学生からトップスポーツまでが採用。コンディション管理アプリのAtletaが選ばれる理由とは

近年スポーツ競技・指導の現場で、コンディション管理をITで効率化するサービスが続々と登場している。中でもコンディションから食事管理、コミュニケーションツールまでを提供し、選手や指導者に好評を博しているのがAtleta(アトレータ)だ。なぜAtletaは選ばれ続けるのか?運営企業の株式会社エムティーアイ CLIMB Factory事業部、アプリを導入する京都府立北嵯峨高等学校ハンドボール部、そしてチームをサポートする京都トレーニングセンターに話を聞いた。

トップアスリートのデータ共有を目的に誕生

Atletaの開発は、競技団体をサポートする国の事業の一環として、競技やトレーニング現場で必要とされるデータを蓄積し、関係者間で効率的に共有・分析することを目指したデータベースづくりに端を発している。

最高峰を目指すトッププロ・代表選手を対象にシステム開発を進めていたCLIMB Factoryは、時を同じくして株式会社エムティーアイとの資本業務提携を締結(※2017年に株式会社エムティーアイがCLIMB Factory株式会社を吸収合併)。コンシューマー向けのサービスづくりに強みをもつエムティーアイと共にインターフェースに工夫を施し、改良されたのが現在のAtletaだ。

元々トップアスリート向けに開発されたシステムが、高校・大学の部活動にも受け入れられ始めた。学校現場で使い始めたユーザーからは「選手の情報があるとコミュニケーションのきっかけになる」「選手の日常生活の意識が高まる」といった声が聞かれ、競技種目やレベルを問わず、汎用性のあるサービスとして浸透していった。

Atletaを運営するCLIMB Factory事業部長 柴田潤氏は、「人数が多いチームはどうしても目が行き届かない。そういう課題は私たちのサービスにかかわらず、どこでも聞きます。野球部、サッカー部、陸上部など人数が多い競技は特にその傾向がありました」と話す。

目指したのは馴染みやすさ、使いやすさだ。専門性・研究色の強かった当初のシステムから、誰もが使いやすいアプリへと進化。これまでに1,000を超えるチームが導入し、コロナ禍を経て利用率も高まっている。

強みは「アプリ」と「活用支援」

モバイルファーストのAtleta。学生や指導者にとって使い勝手が良い(画像はサンプルです)。画像提供=CLIMB Factory

コンディション管理のためのITツールは数多く存在する。その中でAtletaは、日々使われ、その結果チーム作りのプラスになることを追求してきた。

その一つが、スマートフォンアプリとしての提供だ。学生が練習終わりにアクセスする面倒さ、大変さの軽減を図ってきた。これは正確で有用なデータが得られること、そしてリアルタイムにコミュニケーションがとれることにもつながる。

ユーザー基盤が拡大した2019年には、カスタマーサクセスチームを立ち上げて、ユーザーのアプリ活用支援に注力した。導入後チームに利用が定着しない、蓄積したデータの活用方法がわからないといったユーザーの課題に対してサポートを強化してきた。また、NPS(ネットプロモータースコア:他者推奨意向度)も定期的に測定し、利用状況などを確認しながら各ユーザーと連携を取り、アプリの改良を続けている。

「ユーザーに有益なコンテンツを考え、ゼロから作ってきました」と話すカスタマーサクセスチームリーダーの川田里奈氏は、次のようにも続ける。

「Atletaはソフトウェアのサービスなので、基本的にすべてのチームが同じ機能を使っています。つまり、全国の様々なチームがどのような使い方をしているのか、その背景にある目的や、どのようなチーム作りを目指しているのかが集約されている。このようなノウハウの蓄積があるのも強みです」

三位一体で指導者をサポート

Atletaを活用するだけでなく、外部指導者を巻き込んだ三位一体の体制でチームをサポートする例もある。京都府にある北嵯峨高校ハンドボール部では、Atletaとスポーツ医科学の情報発信等で連携協定を締結している京都トレーニングセンターも共にチーム強化をサポートしている。

チームは、数年前に練習のスケジュール管理、選手のコンディション管理、体調・怪我のチェックをするためにAtletaを導入。顧問の西山周良先生は導入の経緯についてこう語る。

「うちの部は1学年に1チーム以上、3学年で計37名の大所帯です。人数が多く、全員とコミュニケーションを取るのがなかなか難しい状況でした。保護者からも応援や送迎のためにスケジュールをこまめに出してほしいという声もあったのですが、他の学校業務もありできていなかった。そんなタイミングでAtletaのアプリを知って、一度試してみようと思ったのがきっかけでした」

チームはまず、コンディション管理、怪我の状態把握からスタート。選手は監督に怪我の状況を対面で直接話すことをとまどいがちだが、アプリはそのハードルを下げる。「各選手の健康状態を確認できるようになったのは大きい」と西山先生もいう。新型コロナの影響で急遽練習ができなくなった際は、全員にすぐ連絡できたことも利点として挙げた。

チームのさらなる強化に向けて京都トレーニングセンターが選手のトレーニングや食事管理やメンタルトレーニングをサポートすることとなり、常時チームに帯同できないスタッフがチームをサポートするうえでもアプリが活躍している。京都トレーニングセンターは、ジュニアアスリートの強化拠点として2016年7月に開所し、京都府内外のチームに科学的なトレーニングのサポートを行っている。

「これまではハンドボールの技術、体づくり、メンタルなどを全部私一人で指導していましたが、世の中で技術や科学が発達する中、新しいものごとを専門家がサポートしてくれるのが一番のメリットです。そのおかげで私もハンドボールの指導に集中でき、ものすごく助かっています」(西山先生)

京都トレーニングセンターの三宅亮輔氏も口を揃え、「先生方は教育者であり競技の専門家として、私たちは身体の専門家として関わっています。スポーツについていろんな見方を知ることも、生徒さんの成長につながると思います」と語る。

西山先生は、生徒に見られた変化も話してくれた。

「見た目では、やはり身体が大きくなりましたね。自分のことに関心を持つようになったと思います。僕があれこれ言うよりも、専門家の人からトレーニングや食事の重要性を言ってもらった方が、生徒も聞く耳を持つんじゃないでしょうか(笑)」

学生スポーツで広がるテクノロジー活用

食事管理の機能では、写真記録の共有や栄養素の過不足の分析が可能となっている。画像提供=北嵯峨高校

北嵯峨高校のようにテクノロジーを使い、また外部とうまく連携するような取り組みはまだ少数かもしれない。学生スポーツにおいて、顧問の教員の多忙さは常に課題として挙がっており、教務と監督業を担うことによる業務の多さや、トレーナーやフィジカルコーチなど専任スタッフがいないことで指導者に掛かる負担は計り知れない。

「忙しい高校の先生は練習や試合、大会がずっとあって、年末年始に1日休めるかどうかという話も聞きます」(CLIMB Factory川田氏)

教員の異動により指導者を急に失ってしまう部活動も存在する。そして、必ずしも次の教員が部活動の競技の専門家であるとは限らない。そうした場合にも、テクノロジーを使って指導ノウハウが得られたり、選手のデータを基に外部から指導者を巻き込むことができたりと、期待される効果は大きい。

この「データ」については、コロナ禍によって部活動の現場で大きく風向きが変わったという。

「新型コロナの影響で一般的になったのが『毎日の体温チェック』。どの大会でも参加するために体調のチェックシートが義務づけられ、普段の練習でも体調不良がないか確認した上でスポーツをすることが一般的になりました。きちんとデータを取る、把握することが進んでいます」(CLIMB Factory柴田氏)                           

緊急事態宣言で全国一斉休校が発表された際に、Atletaは学校など教育機関向けに一定期間無償提供も行った。その昨年4月頃から問い合わせも急増したが、同時に既存ユーザーの利用も格段に増えたという。健康管理への意識が高まったことで、様々なチームがツールに改めて目を向けた。

「以前はオンラインのツールに対して抵抗感があったチームも、ハードルが低くなりました」と話すのは、カスタマーサクセスを担当する鈴木水音氏。Atletaが定期的に開催しているオンラインセミナーへの反応も大きく変わったという。指導者の「勘」と「経験」だけでなく、様々なツールや外部の専門家の知恵を取り入れようとする考えは、急速に広がりを見せている。

学生スポーツの未来へ

北嵯峨高校は京都府の強豪校。目標は「全国でベスト8」。画像提供=北嵯峨高校

部活動でテクノロジーが使われることで、競技環境が改善されつつある中、生徒の意識も変わってきている。

川田氏は日々全国の部活動をサポートする中で、「各チームでマネージャーだけでなく、データ分析を行ったり、プロモーション活動をしたりと、新たな役割を担って部活動に関わる学生が増えてきている」と語る。

部活動が教育の一環である限り、スポーツを通して生徒がこれまでにない発見や、成長をしていくのがその意義になる。西山先生も競技でのトップを目指すと同時に、生徒の未来にも目を向ける。

「例えばハンドボールで京都府、全国で優勝をしても、社会に出たときに『そうなんや、すごいね』と言われるだけだと思うんです。ハンドボールを通じてどんな力を身につけるか、人間的な成長をし、社会的に認められる存在になるように、といつも選手に言っています」

北嵯峨高校では、京都トレーニングセンターのスポーツ医科学サポートの一環として、メンタルトレーニング講習でリーダーシップや目標設定についても生徒の指導を定期的に行なっている。その成果を感じたエピソードを紹介してくれた。

「北嵯峨高校は京都府で2番目のチームなんですが、もちろん1番を目指しています。府で1番のチームは全国でも上位を目指しているチームなので、私たちも必然的に全国を目指しています。チームの目標は毎年生徒に考えさせているんですが、例年だと『全国大会出場』や『全国大会で勝ち進む』などの目標をあげてきます。

今年のチームに目標を尋ねると、『全国でベスト8』という具体的な数字を出してきました。メンタルトレーニングのおかげで、目標設定をより具体的に考えられるようになっていて、ビックリしました。僕が定めたのではなく、選手から挙げてきたんです」(西山先生)

Atletaを使ったコンディション管理やデジタル利活用、京都トレーニングセンターによるスポーツ科学支援、そして何より顧問の先生によるチームづくり。このモデルケースが広がることで、部活動を取り巻く環境はさらに進化していくだろう。

■Atleta
https://www.climbfactory.com/atleta/

■京都トレーニングセンター
http://www.kyoto-tc.com/

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