パラリンピックの歴史と競技|東京大会で実施される全22競技を一挙紹介

オリンピック閉幕後に開催されるパラリンピック。

注目選手や競技について知っている人も増えてきていますが、あまり良く知らないという人も少なくないのではないでしょうか。

そこで今回は、パラリンピックの歴史と競技について分かりやすく紹介します。

パラリンピックの歴史

パラリンピックの起源は、イギリスの「ストーク・マンデビル病院」で1948年に開催された第二次世界大戦の際に負傷した戦闘員のリハビリ競技大会です。

その後、1952年に国際大会になり、1960年には「国際ストークマンデビル大会委員会」が結成されました。

1988年の競技大会からその名称がパラリンピックと改称され、1989年には国際パラリンピック委員会(IPC)が創設されました。

東京パラリンピックの種目は22種目

写真提供 = Gaie Uchel / Shutterstock.com

2021年に開催される「東京パラリンピック」では、22種目の競技が実施される予定です。それぞれ簡単に紹介していきます。

5人制サッカー

5人制サッカーは、視覚障害のある選手が5対5でプレーする競技です。視覚障害があるプレーヤーによる競技であることから、両サイドには壁を設置。目が若干見える選手がゴールキーパーを務め、フィールドプレイヤーの4人がゴール裏にいる「ガイド」によって伝えられた味方ボールの位置と距離、角度、サイドフェンスを超えたベンチに立っている監督の声を聞きながら音の鳴るボールをドリブルやパスでゴールまで運び、点を取り合います。

アーチェリー

パラリンピックのアーチェリーには、障害の種類や程度によって3つのクラスがあります。

また、男女それぞれ3種目(コンパウンド・リカーブ・W1男女ペア)と団体戦でメダルを競います。

障害の種類や程度に応じて、道具を工夫することを認められているのがポイントといえるでしょう。

カヌー

カヌーは下半身や体幹に障がいがある選手が、パドルを使ってカヌーを漕ぎ、速さを競う競技です。

障害の程度や運動機能によって、3つのクラスに分かれています。

ゴールボール

ゴールボールは、目隠しをしたプレイヤーが、バレーボールと同じ大きさのコートを使い、鈴の入ったボールを転がし、相手のゴールに入れて得点を競いあう3対3で対戦する競技です。

攻撃側は、バウンドやスピードボールでディフェンスのいないコースを狙ったり、音を消して、ボールの出所がわからないようにシュート。守備側は3人で協力し、全身でゴールの防衛をします。

1試合は前後半12分ハーフで、選手が音を頼りにプレイするため、観客は静かに見守るルールとなっています。

シッティングバレーボール

シッティングバレーボールは、お尻を床につけた状態で行うバレーボールです。

通常のバレーボールと一緒で人数は6対6、1セット25点の5セットマッチで行われます。

座って行う競技のため、コートの広さやネットの高さ、一部のルールが変更されていますが、重要なルールは、プレイヤーのお尻が床から離れた場合、ファールになること。

そのため、選手は腕の力でお尻を滑らせて、コート内を移動する必要があります。

相手のサーブを直接ブロックやアタックなどで攻撃できることも、通常のバレーボールとは異なる点となっています。

テコンドー

八角形のコートで行われるテコンドー。

基本的なルールは通常のテコンドーと同じで、攻撃に対してポイントが与えられ、制限時間内により多くの得点を取った選手が勝利となります。

競技は知的障害、神経障害、視覚障がいのある選手が行うプムセと、上肢障がいのある選手が戦うするキョルギに分けられますが、パラリンピックで行われるのはキョルギであり、クラスは障害の程度によって、3つに分けられます。

試合は3ラウンドで行われ、同点の場合は延長戦が行われます。

トライアスロン

トライアスロンは、1人の選手が3つの種目(スイム、バイク、ラン)を行い、合計タイムを競う競技です。

障害の内容や程度で6クラスに分けられますが、それぞれのクラスの違いは競技内容の一部が異なることと使う道具が異なることが挙げられます。

バドミントン

バドミントンは、今回の東京大会から正式なパラリンピック競技になる競技です。

障害の内容や程度で6つのクラスに分けられ、それぞれに合わせたルールで行われます。

基本的なルールは通常のバトミントンとほぼ同じで、21点3セット制、2ゲーム先取した方が勝利となります。

パワーリフティング

パワーリフティングは、重りのついたバーベルを上げ、重量を競う競技です。

東京大会では、男女それぞれ10クラスになる予定で、1人1回順番に持ち上げ、3回の試技で最も重いバーベルを上げた選手が勝利となります。

障害の内容や程度によるクラス分けではなく、体重別でクラス分けされるのがポイントです。

ボート

競技用のボートで、2kmのレースを行う種目です。

ボードの種類別に、1人乗り・2人乗り・5人乗りの3つに分かれており、対象となる障害が規定されています。

ルールは通常のボート競技とほぼ同じですが、ボートは障害者用に改良されています。

ボッチャ

ボッチャは比較的障害の重い人向けに考案されたパラリンピック特有の競技です。

最初にジャックボールと呼ばれる白いボールを投げ、その後、赤と青のボールを6個ずつ投げて、最初に投げたジャックボールの近くにどれだけ多くのボールを投げられるかで勝敗を競います。

ジャックボールの位置は毎回変わり、途中で弾いたり動かしたりすることも可能。駆け引きが盛んで、かつ一発逆転もあるので、見応えのある競技といえます。

地上のカーリングとも呼ばれる非常に戦略性の高いゲームです。

車いすテニス

車いすテニスは、車椅子に乗ってテニスをする競技です。通常のテニス技術に加えて、片手にラケットを持ちながら車椅子を漕ぎ、コート内を動き回るための車椅子操作が求められます。

コートの大きさや基本的なルールはテニスと同じで、テニスとの一番の違いは、ツーバウンドまで認められていること。

試合は男女シングルスとダブルス、男女混合のクアードがあります。パラリンピックでは、3セットマッチで実施され、2セット先取した方が勝利です。

車いすバスケットボール

車いすバスケットボールは、俊敏性や回転能力に優れた専用の車椅子に乗って行う競技です。

車椅子ならではのスピード感や迫力があるため、パラリンピックの中でも、人気の競技であり、ボールやコートの大きさ、ゴールの高さや出場人数は通常のバスケットボールとほぼ同じです。

選手は、身体能力や障害の大きさによって、1.0から4.5点までの8クラスに分けられ、出場選手の合計点は14点以内と定められているため、幅広い選手の起用が必要です。

役割分担によるチームワークも、見どころといえるでしょう。

車いすフェンシング

車いすフェンシングは、固定した競技用車椅子に乗り、上半身だけで競技するフェンシングです。

ルールは通常のフェンシングとほぼ同じですが、足を使えない上に相手との距離が近く、一定となっています。そのため、巧みなの剣さばきや、スピードが重要となります。

種目は、メタルジャケットを着た胴体だけを突く「フルーレ」と、上半身の突きを狙う「エペ」、上半身の突きに切る動作が追加された「サブール」の3つ。

東京パラリンピックでは男女別に個人戦が行われ、エペとフルーレでは3vs3の団体戦が行われます。

車いすラグビー

車いすラグビーは男女混合で行われます。

バスケットボールと同じ広さのコート上で、専用車椅子に乗った選手が専用の丸いボールを運びます。4対4でゲームは行われ、車椅子の前後4輪のうち2人がラインを超えると、トライとなります。

障がいの程度の重い選手から順に、0.5点から3.5点までの0.5点刻みで、持ち点が与えられており、チームは8点以内で編成することが求められます。

それぞれの持ち点で、攻撃と守備の役割分担が明確となっています。

陸上競技

陸上競技は1960年の第1回大会から実施されている競技です。

幅広い障害が対象で、夏季大会の中では最も出場選手が多い競技でもあります。

競技ルール自体はオリンピックとほぼ同じですが、一部のルールの変更や公平さを保つためのクラス分け制度などで条件を揃えるようにしているのが特徴です。

実際の競技では、オリンピックと同じく、コンマ1秒をめぐる戦いが繰り広げられます。

馬術

馬術は、パラリンピックでは正確さや美しさを競う「馬場馬術」のみが行われます。

個人課目と、選手3名で構成される団体課目、個人上位の選手のみが出場できる自由演技課目があり、自由演技課目は「馬のバレエ」とも呼ばれ、選手が考えたオリジナルの動きのパターンを組み合わせて、音楽に合わせて乗りこなす競技です。

いずれの課目も、5人の審判によって採点されます。歩いている姿やステップの正確さ、馬と乗り手の一体感などが加点対象となっています。

柔道

柔道は視覚障害のある人が対象となっている競技で、他の競技のようにクラス分けはなく、オリンピック同様に男女別・体重別の階級で行われます。

視覚障害のある人が対象の競技ですが、アイマスクなどは使わず、見え方の異なる選手でもそのまま対戦します。

ルールはオリンピックとほぼ同じですが、両選手が互いに相手の襟と袖を掴み、組み合った状態からスタートします。組手争いの時間がないので、技の掛け合いがすぐに始まります。

射撃

パラリンピックの射撃は、肢体不自由の選手が対象となる競技です。

ライフルやピストルで円状の的を撃ち、正確性を競います。打ち抜いた位置によって点数が与えられ、制限時間内に規定の弾数を連続して発射し、合計得点によって勝敗を決定。

選手の障がい程度や、銃を持つことができるかなどを基準とし、3つにクラス分けされます。

射撃は、銃の種類や的までの距離、打つ姿勢などによって、いろいろな種目があります。

近年では、選手の技術だけでなく、銃の性能が向上したため、満点を連発するハイレベルの戦いも増えています。

水泳

水泳も、第1回パラリンピックから行われている競技です。障害の程度や種類、運動機能などによってクラス分けされ、それぞれのクラスごとにレースを行います。

泳ぎ方は人それぞれで「残されたものを最大に活かす」というパラリンピックの精神を、強く表現した競技です。

卓球

卓球競技も、1960年の第1回大会から継続して行われている競技です。

対象とする障害の範囲が広く、多くの選手が出場。肢体不自由・知的障害などの特徴から、合計11クラスに分かれます。

道具や試合の進め方、特定の入り方などの基本的なルールはオリンピックの卓球と同じですが、クラスによって特有のルールが適用されます。

自転車競技(トラック)

パラリンピックの自転車競技には、トラックとロードがあります。それぞれ複数の種目が行われますが、トラックはオリンピックと同様に、すり鉢状の傾斜がついた自転車競技場(1周250m)で走行。

屋内で実施されるため、風などの天候の影響がなく、トップの選手は60km/hを超えます。

パラリンピックの自転車競技の特徴として、参加する選手の障害によって、使用する自転車が違うということが挙げられます。

自転車競技(ロード)

自転車のロード競技は、屋外の長距離コースで行われる競技です。

暑さ・雨・風など自然の影響に左右される競技であり、距離が長いため、スタミナ配分、ポジション、ライバルとの駆け引きが見所となっています。

競技は「ロードレース」「タイムトライアル」「チームリレー」の3種目があり、障害の種類や程度、自転車によってさらに4つのクラスに分けられます。

クラス分けや、使う道具の違いこそあるものの、オリンピックとほぼ同じルールで実施されます。

まとめ

オリンピックと同じ年、会場で行われるパラリンピック。多くの場合、オリンピック後すぐに開催されます。

オリンピックと比較すると中継数などが限られますが、非常に高い能力を持った、選ばれし選手が出場するパラリンピック。

本記事の内容を参考に、パラリンピックの各競技にも注目してみてください。

(TOP写真提供 = mezzotint / Shutterstock.com)


《参考記事一覧》

パラリンピックの歴史が5分でわかる!目的や競技、「パラ」の意味などを解説|ホンシェルジュ

パラリンピックはいつから始まった?大会の歴史紹介|【SPAIA】スパイア

パラリンピック競技|東京2020オリンピック競技大会公式ウェブサイト

パラリンピックの歴史を知る-スポーツ歴史の検証-特集|笹川スポーツ財団

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