相撲の起源と歴史が知りたい!〜相撲由来の言葉も解説〜

日本では、誰でも一度は相撲を目にしたことがあるのではないでしょうか。ルールは簡単で、1対1で取っ組み合って先に体が地面につくか、先に土俵から体がでた方が負けになります。今回はその相撲の歴史や、相撲から派生した言葉の由来などを紹介します。

相撲の起源

相撲は武器を使わない戦いとして、古くからある格闘競技のひとつです。

相撲は、古事記の神話「オオクニヌシの国譲り」に出てくるのが最古の記録で、神様の力比べが起源といわれています。

一方、人間による相撲の起源は、野見宿禰(ノミノスクネ)と当麻蹶速(タイマノケハヤ)の2人が、第11代天皇の垂仁(スイニン)天皇の前で、天覧相撲を行ったことからだと言われています。今から1500年も昔のことです。

相撲の歴史

奈良時代 〜七夕での宮廷行事の余興「相撲節会」

記録に残る最古の例では奈良時代の734年から、七夕での宮廷行事の余興の一つとして「相撲節会(すまひのせちえ)」と呼ばれた相撲大会が行なわれていました。当時は、土俵はなく、相手の体を地面に付かせた方が勝ちというものでした。

平安時代 〜宮廷儀式としての神事相撲

平安期には宮廷行事として描かれた相撲の絵図から、相撲は古くから神道に関係が深かったことが窺えます。相撲は一年の収穫高を占う儀式だったのです。

鎌倉から戦国時代 〜武士の武闘の訓練としての武家相撲

鎌倉時代からは武家の文化・武士の時代になり、武器は、それまでの日本刀や槍から鉄砲に変わりました。しかし、身体を鍛えるために、素手で相手と組み合う相撲は『武家相撲』として、廃れることなく盛んに行なわれました。

戦国武将の織田信長は、大の相撲好きで、「土俵」を考案したことでも知られています。

安土城内には、日本各地から力士を招いて上覧相撲を開催し、勝った者を家臣にすることもあったようです。

江戸時代 〜泰平な時代の文化と勧進相撲

徳川家康の時代には、浪人や力自慢の中から相撲を職業にする者が現れます。すると、全国で土地相撲が行なわれるようになり、江戸の中期以降は、毎年定期的に相撲興行が行れていました。

また『勧進相撲』という、営利目的の興行相撲も始まり、ここで集められたお金は、お寺の本堂や山門などを造営したり修復したりするために使われました。

このスタイルは、現在の大相撲興行の原形になったと言われています。

明治時代以降 〜廃業の危機を天覧相撲で神事へ

明治維新に行われた改革により、相撲は一時廃業の危機にありましたが、天皇が相撲を見る『天覧相撲』を行なうことで、無事に危機を乗り越えました。そして1925年には、幕内優勝者に天皇賜杯が授与されるようになり、同年日本相撲協会が誕生。現在へと続いています。

女人禁制について

相撲での女人禁制はかなり昔からの伝統かと思きや、実は、江戸時代までは女相撲が行われていました。

いつから女人禁制になったかというと、明治時代からなのです。

背景には、明治維新による「散髪令」や「裸体禁止令」の発布、廃藩置県制度が導入されて大相撲を贔屓にしていた大名たちを失ったことがあります。

大相撲界は危機を脱するため、相撲好きで知られる明治天皇や伊藤博文を頼り、娯楽や興行であった相撲を「神事」として格上げし、存続に尽力しました。

そして、相撲を由緒正しい国技として特別なものにするため、神道とのつながりを強調したのです。それにより、土俵に女性を上げないという女人禁制が、さらに強化されました。

この制度は、相撲を「神事」にするために後付けされたものだと考えられます。

相撲用語から派生した言葉

写真提供 = Alessio Roversi / Unsplash.com

実は、私たちが日常で使う言葉にも、相撲用語から派生したものがたくさんあります。よく使われる用語ながら、由来を知らないものもあるのではないでしょうか。ここでは、相撲から派生した言葉を紹介します。

仕事上よく使われる言葉

「押し」

相撲の決まり手で多いのは「押し出し」で、土俵の外に相手の体を押し出す決まり手のことをいいます。「押し相撲」は正統派の力士を表現する時に使われますが、逆の意味で融通がきかない、無理に自分の意志を通そうとすること、その力を表すこともあります。

使い方として、「上司は押しの一手で案件を取った」や「会議での発言を聞いても、彼は押しが強い人だ」などがあります。

「仕切り直し」

相撲では、取り組む意思表示のために両手を下ろすことを「仕切る」といいますが、立ち合いの呼吸が合わずに双方で仕切りをやり直すことを「仕切り直し」といいます。転じて、物事を初めからやり直す際に使います。

「その企画は仕切り直しとなった」などという使い方をします。

「痛み分け」

現在の相撲のルールでは、両力士がケガなどで取り組み続行不能とならない限り、引き分けはありません。しかし、かつては片方の力士がケガなどで取り組み続行不能となり、元気な力士が取り組みを棄権する場合を、「痛み分け」といっていました。転じて、「今回の会議では、双方痛み分けで終わった」など、双方の議論がまとまらず、未決着に終わる場合などに使われます。

「懐が深い」

相撲では、腕と胸の隙間が広く、相手にまわしを取らせない状態を「懐が深い」といいます。転じて、心が広く寛容で包容力があることを表現する際に使います。例えば、「あの取引先の担当常務は部下に慕われ、懐の深い人だ」。

「同じ土俵に乗る(乗らない)」

土俵とは、相撲をするために周りを土を詰めた俵で囲んだ場所のことをいいます。一般には、その人が活躍する場所を意味することもあり、意見が合わなかったり、敵わなかったりする時には「乗らない」表現を使います。

例えば、「あの人とは同じ土俵に乗らない方がいい」など。

日常用語として使われる言葉

「勇み足」

相撲では、相手を土俵際まで追い詰めながら、勢い余って自分の足が土俵の外に踏み出してしまうことを「勇み足」いいます。一般には、気持ちが焦って失敗したり、やり過ぎたりした時に使います。

「肩透かし」

相撲の立ち合いで前に出てくる相手を、体を開いて当たりを避けるようにかわすことを「肩透かし」といいます。転じて、勢いよく挑んでくる相手を上手くかわす際に使われるようになりました。

例えば、「開店日と思って楽しみに行ってみたら、入場予約制で肩透かしを食らわされた」などと使います。

「土俵際」

相撲では土俵の内側と外側の境目を土俵際といいます。ここのせめぎ合いで勝負が決まることから、力士たちは当然力が入りますし、観客も土俵際の攻防に注目します。一般的には、物事が決着する瀬戸際のことをいいます。

「脇が甘い」

相撲では、脇を締める腕の力が弱いと、相手にまわしを取られてしまう時に使います。転じて、用心や守りが弱く、相手につけ込まれやすい時に使われます。

「序の口」

相撲番付の最下位に位置する地位のことをいいます。転じて、物事の始まったばかりであることを表現する際に使います。ちなみに相撲番付とは、相撲の強さによって各力士の地位と順位を決め、行司や年寄なども加えて書いた一覧表のことをいいます。江戸時代では、相撲だけでなく、温泉地等の人気順位で「温泉番付」なども作られました。「番付が上がる」とは、当場所の成績によって翌場所での力士の地位や順位が昇進することをいいます。

スポーツ関係の記事等に使われる用語

「大一番」

相撲では優勝に直接関係する大事な取り組みのことをいい、他のスポーツでも同様に使われます。一般でも大事な行事、例えば将来を決める大事な試験などでも使います。

「がっぷり四つ」

相撲で実力のある力士同士が上手と下手を取り合い胸を合わせた状態を指す言葉です。そこから、実力のある者同士が、目標に対して真正面から取り組む様子を表します。スポーツでは、優勝を争う同士の対戦などに使われます。

例えば、「AとBが優勝に向けてがっぷり四つに組んだ試合を戦った」など。

「土がつく」

相撲では、足の裏以外の場所が地面につき、文字通り土が付くと負けになります。一般的には、勝負事に負けることをいいますが、相撲での成績をつける星取表で白星は勝ち、黒星は負けであることから、「黒星がつく」ともいいます。

「番狂わせ」

番付の下位の力士が、上位の力士に勝つことを番狂わせといいます。スポーツでも、負けを予想していたチームが、思わず勝つ際によく使われます。

まとめ

本記事では、相撲の歴史と相撲用語から派生した言葉について、説明してきました。相撲は日本の国技といわれるほど、国民に愛され、日常生活にも密接に結びついたスポーツ種目の一つです。

最近は国内だけでなく、広く海外からも力士が参加していますし、これからもグローバルなスポーツ種目のひとつとして注目して行きましょう。

(TOP写真提供 = Bob Fisher / Unsplash.com)


《参考記事一覧》

相撲の歴史 (日本相撲協会ホームページ)

大相撲「土俵は女人禁制」…歴史が教える意外なワケ (読売新聞オンライン)

 
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