自分の体づくりを考えたときに気になるのがBMI。標準値があることはよく知られていますが、一方で「BMIが標準でも太っている人もいて、本当の理想のBMIがわからない」という声も多くききます。
ここでは、BMIの標準値が示すものと男女年代別のオススメの理想値を解説。BMIが極端に低い場合に起こるリスクや、理想のBMIに近づく方法を体型別に紹介します。
【男女年代別】理想のBMIとは
BMIの数値が示す意味と計算方法、男女年代別の理想のBMIについて解説します。
BMIとは、「Body Mass Index(ボディマスインデックス)」の略で、肥満度を算出する指数のこと。計算方法は下記のとおりです。
BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m)
※身長の単位がmであることに注意
この計算式は世界共通ですが、標準値は国によって異なる数値が定められています。これは、人種や民族の違い、健康上のリスク要因の違い、文化的な背景などが影響しています。
日本肥満学会では、統計上、糖尿病などの生活習慣病に最もかかりにくい数値であるBMI22.0を標準値としています。ただし、この標準値以下であればすべてが健康ということではありません。健康診断などでの検査項目の1つとして、様々な病気の可能性に繋がる指標、と捉えると良いでしょう。
厚生労働省が令和元年に調査した男女別の年代ごとのBMI平均は下記の表のとおりです。それぞれのBMI値の傾向と注意点、理想のBMIを解説します。
<男女別・年代別BMI平均値>
年代 | 男性 | 女性 |
15-19歳 | 21.1 | 20.2 |
20-29歳 | 22.9 | 21.0 |
30-39歳 | 23.7 | 21.7 |
40-49歳 | 24.7 | 22.3 |
50-59歳 | 24.6 | 22.4 |
60-69歳 | 24.0 | 23.1 |
70歳以上 | 23.4 | 22.9 |
平均 | 23.8 | 22.5 |
令和元年国民健康・栄養調査報告 第2部 身体状況調査の結果 p115~p168 [PDF形式:1,210KB](https://www.mhlw.go.jp/content/000711007.pdf)p117より
男性の理想のBMIは20〜22
男性は30歳をすぎると、肥満の基準値であるBMI25に近づく傾向にあります。数値が上がる原因として、職場でのストレスや喫煙・飲酒、みだれた食生活などが挙げられますが、もし、今の時点で生活習慣病に関係した病のリスクがある人は、生活習慣を見直し、まずはBMI22を目指すといいでしょう。
スリムな体型を求めるなら、BMI20を目指すのがオススメです。男性は筋肉がつきやすい体質の人が多いもの。トレーニングで見た目に変化が出れば、モチベーションが上がって継続が期待できます。
女性はBMI19を理想とするのがオススメ
痩せた体型を目指す女性は、BMI19を維持するのが理想です。
ただし、無理なダイエットによる痩せすぎには注意が必要。トレーニングや栄養管理で体型を維持しているモデルでもBMIは18台とされています。BMI18.5を下回ると身体に異常が出てくるのでBMIが低くなりすぎないように注意が必要です。
体重が軽ければいいわけではない?BMIと体重の関係
前項で、BMIは男性で20~22、女性で19程度が理想であり、スタイルに気を使うモデルさんでも18台をキープしていると解説しましたが、BMIが低すぎると身体にどのような影響が出るのか、詳しく見ていきましょう。
見過ごされやすいBMI低値
BMIは身長と体重だけで計算するため、BMIが低値でも、コレステロールや中性脂肪などの数値が高い場合があります。健康診断などでBMIが高くならないよう注意する意識はあるものの、痩せすぎに関しては見過ごされがち。BMIが低すぎないかどうかにも注意をむけましょう。
女性はホルモンバランスに影響や低体重児のリスクも
女性の中には痩せれば痩せるほど良いと思っている人がいますが、BMI18.5を下回るような体重では栄養不足となり、ホルモンバランスが乱れたり、身体的、精神的に悪影響が生じます。また、将来低体重児が生まれる可能性が高くなりますので、女性の無理なダイエットは禁物です。
高齢者は様々な疾病の原因や感染に対する抵抗力の低下が懸念
高齢になると脂肪や筋肉量が減少し、自然とBMIは減っていく傾向にあります。しかし、BMIが18.4以下になると、体力低下による疲労の蓄積や免疫力の低下、口や舌の筋力が衰えることによる嚥下障害(えんげしょうがい)など、さまざまな病気を引き起こす可能性が生じます。
高齢者は標準値の22前後を維持することができるよう、無理のない運動としっかり栄養を摂ることが大切です。
高齢者になってから強度のトレーニングを始めることは難しいので、若くて体力のあるうちから日々運動をするようにするといいでしょう。また、体づくりのベースは良質なタンパク質をとること。食事で摂るのが難しい場合は、プロテインなどの補助食品をうまく活用することが長く健康でいられるポイントです。
理想の体型になるためにはどうしたらいい?
BMIは高すぎず、低すぎない値であることが大切、と説明してきましたが、理想のBMIを目指すためにはどうすればいいのか、体型ごとのアドバイスを紹介していきます。
BMIの数値だけでは理想の体になれない
BMIの数値には体脂肪率が含まれていませんが、体型を変えるにはこの体脂肪率が非常に重要です。
BMIが標準に入っていても体脂肪率が高ければたるんだ体型になりますし、筋肉がしっかりついていれば必然的に体重も重くなりBMI値は高くなります。
BMIと体脂肪率の関係について、スポーツクラブで用いられることが多い「高精度体成分分析装置(INBODY)」の結果一覧表をベースに作成したのが下記の表です。
BMI | |||||
高 | アスリート | ポッチャリ | 肥満 | ||
標準 | 筋肉型 | 適正 | ポッチャリ | ||
筋肉型スリム | スリム | かくれ肥満 | |||
低 | 痩せ | やや痩せ | |||
低 | 標準 | 高 | 体脂肪率 |
インボディ(Inbody)活用ブログ(https://inbody.info/blog/?p=270)より
BMIと体脂肪から理想の体型へ近づく方法をご紹介します。
ポッチャリ型
BMIと体脂肪率がともに高い傾向にあるので、食生活の見直しや、軽い運動からはじめましょう。食物繊維を多く摂ることは大切ですが、実は、食べる順番にも気をつけるのがポイント。食物繊維から食べることにより、血糖値が急激に上昇し、体脂肪が溜まりやすくなることを防げます。また、急に体重を落としすぎるのもリバウンドするのでオススメできません。1ヶ月で3〜5%以内が体重を減らす目安です。
かくれ肥満型
”かくれ肥満”とは、BMIは低いのに、体脂肪率が高い人。見た目ではわからないタイプで、内臓脂肪型肥満と呼ばれることもあります。一見スリム体型でも、内臓の周りにはびっしり脂肪がついていて、病気のリスクが高いのが子のタイプ。運動不足が原因であることが多いので、まずは軽いウォーキングからはじめるといいでしょう。
痩せ型
痩せ型は、BMIも体脂肪も低いタイプ。高齢になると痩せていることで様々な疾病のリスクが高くなるため、適正値に近づくように運動や栄養バランスに気を配るようにすると良いでしょう。ほどよい筋肉がつくことで、魅力的な体型になることが期待できます。
アスリート型
アスリート型は、BMIが高く体脂肪率が少ない、健康的なタイプ。日々の鍛錬の賜物ですが、オフシーズンや引退後などは体型維持に注意が必要です。筋肉は脂肪より早く分解されるため、ストイックなトレーニングをしなくなった途端、代謝が落ちてたるんだ体になりがち。負荷の軽いトレーニングを週2〜3回行い、健康な体を維持しましょう。
まとめ
理想の体型とBMIの関係について解説しましたが、いかがでしたでしょうか?
健康を維持するために重要なのは、単にBMIの数字を落とすことではなく、生活習慣や食事の見直しをしたり、適度な運動を行うこと。
また理想の体型になるためには、BMIだけでなく体脂肪との関係も見直す必要があります。
自身の現在のBMIや体脂肪率、体型を把握し、健康的に理想のBMIを目指しましょう。
(TOP写真提供 = Fuu J / Unsplash.com)
《参考記事一覧》
令和元年国民健康・栄養調査報告 第2部 身体状況調査の結果 p115~p168 [PDF形式:1,210KB]
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