アメリカや韓国・中国をはじめ、世界各国で競技人口が増加しているeスポーツ。
その収益の75%以上がスポンサー収入ですが、プレーヤーである若年層へのアプローチ手段としてeスポーツのスポンサーとなる企業も後を絶ちません。
eスポーツのスポンサーにはどのような企業がいるのか、また、eスポーツのスポンサーになるにはどどうすればいいのか、紹介します。
具体的な投資方法から実例まで紹介するので、ぜひ参考にしてください。
eスポーツに参入する企業が増加。その背景は?
eスポーツのスポンサーとなる企業が年々増加していますが、その企業の中にはこれまでゲーム業界とは無縁だった異業種の企業も多く見られます。
異業種の企業がeスポーツのスポンサーとして参入する理由は、eスポーツの競技人口が増えており、注目が集まっているため。
現在、eスポーツの競技人口は全世界で1億人を超えているといわれていますが、競技人口だけなく観戦者の数も年々増加しています。
そのため、多くの観戦者が見込める競技のスポンサーとなれば、自社ブランドの宣伝や広告効果が期待できると考えられているのです。
また、eスポーツは選手も観戦者も若年層が多い競技であり、eスポーツのスポンサーとなれば若年層に自社ブランドの宣伝・広告できる効果が期待されています。
どの業種でも若年層顧客獲得が大きな課題となっていることから、eスポーツのスポンサーとなり自社の認知度を高められるということは企業にとって大きなメリットといえるでしょう。
投資の方法は4タイプ
eスポーツのスポンサーとなって投資する場合、
- チームへの投資
- 大会への投資
- 施設への投資
- 海外への投資
の4つのタイプが挙げられます。
それぞれの特徴について、詳しくみていきましょう。
チームへの投資
eスポーツには複数のプロチームがありますが、プロチームに投資すれば、宣伝・広告効果の高いユニフォーム広告による自社ブランドのアプローチが可能です。
しかし、日本にはeスポーツのプロチームは少なく、1度スポンサーになってしまうと撤退することが難しいのが現状となっています。
大会への投資
大会への投資とは、eスポーツの大会のスポンサーになるという方法です。
現在、eスポーツのスポンサー契約をする際の主流となっている方法でもあります。
世界的にも、eスポーツ大会の投資に関わっている企業は多くありますが、大会のスポンサーになる理由として
- 期待できる宣伝・広告効果が大きい
- 参入や撤退が比較的簡単
という2つが挙げられます。
施設への投資
施設への投資とは、大会そのものではなく、大会が行われる会場やその近くに設置された店舗・ブース、REDEEのようなeスポーツの体験ができる施設などのスポンサーとなる方法です。
eスポーツの環境投資であり、チームや大会に直接投資するよりも参入や撤退が比較的容易とされています。
海外への投資
日本でも年々eスポーツ人気は上がっていますが、eスポーツが盛んな国と比較すると知名度はそれほど高くありません。
そこで検討したいのが、海外の大会やeスポーツのプロチームに投資すること。
海外の大会やプロチームに投資すれば、自社ブランドを世界規模でアプローチすることができます。
大きな宣伝効果が期待できる方法ですが、海外進出している企業でなければスポンサーになれないケースも少なくありません。
eスポーツのスポンサー企業
これまで、eスポーツのスポンサーといえば
- ゲームメーカー
- パソコンやゲーム機の周辺機器メーカー
- 動画配信サイトの運営企業
など、ゲームやeスポーツに直接関わっている企業がほとんどでした。
しかし、近年、自動車メーカーやアパレル、飲料・食品メーカー、製薬会社といった、eスポーツと関わりのない異業種企業のスポンサー参入が相次いでいます。
ここでは、
- 自動車メーカー「Honda」
- アパレルメーカー「ビームス」
- 飲料メーカー「コカ・コーラ」
- 通信事業者「KDDI」
- 食品メーカー「日清食品」
- 製薬会社「再春館製薬所」
という6つの企業について、見ていきましょう。
自動車メーカー「Honda」
Hondaは、eスポーツのスポンサーとして、大きな存在感を示している自動車メーカーです。
自動車業界は、世界的にも競合が激化しており、eスポーツをマーケティングに活用している企業も少なくありません。
Hondaは、2000年に設立したオランダと北米を拠点とする世界最大規模のeスポーツチーム「Team Liquid」と公式自動車パートナー契約を結んでいます。
アパレルメーカー「ビームス」
アパレルメーカーのeスポーツのスポンサー参入も増加傾向にありますが、ビームスも日本eスポーツ連合(JeSU)のオフィシャルスポンサーとして、日本代表選手へユニフォームの提供を行っています。
アパレルメーカーがスポンサーとして参入する場合、大会への協賛やユニフォームの提供、イベント開催などが、主なスポンサー内容となっています。
飲料メーカー「コカ・コーラ」
飲料メーカー大手の「コカ・コーラ」は、テレビ東京と電通の共同主催「Stage:0」という大会のスポンサー契約を締結しています。
「Stage:0」とは、高校生eスポーツ甲子園と呼ばれる高校生を対象としたeスポーツの大会であり、国内最大級の規模を誇るもの。
この「Stage:0」のスポンサーとなることで、10代~20代を中心とした若年層へのアプローチが可能となるといえるでしょう。
また、近年は、動画配信サイトの台頭でテレビをほとんど観ない人が増えていますが、本大会は動画配信しているため、テレビを観ない層へのアプローチにも繋がっています。
通信事業者「KDDI」
次世代通信技術「5G」時代に突入したことで、eスポーツへの積極的な投資をしているのが通信事業者ですが、その通信事業者のなかでも、先行してeスポーツに参入した企業が「KDDI」です。
KDDIは2017年3月、Sun-Genceが運営するプロeスポーツチーム「DetonatioN Gaming」とスポンサー契約を結び、日本eスポーツ連合(JeSU)のオフィシャルスポンサーにも加入しています。
食品メーカー「日清食品」
日清食品といえば、これまで数多くのスポーツに協賛してきた食品メーカーですが、日清食品は、2016年11月に開催したリーグ・オブ・レジェンドの「Logicool G Cup」に協賛したことをきっかけに、「EVO Japan 2018」にトップ・パートナーとして特別協賛するなど、いくつもの大会に協賛しています。
製薬会社「再春館製薬所」
ゲーム業界とは無縁の製薬会社である再春館製薬所のグループ会社「再春館システム株式会社」は、熊本事業所内に自社e-sportsチーム「LeGaime熊本」を保有しています。
また、株式会社カプコンが開催する、eスポーツイベント「ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2020」にリーグスポンサーとして参画しています。
まとめ
日本でも年々人気が高まっているeスポーツ。
異業種の企業がスポンサーとして参入する事例が増加しています。
本記事の内容を参考に、自社に合う参入方法を探してみてはいかがでしょうか。
(TOP写真提供 = rkl_foto / Shutterstock.com)
《参考記事一覧》
eスポーツ(イースポーツ)のスポンサーとは?参入企業増加の理由(ゲーム業界情報局)
[2020年版] 意外な企業が!?esportsに参入した日本企業(esports-DOGA)
あの一流企業も始めてる!? eスポーツにスポンサードしている代表的な日本企業 8社(esports-world)
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