング
○×ゲームとは、3×3マスに「○」と「×」を書き込み、先に3つ並べた人が勝ちのゲームです。この○×ゲームをサッカーに応用し改良したトレーニングを「Tic-tac-toe」と呼び、名門バルセロナでもトレーニングとして取り入れられていました。
ルールと手順は、下記のとおりです。
- 3人1チームで、2チームに分かれる
- 1人1枚のビブスをもってスタートラインに並び、スタートの合図でゲーム開始
- 各チームから1人ずつマスまで走って空いているマスにビブスを置く
- スタートラインまで戻り、次の人にタッチする
- ③と④を繰り返し、3人目までマスにビブスを置きに行く
- 4順目以降は、マスにおいてあるビブスの位置を変える
- 先に3つ並べたチームの勝ち
このゲームでは、スタートラインからマスまで走ってまたスタートラインまで戻ってくる素早さと、ビブスをどのマスに置くかという判断力を鍛えることができます。
素早さと判断力を同時に鍛えることができるため、おすすめのトレーニングです。
足じゃんけんトレーニング
足じゃんけんトレーニングとは、その名のとおり足でじゃんけんを行うトレーニングです。しかし、ただじゃんけんするだけではありません。
ルールと手順は、下記のとおりです。
- 対戦を行う2人が向き合い、中心にボールを1つ置く
- 足でじゃんけんを行う
- あいこになったらお互いにボールを取り合う
- ボールをとった人の勝ち
足じゃんけんトレーニングでは、足でじゃんけんを行うながらどんな体制でも常にボールを取りに行く準備をしなければいけません。
また、あいこになったと同時にボールを取りに行く判断力と素早さが必要になるため、アジリティを鍛えることができます。
まとめ
今回は、アジリティとは何なのか?また、サッカーに必要な理由やトレーニング法について解説しました。
アジリティとは、敏捷性とも呼ばれるサッカーにおいて重要な要素です。
サッカーでは、試合中さまざまな判断をしなければいけません。さらに、その判断は一瞬でしなければならず、その判断にもとづいた素早い行動が求められます。
アジリティを鍛えることで、素早く判断をして行動に移すことができるでしょう。また、アジリティは、日ごろのトレーニングで向上させることができる要素です。
トレーニングにはいくつかの種類があるため、自分に合った方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
(TOP写真提供 = Donnycocacola / Unsplash.com)
《参考記事一覧》
楽しみながら判断力を鍛える!バルセロナもやっていたTic-tac-toeを紹介!(サカレコ)
アジリティはサッカーに必要?その概要からトレーニング方法まで解説(ビギナーズ)
アジリティトレーニングの重要性!おすすめメニュー10選【サッカー】(Activeる!)
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