スポーツは数万年前からあるといわれ、その歴史は長いもの。
時代時代に合った形で発展を遂げてきました。
本記事では、スポーツの歴史をテーマに解説。
古代に始まったスポーツが現代までどのように引き継がれてきたのかを紐解きます。
スポーツの歴史
そもそも、スポーツとは何か、スポーツの概要や始まり、その歴史について解説していきます。
スポーツとは?
スポーツ(sports・sport)とは、一定のルールに則って勝敗を競ったり、楽しみを求めたりする身体活動のこと。日本では、「スポーツ=運動」と訳し、2つとも同一視されていることも多いですが、もともと運動とは体を動かすことを意味します。
つまり、厳密にいえば、スポーツとは、運動のなかの1つであり、ルールが存在して競技が成り立っている運動のことといえます。
スポーツの始まりはいつ?
現在のスポーツの概念が生まれた時期は近代ですが、約3万年以上前の洞窟に、狩りの合間の余暇に狩猟に使う道具を使ってその技を競い合っていたことを思わせる壁画が残されています。
このことから、人間が道具を使って狩猟をし始めたころには、スポーツが行われていたと考えられています。
古代文明でのスポーツ
各地で文明が興ると、各地で独自のスポーツ文化が誕生していきます。
古代エジプトでは、貴族の娯楽として、ショー的要素の強い競技が行われていたと思われる記録が壁画に残されています。また、兵士の強化目的に競技が利用されていたとの記録も見つかっています。
また、古代文明のなかでも特にスポーツ文化が発展した場所がギリシアです。古代ギリシアではさまざまな競技会が行なわれ、その中の最大の競技会が古代オリンピックであるといわれています。
ちなみに、ペロポネソス半島に位置したオリンピアでは4年毎にオリンピックが開催され、最盛期にはギリシア各地からも選手が参加していたといわれています。
ギリシアの文化は古代ローマにも伝わりますが、ローマでは兵士の強化を目的としたものが多く、競技会の文化はあまり取り入れられませんでした。
中世のスポーツ
中世時代になるとスポーツ文化が発展していきますが、王侯貴族、騎士、市民、農民の階級ごとにスポーツは行なわれていました。
王侯貴族や騎士は、乗馬、剣術、射撃などのほか、ゴルフなどが主に行われ、一般市民の間では、ダンスやフットボールなどが愛好されていたようです。
現在のスポーツの概念が確立した時期は?
近代スポーツとは、ヨーロッパ近代が生み出したスポーツの総称ですが、現在のスポーツの概念が確立したのは近代だといわれています。
そもそも、スポーツと運動の違いは、前述したようにルールが存在し競技として成り立っているかどうかということ。
近代以前の競技にもルールは存在していましたが、そのルールはそれぞれの民族や地域固有の決まりごと。その民族や地域固有のルールが競技ごとに統一されるようになったのです。
スポーツの語源
定められたルールのもとで、体を動かして勝敗を競ったり楽しみを求めたりすることをスポーツと呼ぶようになったのは、19世紀から20世紀のこと。
その語源は、ラテン語の「deportare(デポルターレ)」とされています。
本来、デポルターレの意味は、「ある物を別の場所に運び去る」というもの。
この「運び去る」という部分が「精神的な気分転換」という意味に転換され、中世フランス語で「(仕事や義務でない)気晴らしをする」という意味となりました。
「desporter」という言葉はイギリス人によって「disport」と省略され、16世紀以降さらに省略され「sporte・sport」と呼ばれるようになったといわれています。
日本におけるスポーツの歴史
日本におけるスポーツについて、その始まりと歴史を見ていきましょう。
日本のスポーツの始まりはいつ?
一番古い記録として、狩猟の合間に狩猟に使う道具を使って技を競い合っていたとするものが残っていますが、ルールのある運動や競技が行われるようになったのは飛鳥時代のころ。
平安時代に公家の間で行われていた蹴鞠を遊びや運動のために行うようになったのです。
日本にスポーツを楽しむ概念が加わった時期は江戸時代
鎌倉時代には武士の間で武芸としての剣術や格闘術、弓術や馬術、そして、相撲や綱引きといった競技が行われるようになりました。
ただし、楽しみを目的としたものではなく、宗教的な儀式や年中行事で行うことが主だったようです。
ちなみに、日本にスポーツを楽しむ概念が加わったのは江戸時代のこと。
戦乱の世が終わり太平の世が続いたことで、余暇を楽しむ方法としてルールのある運動や競技が一般に行われるようになりました。
特に、江戸には数多くの遊びを目的としたスポーツが存在していたとされ、大々的な競技会が開催された記録も残っています。
日本でスポーツの概念ができた時期は明治維新後
前述したように、日本でルールのある運動や競技を楽しむ概念が加わったのは江戸時代のこと。
しかし、江戸時代にはスポーツの概念はありませんでした。
江戸時代の日本のスポーツは、あくまでも身体の育成のための運動や遊びという概念が強く、スポーツという概念で競技が行われるようになった時期は、明治維新後に日本に欧米のさまざまな文化が入ってきてからとされています。
日本のスポーツの特徴
日本では、体育の授業を通じてスポーツが取り入れられたことから、体を動かすことがスポーツであるというイメージが定着しています。そのため、日本では体を動かさない運動をスポーツと呼ぶことに抵抗がある方も少なくありません。
また、テレビの普及に伴い、スポーツを観戦して楽しむ文化が広まります。そして、テレビで放送されるスポーツがメジャーなスポーツとして認識されるようになります。
ちなみに、現在、マイナーなスポーツに位置するプロレスやボクシング・ボーリングですが、テレビでよく放送されていた時期にはメジャーなスポーツとして認識されていました。
日本国内ではテレビ放送されるスポーツがメジャーになる傾向が強いことも日本のスポーツの特徴といってよいでしょう。
まとめ
スポーツの本質は楽しむことですが、その歴史を辿ると、楽しむことが定義になかった時代もあったことが分かります。
スポーツの楽しみ方も歴史とともに変化してます。
さまざまな技術の変化に伴い、スポーツがどう変わっていくのかに注目するのも面白いでしょう。
本記事が、スポーツの歴史について詳しく知りたい方の参考になれば幸いです。
(TOP写真提供 = Ralph (Ravi) Kayden / Unsplash.com)
参考記事一覧
近代スポーツを生んだ英国の階級文化スポーツの始まり(笹川スポーツ財団)
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