サッカーワールドカップは、4年に1度開催されるサッカーの祭典です。2022年に21回を数え、累計80年以上実施されている歴史ある大会といえます。サッカー界では、オリンピックよりも威厳のある大会として認知されているといえるでしょう。
今回の記事では、そんなサッカーワールドカップの開催国がどのような方式で決定されているのか、女子ワールドカップはどうなっているのかなど解説します。サッカーに興味のある方、サッカーファンの方はぜひ、読んでみてくださいね。
ワールドカップの歴代開催国とは?
ワールドカップは、4年に1度開かれる大会で、次は2022年に開催されます。そこで最初は、歴代の開催国について見ていきましょう。
最初はウルグアイ
記念すべき最初の大会は、1930年にウルグアイで開催されました。当時は13チームだけの参加で、日本は不参加でした。ちなみに、優勝は開催国のウルグアイ。当時はかなりの強豪チームだったようです。
開催国一覧
会回数 | 年 | 開催国 |
1 | 1930 | ウルグアイ |
2 | 1934 | イタリア |
3 | 1938 | フランス |
4 | 1950 | ブラジル |
5 | 1954 | スイス |
6 | 1958 | スウェーデン |
7 | 1962 | チリ |
8 | 1966 | イングランド |
9 | 1970 | メキシコ |
10 | 1974 | 西ドイツ |
11 | 1978 | アルゼンチン |
12 | 1982 | スペイン |
13 | 1986 | メキシコ |
14 | 1990 | イタリア |
15 | 1994 | アメリカ |
16 | 1998 | フランス |
17 | 2002 | 日本・韓国 |
18 | 2006 | ドイツ |
19 | 2010 | 南アフリカ |
20 | 2014 | ブラジル |
21 | 2018 | ロシア |
22 | 2022 | カタール |
23 | 2026 | カナダ・アメリカ合衆国・アメリカ |
24 | 2030 | 未定 |
2026年は、北中米3ヵ国での共同開催が決定しています。また、参加国が現在の32ヵ国から48ヵ国に拡大、試合数も80に増えます。
2030年は、第1回のワールドカップがウルグアイで開催されてからちょうど100年の記念すべき年にあたります。
参加国の歴史を見てみると、2013年にウルグアイがアルゼンチンとの共催を申し出ており、2017年にはパラグアイが参加、2018年に3ヵ国での共催立候補を正式発表しています。(2019年にチリの大統領が加わることを表明。)また、2021年にはスペインとポルトガルが共催立候補を正式発表しました。
モロッコは、2026年招致で敗退した直後、2030年も立候補することを表明しています。
この他にも、イタリアとサウジアラビアの共催案や、イングランドとアイルランドとの立候補する案などがあり、今後に注目です。
なお、2030年の開催国は2024年に決定します。
女子の開催国
近年、世界では女性の活躍に注目が集まっていますが、サッカーの世界でも、女子のワールドカップが開催されるなど女性の活躍の場が広がっています。
そこで、女子ワールドカップの開催国も一覧にしてみました。
大会回数 | 年 | 開催国 |
1 | 1991 | 中国 |
2 | 1995 | スウェーデン |
3 | 1999 | アメリカ |
4 | 2003 | アメリカ |
5 | 2007 | 中国 |
6 | 2011 | ドイツ |
7 | 2015 | カナダ |
8 | 2019 | フランス |
9 | 2023 | オーストラリア・ニュージーランド |
10 | 2027 | 未定 |
FIFAは2020年6月、2023年の大会をオーストラリアとニュージーランドの共同開催にする、と発表しました。2023年から参加国はそれまでの24ヶ国から32ヶ国に拡大されます。
なお、2027年の開催地には、2020年に、ドイツ・オランダ・ベルギーの3ヶ国が共同開催するとして立候補しています。
ワールドカップの開催国はどうやって決まる?
さて、ここまでは、ワールドカップの歴代開催国を見てきました。では、ワールドカップの開催国はどのようなかたちで決められているのでしょうか。
実は、ワールドカップの開催国の決定方法は、込み入った経緯をたどり、現在の形になっているのです。また、現在の方法を疑問視する声もあり、改善が進められています。
開催国決定方法
ワールドカップの開催国は、1回目から、13回大会の1982年大会まで、FIFA総会での投票で決定していました。
その後の1986年大会以降、FIFA理事会での投票で決定する方式に変更されました。しかし、FIFAの理事会は、24名しかおらず、買収工作などで私益を得ることも可能な状態だったのです。
持ち回り方式
ワールドカップは、毎回、前回開催地域とは、離れた地域で行われています。それは、ローテーションシステムという独自のシステムがあったからです。
そのローテーションシステムとは、6大陸で順番に開催国を持ち回るというもので、2010年の南アフリカ大会から採用されました。そして、2014年の20回大会はブラジルで行われることになったのです。
ですが、この方式は、ブラジル大会の開催決定をもって変更され、直近2大会の開催地ではない大陸から立候補を受け付けるというルールになりました。持ち回り方式はもともと、30年以上開催されていない南アメリカでワールドカップを開催したいという願いから用いられただけで、開催が実現したため、改正されたのです。
このように、ワールドカップの開催国の取り決めルールには、常にルール改定が行われているのです。
現在の決め方と変更の提案
現在の開催国決定の方式は、理事会のメンバーによる投票です。2022年の開催の投票は、22人で行われました。理由は、2人が不祥事を起こしてしまったからです。
また、次の開催地決定に関して、FIFAの理事を兼任するUEFAのミシェル・プラティニ会長が、開催地決定のプレッシャーについて言及し、方式変更の意思があることを表明しています。
このように、これからも開催国の決定に関しては改善が繰り返されそうです。
2022年開催地変更の可能性!?
2022年にカタールで行われる予定のFIFA男子ワールドカップですが、同大会招致をめぐっては、2010年までの招致活動でカタールに票が流れるよう、カタールから複数のFIFA幹部に賄賂が支払われていた、という汚職事件が告発されたことにより、FIFAが開催地変更をする可能性がありました。
その後、FIFAの倫理委員会が開催地の決定投票に関わったFIFAの理事たちに当時の事情を聞き、報告書をまとめましたが、FIFA総会で議題になることはなく、報告書も開示されていません。
2026年に開催が内定しているカナダ・アメリカ合衆国・メキシコの前倒しか、2022年に立候補していた日本になる可能性があるとも言われていましたが、現在のところ、当初の予定通りカタールで行なわれることになりそうです。
2022年のワールドカップに参加予定としているのは32ヵ国で、2022年3月にグループリーグの抽選がなされる予定です。
まとめ
サッカーのワールドカップは、オリンピックと並ぶ大きなイベントで、その開催地の選定には、オリンピック同様、誘致活動を含め、様々な人や大きなお金が絡み、話題が絶えません。
公平・公正に開催地が決定されるよう、関係者には人智を尽くして頂きたいものです。開催地がどこになるのかも含め、今後も注目が集まります。
(TOP写真提供 = Caromai / Shutterstock.com)
《参考記事一覧》
サッカーワールドカップの開催国と優勝国の情報集(列島宝物館)
日本、2023年の女子ワールドカップ開催国に正式立候補(SANSPO)