二の腕(上腕三頭筋)は、腕の形を左右する大切な部位です。しかし、トレーニングしてもシェイプアップできない、鍛えても筋肉がつかないなど悩んでいる人は少なくありません。
そこでここでは、二の腕に効く筋トレの特徴や効果を出すポイント、おすすめの筋トレメニューについて解説していきます。
○二の腕に効く筋トレとは?
二の腕に効く筋トレは、上腕三頭筋に集中的に負荷をかけることができ、筋繊維の隅々まで刺激を与えられる二の腕専用のトレーニングです。
二の腕の引き締めや筋力アップのために筋トレをしてもほとんど変化がない場合、効いていないと判断できます。
二の腕は負荷のかけ方が難しい部位のため、次に解説するポイントを押さえながら筋トレを行うことが大切です。
○二の腕筋トレ・効果を出すポイント!
二の腕の筋トレでしっかり効果を出すためのポイントを解説します。いずれも重要なため、意識して筋トレを行うようにしましょう。
・可動域を広くする
筋トレ効果を出すためには、二の腕の筋肉全体に強い刺激を与えることが大切です。そのためには、筋肉が動く範囲(可動域)を広くする必要があります。
筋トレ中は筋肉が伸びた状態で負荷をかけることに加え、筋肉が縮んだ状態でも負荷をかけることを意識しましょう。
動きとしては、腕をしっかり曲げて伸ばすことを心がけるとよいです。
・適切な負荷とセット数、回数にする
適切な負荷とセット数にすることで、上腕三頭筋を構成する筋繊維の一本一本までしっかり刺激を与えることができます。
負荷の小さい筋トレは、筋繊維の多くが使われません。使われる筋繊維が少ないと、その分効果も小さくなってしまいます。
そこで重要になるのが、負荷の大きさとセット数、回数のバランスです。
連続で30回、40回とできる負荷ではなく、連続10~15回できる負荷を目安に休憩を入れながら複数セット行うことが大切です。
・複数の種目を行う
筋繊維をまんべんなく使うためには、1回の筋トレで複数の種目を行うこともポイントです。
1種目目で筋力を使い切ったと思っていても、2種目、3種目と異なる内容で筋トレすると余力が残っていることがわかるでしょう。
・筋肉への刺激を変える
毎回同じ種目を行うのではなく、ローテーションで2~3種目を行って筋肉への刺激を変えることも大切です。二の腕専用の筋トレを5種類程度できるようにしておくとよいでしょう。
また自分の体重を利用するだけでなく、ダンベルのような器具を用いても刺激を変えることができます。
筋トレに慣れてきたら、回数やスピード、インターバルなどに変化をつけるとさらに高い効果が期待できるでしょう。
・ストレッチやマッサージを併用する
筋トレの前後にストレッチやマッサージをすることもおすすめです。
筋トレ前にストレッチを行うことで、血流アップを助けてより高い負荷をかける状態にすることができます。また、可動域を広くしたりケガ防止に役立ったりもします。
筋トレ後のストレッチは、筋肉痛の軽減や疲労回復を早める効果が期待できます。
・食事と休養をとる
筋トレ効果を出すためには、食事と休養にも気を配りましょう。
食事では、筋肉の材料になるタンパク質を積極的に摂取することが大切です。肉類や卵などの動物性タンパク質、大豆やナッツ類などの植物性タンパク質をバランスよく食べましょう。
適切な休養をとることも大切です。
毎日筋トレしてしまうと、疲労が残ってしまい筋トレ効果が落ちることがあります。そのため、筋トレ頻度は週2~3回にとどめておくとよいです。
○おすすめの二の腕筋トレメニューをご紹介
二の腕に効かせるためのおすすめ筋トレメニューを5個紹介します。自分の体重を利用する種目に加え、ダンベルなどの器具を使った種目もあります。
・①リバースプッシュアップ
リバースプッシュアップは、床にうつ伏せになる腕立て伏せとは反対に、床に背中を向けて腕の屈伸を行うトレーニング方法です。
フラットベンチやイスを用意して、次の手順で行いましょう。
- ベンチに座る
- ベンチに両手をつきお尻を浮かせる
- 両足を前方に伸ばす
- 肘を曲げながら体をゆっくり下ろす
- 肘を伸ばしながら体をゆっくり上げる
筋トレのポイントは、二の腕に体重を預けながらしっかり肘を曲げて、お尻が床に着く寸前まで体を下ろすことです。
ただし負荷が高すぎる場合は、膝を曲げて足が着く位置を体に近づけてから行うとよいでしょう。
目安の回数は10~15回×3セットです。セット間のインターバルは1分ほどとりましょう。
・②ナロープッシュアップ
ナロープッシュアップは、手の幅を狭くして腕立て伏せをする筋トレ法です。
次の手順で行いましょう。
- 床にうつ伏せになる
- 両手のひらを床につけて体を浮かせる
- 親指同士がつく程度の手幅にする
- 肘を曲げながら体をゆっくり下ろす
- 肘を伸ばしながら体をゆっくり上げる
ポイントは、顔が床につく直前までしっかり体を下ろすことです。また手の位置をやや前方にして、体を下ろした際に顔が手につくようにすると二の腕に負荷がかかりやすくなります。
難しい場合は、親指同士をつけずに手幅を少し広くしたり床に膝をつけたりして負荷を小さくしてください。
ナロープッシュアップも10~15回×3セット行いましょう。
・③ダンベルキックバック
ダンベルキックバックは、器具を使って上腕三頭筋に負荷をかける種目の1つです。
ダンベルや水の入ったペットボトル、体を支えるベンチやイスを用意して、次の手順で行いましょう。
- 直立してダンベルを右手に持つ
- 上体が床と平行になるくらいまで前傾する
- ベンチに左手を当てて体を支える
- 上腕が床と平行に、前腕が床と垂直になるように右肘の角度を90度する
- 上腕を動かさずにダンベルを後方にゆっくり上げる
- ダンベルをゆっくり下ろす
筋トレのポイントは、しっかり前傾することと肘から先だけ動かすようにすることです。腕全体が動くと、二の腕ではなく背中の筋肉に効いてしまうため注意してください。
左右の腕を交互に10~15回×3セット行いましょう。
・④フレンチプレス
フレンチプレスも器具を使って行う二の腕トレーニングです。
座るためのベンチやイス、そしてダンベルを用意して次の手順で行いましょう。
- イスに座り両手で1個のダンベルを持つ
- ダンベルを頭の後ろに移動させ肘を曲げる
- 肘を伸ばしながらゆっくりダンベルを上げる
- ゆっくりダンベルを下ろす
ポイントは筋トレ中の姿勢をよくすることです。背筋を伸ばすことで上腕三頭筋をしっかりストレッチでき、筋肉全体に強い負荷をかけることができます。
なお、片腕で行って変化をつけることもできます。
10~15回×3セットを目安に行いましょう。
・⑤トライセップエクステンション
トライセップエクステンションもダンベルを使って行う上腕三頭筋の筋トレです。
ベンチとダンベルを用意して次の手順で行いましょう。
- ベンチに仰向けになり両手に1個ずつダンベルを持つ
- ダンベルを胸の前(真上)に上げ両腕を伸ばす
- 上腕を動かさずに肘を曲げながらゆっくりとダンベルを下ろす
- 肘を伸ばしながらゆっくりとダンベルを上げる
ポイントは肘を固定すること、そしてダンベルを下ろした際に親指を下にすることです。
なお、ベンチがない場合は床に仰向けになってもできます。
トライセップエクステンションは上腕三頭筋に効かせるのが難しいため、鏡などでフォームを確認しながら10~15回×3セット行いましょう。
○まとめ
二の腕は、高い負荷をかけられる二の腕専用の筋トレをしないと効きにくい部位です。
その際、複数の種目を行うほか、可動域や刺激の変化などポイントを押さえたトレーニングをすることが大切です。筋トレそのものではないものの、休養をとって筋肉を回復させることも重要です。
二の腕の引き締めや筋力アップなどが目的で効く筋トレをしたい方は、ぜひおすすめの筋トレメニューを日課にしてみてください。
(TOP写真提供 =Jonathan Borba / Unsplash.com)
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