サッカーのポジションは大きく分けて4つ。
そして、それぞれのポジションごとに異なる役割が存在します。
また、フォーメーションによってもそれぞれのポジションは呼び方が変わります。
本記事では、サッカーのポジションとその役割について解説します。
サッカーのポジションは大きく分けて4つ
サッカーのポジションは大きく、
- GK
- DF
- MF
- FW
の4つに分けることができます。
それでは、それぞれのポジションについて1つずつ見ていきましょう。
GK
サッカーの中で唯一、自チームのペナルティエリア内で手を使うことを許されたポジション。
敵チームからゴールを守る最後の砦として、自チームのゴール前にポジショニングして、相手チームのシュートなどの攻撃を防ぐ役割をします。
また、ゴールキーパーは自チームの選手を一番後ろから見ているため、フィールドの監督のような立場で選手に指示を出すなど、野球で言えばキャッチャーのような役割も果たすほか、どうしても点を獲りたいときには攻撃に参加することもあります。
DF
ディフェンダーは自チームのゴール側にポジショニングして相手の攻撃を食い止めることを主な役割とします。
しかしながら、ただ守っているだけではなく、自チームの攻撃に繋げるために、相手のボールを奪った際は、精確に前線の選手にそのボールを送ることで攻撃の起点にもなります。
ディフェンダーが突破されてしまうと、ゴールキーパーとの1対1となり、失点に繋がってしまいやすくなることから、相手選手に当たり負けないフィジカルの強さやヘディングで競り負けない高さ、全体の動きを把握し相手の攻撃を的確に予測する判断力などが必要。
相手の攻撃時にはどのように守るかを考えるだけではなく、自チームの攻撃にどのように転じるのか、自チームが攻撃しているときには速攻を受けないためにはどのようなポジショニングをするかを常に考えなければならないほか、自チームのコーナーキックの時などには攻撃参加も求められるなど、奥が深い非常に重要なポジションといえます。
MF
ミッドフィルダーは、ディフェンダーよりも相手のゴール側にポジショニングします。
攻撃の際には、ボールをドリブルを駆使したりパスをしたりして、フォワードのポジションの選手にパスたり、チャンスがあればミドルシュートを放ち、ゴールを狙います。
また、守備の際には相手チームの選手が持っているボールを早めに奪いにいくことで、相手のミスを誘ったり、攻撃の手段を制限させる役割を担います。また、ミッドフィルダーが相手からボールを奪えれば、自チームが速攻が出来るチャンスとなります。
その他、どのように攻撃をするか組み立てるのもこのポジションであり、攻守両面で活躍する非常に重要なポジションであるといえるでしょう。
ミッドフィルダーは、通常3人から5人で構成されていますが、他のポジションと比べても役割も多く、フォーメーションによっては攻撃的ミッドフィルダーと守備的ミッドフィルダーに分かれていることもあります。
FW
フォワードの役割は、自分がシュートをすることもあれば、味方の選手がシュートを打てるようにパスをするなど、とにかく相手から点を取ることです。
そのためには、相手のディフェンダーやゴールキーパーの予測の裏をかいた動きをしたり、素早い動きをすることが求められます。
そして、得点を上げるだけでなく、意外にも守備面でも大事な役割を担っています。
フォワードが守備の際に、相手のパスコースを塞いだりして、素早い攻撃に繋げさせないことも非常に重要。ここで相手に速攻を許してしまえば、自チームは守備の陣容が整っていないことも多く、守備が崩れてしまうこともあります。
フォーメーションによって呼び名が変わる
これまで、ポジションについて説明しましたが、テレビの解説などで、いま説明した以外の名称でポジション名を耳にすることもあるでしょう。
それは、サッカーではフォーメーションによって、ディフェンダーやミッドフィルダー、フォワードの中でもポジションの名称が変わってきているからです。
このフォーメーションとは、選手の配置や陣形のこと。
ディフェンダーであれば、センターバックやサイドバック、ウイングバックやリベロ、ストッパー、ミッドフィルダーであれば、ボランチやウイングハーフ、トップ下、フォワードであれば、トップ、センターフォワード、ウイングなどと呼び名が変わります。
それぞれのポジションの役割
フォーメーションによってポジションの呼び名が変わると前章で述べましたが、ここからはDFとMF、FWのポジションについて、詳しく見ていきましょう。
DF
ゴールから見て横に並んだ時に、中央に位置するのがセンターバックで、右側と左側の両サイドに因っているのがサイドバックとなります。
センターバックでも、4人ディフェンダーが居る場合の真ん中の2人などについては、必要に応じてある程度自由に動きながら、積極的に攻撃なども行うような場合はリベロ、ディフェンダーのやや前目にポジショニングして、積極的に相手からボールを奪いにいくような場合はストッパーと呼ばれたりします。
サイドバックの中でも、自チームの陣容などから、サイド攻撃のため、相手ゴール側のサイドまで上がって攻撃参加を求められることが多い場合には、ウイングバックと呼ばれることがあります。
センターバックはフィジカルに優れ、サイドバックはスピードがある選手が多いです。
MF
ミッドフィルダーのなかでもややディフェンダー寄りのポジショニングをし、守備や相手からボールを奪った直後の起点となることが多いのがボランチ。両サイドにポジショニングするサイドハーフのなかでも、相手ゴールの両サイドからセンタリングをしたり、攻撃の起点となることも強く求められる場合にはウイングハーフと呼んだりします。また、フォワードのすぐ後ろあたりにポジショニングし、攻撃時の起点となる役割の場合はトップ下となります。
トップ下はテクニックに優れた選手、ボランチはゲームをコントロールするための判断力に優れた選手が多いです。
FW
横に並んだ時に真ん中にいるのがセンターフォワードで、サイドにいるのがウイングとなります。最近はフォワードを3人配置することも少なく、1人だけの場合はワントップ、2人の場合はツートップと呼んだりします。
相手ゴール前で攻撃の起点としてボールをキープすることが求められたり、積極的にシュートをするなど決定力を求められたり、どのような役割を求められるかによって、選手のタイプも大きくことなるポジションです。
求められるスキル
GK
ゴールを守る上で相手シュートへの反射神経が必要であるのは言うまでもないため割愛し、ここでは少しメンタル面に焦点を当てます。
GKの重要な資質として、戦術的な知識を基にした判断力の有無が挙げられます。
GKは目線においてコーチとは違い、フィールド全体を縦方向に見渡せる場所です。
プレー中の時々で、時にはコーチやDFのように指示を行う場面もあります。
その際、重要となるのは基礎的な戦術的知識をしっかり持っていることが重要です。
常に「次はどう動くのか」を予測しフィールド全体を見極め、最短時間でチームに反映させるポジションでもあります。
ある意味コーチと同じように全体を見渡せる視野と、とっさの判断力を備えていることはGKのポジションの役割として大きなアドバンテージとなるでしょう。
DF
DFのポジションにおいて必要な要素多い中、まず挙げられるのは危機察知能力でしょう。
相手FWの動きを常に注視し、ボールを取ることが重要です。
この時、「相手がどう動くのか」を予測し、2手3手先を見越した危機察知を備えていることでDFとしての貢献度が大きく左右されるでしょう。
また、ボールを維持する際のドリブル力に加えて、パス回しの精度の非常に重要な要素のひとつです。
そして、後方からチーム全体を見渡せるポジションであるため、コーチング能力の有無も活きてきます。
MF
MFには、攻撃的な比重が大きいトップ下とインサイドハーフ。
守備的な比重の大きい、ボランチとサイドハーフ。
ポジションにより細かく必要な要素当然異なるものの、いずれもチームの「攻撃の起点」となる点は共通しています。
中でも、重要となるスキルとして挙げられるのはトラップとパスの精度です。
トラップやパスミスをしてしまえばボールを奪われ、攻撃の起点となるべきところが逆にピンチとなり得ます。
FW
FWにおいて最重要スキルとしてシュートの正確さはもちろんですが、その他にも必要とされるスキルがあります。
まずは、ドリブルによる突破力です。
点を取るポジションとして、相手ゴールに進攻する上で1対1の場面になることが非常に多いです。
相手ディフェンスをかわすには、相手の動きをみてフェイントをかけ、突破する予測も必要となるでしょう。
瞬間的なプレーが多く求められるため、純粋にスタミナ面も重要となります。
なお、FWの性質上、周りが見えなくなりワンマンプレーになってしまう場合があります。
冷静さを保ちつつ、チーム全体の動きをみる視野の広さを持つことで、FWとしての得点力につながるでしょう。
まとめ
今回はサッカーのポジションをまとめさせていただきましたが、説明した以外にも、セカンドストライカー、シャドーストライカー、セカンドトップなど多くのポジションがあります。
現代のサッカーでは、戦術によってそれぞれの役割があり、目まぐるしく変化する状況に対応しなければいけません。
ポジションによって役割は変わるものの、共通していえることはどのポジションも攻撃、守備両面で貢献しなければいけないことです。
個人技だけでなく、ポジションによる戦術もサッカーの醍醐味の一つといえるでしょう。
(TOP写真提供 = matimix / Shutterstock.com)
《参考記事一覧》