アンチエイジングのアンチ(anti)は、「…に対する」など抵抗といった意味の英単語。一方、エイジング(aging)は、経時(時を経る)という意味を持ちます。このような語源から、ヒトを含む動物では、老化や加齢のような年をとることを指します。
つまり、アンチエイジングとは、老化に抵抗するということ。健康や美容に大きく関係している背景から、市場は拡大傾向にあるといわれていますが、実際の市場はどのくらいの規模なのでしょうか。
本記事では、アンチエイジングの市場規模やアンチエイジングの最新トレンドなどについて解説しています。
また、今後のアンチエイジング業界における市場規模の展望についても考察しています。
ぜひ最後までご覧ください。
アンチエイジングの市場規模はどのくらい?
加齢による体の変化(老化)をケアして、いつまでも若々しく長生きすることを目指すアンチエイジング。そのため美容だけでなく、健康を目的に老化に抵抗することや老化に抵抗するための医療などの内容も、アンチエイジング市場に含まれます。
アンチエイジング市場は幅広く、市場調査を行っている富士経済によると、健康市場では「肝機能改善」「アイケア」「美肌効果」「リラックス」「覚醒効果」「栄養バランス」「生活習慣病予防の効果をうたった商品」が一定のニーズを得ているとのこと。
また、日本経済新聞によるとコロナ禍での健康への意識の高まりと、新型コロナウイルスの流行で免疫機能などをうたった機能性表示食品が市場をけん引したとのことです。これによって健康食品の市場は2020年の市場規模は1兆4999億円で、前年比0.9%増加しました。
なかでも、好調を続けているのが化粧品市場。アンチエイジング化粧品市場についての調査を実施しているTPCマーケティングリサーチの「2022年 アンチエイジング化粧品の市場分析調査」の結果の概要を下記にまとめました。
- 2020年度の化粧品市場規模はコロナ禍の影響によって前年度比10.0%減の3,520億円
- 調査を開始した2009年以来初めてのマイナスを記録
- 2021年の化粧品市場規模については前年比4%増の3660億円
2020年には、市場が一時期マイナスとなったカテゴリーもあるようです。しかし、アンチエイジング市場全体は585億米ドルの規模に達していることが、株式会社グローバルインフォメーションの市場調査レポート「アンチエイジングの世界市場:分析と予測 (2021年~2026年)」で明らかになっています。
アンチエイジング市場 最新のトレンドは
コロナ禍でも市場全体が好調のアンチエイジング市場。ここでは、そんなアンチエイジング市場での最新トレンドを紹介します。
・シワ改善アンチエイジング化粧品
近年、アンチエイジング市場を牽引している化粧品市場。なかでも、特に市場の拡大が続いているのが、シワ改善化粧品です。
シワ改善化粧品とは、下記のようなシワをケアしてくれる、肌内部のコラーゲンの生成や細胞の活性化を促す成分が配合された化粧品のことです。
- レチノール
- ナイアシンアミド
- ニールワン
- ビタミンC誘導体
参入するメーカーが増えたことで、近年品目数が増加していることに加え、参入各社が継続的なプロモーションを展開した影響を受けました。市場規模は、今後も拡大すると予測されています。
・声のアンチエイジング
最近注目が集まっているアンチエイジングの1つが「声のアンチエイジング」です。
声は、見た目と同じくらいその人の印象を左右する大きな要素の1つ。老け肌だけでなく、かすれ声や弱々しい声など「老け声になるのは避けたい」と考える方が増えているとのことです。
- 声の老化予防に効くメソッド
- アンチエイジングボイストレーニング
- 声のアンチエイジングに関する商品
これらの市場が今後、アンチエイジング市場を牽引していくトレンドとなるかもしれません。
・細胞再活性化
「細胞再活性化」もポストアンチエイジングとして注目されているカテゴリーの1つです。
アンチエイジングとは老化に抵抗することですが、どんなに抵抗しても細胞の老化を完全に止めることは不可能。そのように、不可能なはずの老化を止めるアンチエイジングが細胞活性化です。
近年、老化のメカニズムの科学的な解明が遺伝子レベルで飛躍的に進んだことで、老化によって活性を失った細胞を再び活性化させて、若さと健康を保つことができることがわかってきました。
この細胞再活性化が、今後アンチエイジング医療市場や健康市場の主役となっていく可能性が予測されています。
また、ザクロ由来の「ウロリチン」という成分に、細胞再活性化に大きく関係するサーチュイン遺伝子とオートファジーの両方を活性化する働きがあることもわかってきました。そのため、この「ウロリチン」配合のアンチエイジング化粧品が、化粧品市場を牽引することになるかもしれません。
・有名セレブ愛用の最新アンチエイジング
有名セレブはアンチエイジングへの関心が高いため、有名セレブが行っているアンチエイジング法や機器が、トレンドとなることも少なくありません。
今後トレンドとなる可能性のある、セレブ御用達の最新アンチエイジングを下表にまとめました。
セレブ御用達の最新アンチエイジング | 概要 |
クライオセラピー | -120℃から-150℃の超低温環境を作る機器で超低温環境を作り出し、短時間に全身の冷却を行うことで血流がよくなり自然治癒力が高まるアンチエイジング法。疲労回復効果も期待できるため、有名セレブだけでなくスポーツ選手も行っています。 |
PRP再生医療 | 自分の血液から取り出した多血小板血漿(=PRP)を肌に注入して、血小板の成長因子が持つ組織修復能力を利用して肌を若返らせるアンチエイジング法。肌のシワやたるみを改善する効果が期待できます。 |
マイクロカレント(微弱電流)フェイシャル | 肌に特殊な微弱電流を流し、生体電流と共鳴させることで細胞を活性化させるアンチエイジング法。 |
ハイドラフェイシャル | 水流で皮脂を軟化させ、さらに毛穴の汚れや皮脂を除去しながら、肌に潤いを与えるアンチエイジング法。シワやクスミの改善に加えてニキビ肌の改善、しみや色素沈着の改善効果も期待できます。 |
これからのアンチエイジング市場はどうなっていく?
世界的にもアンチエイジングのどの市場も、今後は拡大すると予測されています。
例えば、Kenneth Researchは2021年11月15日に発刊した調査レポート「世界のアンチエイジング薬およびデバイス市場:世界的な需要の分析及び機会展望2030年」のなかで、下記のように発表しています。
”世界のアンチエイジング薬およびデバイスの市場規模は、2022年に47,000 百万米ドルの市場価値から2030年末までに75,471百万米ドルに達すると予測”
また、前述した株式会社グローバルインフォメーションの市場調査レポート「アンチエイジングの世界市場:分析と予測 (2021年~2026年)」では、下記のように予測しています。
”世界のアンチエイジング市場規模は、2021年から2026年の間に7.10%の年平均成長率を示し、2026年には883億米ドルに達する”
そのため、アンチエイジング市場の規模は、今後も好調が続きその規模はさらに拡大していくことでしょう。
まとめ
今回は、アンチエイジングの市場規模や最新トレンド、今後の展望などについて解説しました。
今後も好調が続き、さらに市場の拡大も予測されているアンチエイジング市場規模。本記事で紹介した内容以外にも、今後市場を牽引する可能性のある最新トレンドはたくさんあります。
そのため、アンチエイジング市場はこれからも注目すべき市場であることに間違いありません。
今後の動向に期待しましょう。
(TOP写真提供 = Esther Ann / Unsplash.com)
《参考記事一覧》
アンチエイジング製品の市場規模、2021年から2028年にかけてCAGR5.4%で成長すると予測(PRITIMES)
アンチエイジング市場規模は7080億円…インバウンド需要で好調(通販通信ECMO)
2020年アンチエイジング化粧品の市場分析調査(TPCビブリオテック)
ポストアンチエイジングの新潮流 老化の概念が変わる 健康寿命延伸の新たなキーワード、『細胞再活性化』(PRTIMES)
アンチエイジングのカギ「細胞再活性化」を助ける成分「ウロリチン」に注目!(OurAge)
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