サッカーコートのサイズ規格とは?!スタジアムによって、大きさが違う理由を解説!

サッカーの試合を観戦中、グラウンド・スタジアムによってコートのサイズが微妙に違うことに気付いたことはありますか?

実は、サッカーコートにはサイズ規格が定められており、グラウンド・スタジアムによってコートのサイズが異なります。

本記事では、サッカーコートのサイズ規格をテーマに解説しています。

サイズ規格が定められているのに、なぜ大きさが違うのか疑問に思った方は、ぜひ本記事を最後までご覧ください。

サッカーコートの規格は?

サッカーコートのサイズ規格には、下記の3つがあります。

  • 公式規格
  • 国際基準の規格
  • W杯やオリンピックでの規格

これらは、国際的なサッカールールの「サッカー競技規則」で公式に定められており、国際サッカー連盟(FIFA)に加盟している団体・組織はすべてこれに従って運営しています。

それでは、詳しくみていきましょう。

公式規格

サッカーコートのサイズにおける公式規格とは、中学生以上の試合でのサイズ規格のこと。

  • 縦:90~120m
  • 横:45~90m

このサイズ内であれば基本的に問題ありません。

しかし「サッカー競技規則」上、タッチラインはゴールラインよりも長くなくてはいけません。そのため、縦横90mの正方形のコートは認められません。

国際基準の規格

国の代表チーム同士の試合や各国のクラブチームが交流する試合など、諸外国から選手の集まる国際試合では、サイズ規格が異なります。

  • 縦:110~120m
  • 横:45~90m

ゴールラインの長さは公式と変わりませんが、タッチラインの範囲が狭められているところが、国際基準規格のポイントです。

W杯やオリンピックでの規格

国の代表チーム同士の国際試合でも、W杯とオリンピックだけは、国際基準のサイズとは異なります。

W杯とオリンピックでのコートの範囲は、下記のとおり。

  • 縦:100~110m
  • 横:64~75m

ゴールラインとタッチライン共に、長さの最大幅が短くなっています。また、ゴールラインは最小幅が長いのが特徴です。

しかし、FIFAは下記のサイズを推奨しています。

  • 縦:105m
  • 横:68m

日本はFIFA推奨のサイズに合わせています。その為、国際試合でも国内で行われる場合は、105m×68mを採用しています。また、日本のプロリーグであるJリーグのスタジアム基準も同様で、FIFA推奨サイズになっています。

国際サッカー評議会とは

写真提供 = Sibusiso Mati / Unsplash.com

これまでにご紹介したサッカーコートの規格は、国際サッカー評議会(IFAB)が定めたもの。

ここでは、国際サッカー評議会について解説します。

先述したとおり、FIFA(国際サッカー連盟)は105m×68mのコートサイズを推奨しています。

本来であれば、FIFAに加盟している団体・組織は「サッカー競技規則」に従っているため、それをコートの規格にするべきです。しかし、実際はそれができません。

なぜならば、「サッカー競技規則」を定めているのは、FIFAではなくIFAB(国際サッカー評議会)だからです。

「国際サッカー評議会」と「国際サッカー連盟」は名称が似ており、どちらの組織も本部がスイスのチューリッヒにありますが、それぞれに異なる組織です。

そもそも、FIFAは、今から117年前の1904年5月21日に設立されたサッカーの国際競技連盟。それに対してIFABは、FIFA設立前の1882年12月5日に設立された、サッカーのルール(競技規則)を決める世界で唯一の意思決定機関です。

もし、サッカーコートのサイズ規格が定められている「サッカー競技規則」のルール改定をする際は、IFABが毎年2月か3月に行っている年次総会(AGM)において討議し、出席者の3/4以上の賛成票を得る必要があります。

そして、AGM出席者の票は全部で8票あり、FIFAは4票所持。しかし、残り4票はイギリス本土4協会(イングランドサッカー協会・スコットランドサッカー協会・ウェールズサッカー協会・北アイルランドサッカー協会)がそれぞれ1票ずつ持っています。

ちなみに、このイギリス本土4協会は、イングランドのサッカーを統括する国内競技連盟であるFA(フットボール・アソシエーション)に所属しています。

実は、全14条から成る世界初のサッカー統一ルールである「サッカー競技規則」を作成した団体はこのFAでした。

そもそもFIFAは、FAによって設立された団体です。ルール改定には意思決定機関であるIFABが深く関係しているため、FIFA推奨のコートにサイズを変更することは難しいのです。

グラウンド・スタジアムにより異なるサッカーコートのサイズ

グラウンド・スタジアムによりコートサイズが異なる理由として、「サッカー競技規則」で定められたルールに基づいていることは前述しました。

Jリーグは、FIFA推奨サイズを基準にしているため、「FIFA推奨のサイズ」か「W杯やオリンピックでの規格」を採用することが多いです。

例えば、埼玉スタジアム2002は、FIFA推奨の「105m×68m」。しかし、茨城県立カシマサッカースタジアム(115m×78m)のように、国際基準を採用しているスタジアムもあります。

そもそも、FAがコートの長さを明確に決めずに幅をもたせた理由は、サッカーが世界中でプレーされている競技だということが背景にあります。つまり、経済的に困窮している国でも問題なくプレーできるように、最大基準と最小基準を決めて、その間であればサッカーを楽しめる意図が隠されています。

少年サッカーのコートの規格

公式規格や国際基準の規格、W杯やオリンピックでの規格の他にも、少年サッカーのコートサイズ規格も存在します。

ちなみに、少年サッカーには8人制と11人制がありますが、それぞれでコートの規格が異なります。

8人制サッカーとは、若い世代のうちにボールに関わる時間やプレー回数を増やすことを目的に、日本サッカー協会が導入した仕組み。コートサイズだけでなく、ゴールやペナルティーエリアのサイズも異なり、自由にいつでも交代できるなど8人制独自のルールが設けられています。

少年サッカーコートのサイズの違いを、下表にまとめました。

11人制サッカー8人制サッカー
縦のサイズ:80m横のサイズ:50m縦のサイズ:68m横のサイズ:50m

最大・最小基準ではなく、少年サッカーのコートサイズは、長さが明確に決められていることが特徴です。

まとめ

今回は、サッカーコートのサイズをテーマに解説してきました。

コートのサイズの規格が定められているにも関わらず、グラウンド・スタジアムによって大きさが異なる理由は、下記の2つでした。

  • 定められているサイズの最大基準と最小基準に幅があるため
  • スタジアムによって採用しているサイズ規格が異なるため

グラウンド・スタジアムによりコートサイズが異なっていても、「サッカー競技規則」は順守しているため、基本的には問題ありません。

本記事が、サッカーコートのサイズについて、詳しく知りたい方の参考になれば幸いです。

(TOP写真提供 = Victor / Unsplash.com)


《参考記事一覧》

サッカースタジアム[サッカー場]情報(スポランド)

サッカーコートの大きさは? 少年サッカーのコートサイズも解説(サカイク)

サッカーコートのサイズや面積!長さや寸法などの情報まとめ(Activeる!)

スタジアムによって違ってもOK?サッカーのグラウンドサイズを紹介!(Perilog【ピリログ】)

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