プロ野球のトライアウトとは?流れや注目選手などを紹介!

12月8日に開催されたプロ野球12球団合同トライアウト2021。

昨年、現役を引退された新庄剛志さんが12球団合同トライアウトに参加したことでニュースなどで大いに話題となりましたが、現役継続を意気込む選手はもちろん、プロ野球好きの人が注目する一大イベントです。

選手たちが挑む様子を密着ドキュメンタリー番組として取りあげるほど、プロ野球業界で非常に注目されているイベントであるトライアウト。

そんなプロ野球のトライアウトについて分かりやすく解説します。注目選手なども紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

プロ野球 トライアウトとは

プロ野球のトライアウトとは、自由契約状態の選手や全12球団での戦力外通告を受けた選手たちが現役続行に向け団体へアピール・志願し、契約を目指す場のこと。正式名称は、「プロ野球12球団合同トライアウト」です。

サッカーやK-1、プロ野球などのスポーツ競技で活躍するにはチーム、球団との契約が欠かせませんが、球団との契約はスカウトとトライアウトの2種類に分かれていて

  • スカウト:球団→選手にオファーし契約を交わす
  • トライアウト:選手→球団へアピール・志願し契約を交わす

というように、「誰が」「誰を」対象にするかで契約方法が変わるのです。

ちなみに、プロ野球では、戦力外通告という仕組みが存在します。戦力外通告とは、チームや球団から選手本人に戦力構成から外すと通告すること。要するにチームや球団からの契約の解除(解雇)を指します。

試合での功績が落ちてきた選手や、ケガなどにより戦力外通告を受ける選手は年間100名以上いるとされており、「まだ現役としてチャレンジしたい!」と現役続行のためにトライアウトに挑戦する選手も少なくないのです。

トライアウトの流れ

ここでは、プロ野球におけるトライアウトの流れについて解説します。

トライアウトの主な流れは、下記のとおり。

  1. テスト(試合形式)
  2. 選手へ個別に通知
  3. 契約

契約する場合、トライアウト後にそのままその場で契約になるケースもあれば、一定期間内に選手へ球団から電話で通知され、追加の入団テストやキャンプへの参加などの後に契約というケースもあります。

テスト内容

テストの試合形式は「シート打撃形式」で行われます。シート打撃形式とは、実際に守備位置にも選手がつく他、塁上にも走者を置いた実戦形式のこと。

  • 投手は打者3人と対戦
  • 野手は異なる投手と約4~6打席対戦

という試合形式で行われますが得点や勝敗は関係なく、あくまでも実力をテストするものとなっています。

厳密なルールはなくその年によって対戦人数やカウントが変わったり、球団関係者が守備側についたりと、参加選手の人数でも内容に多少変化があるのがトライアウトの特徴の1つです。

12球団合同トライアウトの参加資格

トライアウトの参加資格は、下記のとおりです。

  • 日本プロ野球機構に1度でも所属経験がある選手
  • 現状が自由契約の選手

入団テストとは異なり、トライアウトに参加するにはプロ経験が必須となっています。

開催時期と参加上限

プロ野球のトライアウトは、毎年11月または12月の全シリーズ終了後に行われています。

これは、自由契約の選手と戦力外通告が出た選手に平等にチャンスを与えるため。そして、2019年より参加回数の上限は2回までと定められました。

これにより、プロ野球のトライアウトで夢みる選手たちに制限が課せられることとなりました。

プロ野球のセ・リーグとパ・リーグの違い

写真提供 = NeONBRAND / Unsplash.com

「そもそもプロ野球のセ・パってなに?」と思っている方もいることでしょう。

プロ野球というと、セ・リーグとパ・リーグの2つがある、というのは誰もが知っていることですが、プロ野球のリーグは元々「日本野球連盟」で発足したもの。

1950年に毎日新聞社の球団の毎日オリオンズ(現千葉ロッテマリーンズ)のプロ野球参入の希望に日本野球連盟のなかで意見が反対派と賛成派に分かれ、セ・リーグ、パ・リーグが誕生したのです。

当時の参入反対派がセ・リーグ、賛成派がパ・リーグとなっています。

現在、セ・リーグ、パ・リーグに所属するチームとその本拠地は以下のとおりです。

セ・リーグ(セントラルリーグ)

球団名本拠地
読売ジャイアンツ東京ドーム
阪神タイガース阪神甲子園球場
横浜DeNAベイスターズ横浜スタジアム
東京ヤクルトスワローズ明治神宮野球場
広島東洋カープマツダスタジアム
中日ドラゴンズバンテリンドームナゴヤ

パ・リーグ(パシフィックリーグ)

球団名本拠地
埼玉西武ライオンズメットライフドーム
福岡ソフトバンクホークスPayPayドーム
オリックスバッファローズ京セラドーム
千葉ロッテマリーンズZOZOマリンスタジアム
北海道日本ハムファイターズ札幌ドーム
東北楽天ゴールデンイーグルス楽天生命パーク宮城

プロ野球のセ・リーグ、パ・リーグの違いは、DH制の有無です。

DH制とは「Designated Hitter」の略称で、直訳すると打撃専門の打者、指名打者となります。この指名打者とは、守備をせず攻撃のみに専念する選手のこと。

DH制はセ・リーグでは採用されておらず、パ・リーグのみの採用となります。

攻撃に強い選手の起用ができるため、チームの戦力強化が可能となっています。

ルール上の違いはDH制だけですが、DH制がないセ・リーグでも強力打者をスカウトすることはあります。球団の戦力構成や監督の采配などパ・リーグへの対策を観察してみるのもプロ野球観戦を楽しむ要素の1つといえるでしょう。

ちなみに、セ・リーグ、パ・リーグでトライアウトの基本的な流れに変わりはありません。

トライアウトを受ける注目の選手

2021年度のプロ野球のトライアウトを受ける選手は数多くいましたが、その中でも、事前に注目されたのが下記の選手たち。

セ・リーグ

球団選手
読売ジャイアンツ山下航汰(20)【11/19自由契約】古川侑利(26)【11/28戦力外】
中日ドラゴンズ三ツ間卓也(29)【10/7戦力外】
横浜DeNAベイスターズ笠井崇正(27)【10/5戦力外】
広島東洋カープ高橋大樹(27)【11/3戦力外】永井敦士(21)【11/3戦力外】

パ・リーグ

球団選手
福岡ソフトバンクホークス釜元豪(28)【10/26戦力外】渡辺雄大(30)【10/18戦力外】
北海道日本ハムファイターズ鈴木遼太郎(25)【10/25戦力外】今井順之助(23)【10/25戦力外】村田透(36)【11/2退団】

そして、12月8日に実施されたトライアウトの結果、日本ハムが、巨人を戦力外となった古川侑利投手(26)を育成契約で獲得する方向性で検討する、と発表されました。

また、トライアウト未参加の選手に関しても、ロッテ戦力外の大嶺祐太投手を中日が育成強化選手として検討。楽天がソフトバンク戦力外の川島慶三選手を支配下で獲得、そして、釜本豪選手も獲得することが濃厚とされています。さらに、オリックス自由契約の鈴木優投手を巨人が育成選手として獲得調査しているとされるなど、さまざまな動きがみられています。

参考資料:【日程】NPB12球団合同トライアウト2021⚡️結果•去就(高校野球ニュース)

まとめ

プロ野球のトライアウトの流れや2021年度のトライアウトを受けた注目選手などについて紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。

選手たちがチャンスを掴むため白熱したプレイが観戦できるトライアウト。

どのような流れで、どのような選手が挑むのか、詳しく知りたい、という方の参考になれば幸いです。

(TOP写真提供 = Jakob Rosen / Unsplash.com)


《参考記事一覧》

プロ野球トライアウト2021年(高校野球ニュース)

プロ野球トライアウト2021!結果速報&合格者と参加選手一覧(プロ野球速報~89オンライン)

トライアウトとは一体何?何のために行われるの?(スポジョバ)

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