サッカーをより楽しむために、フォーメーションに関する「知識を深めたい!」という方は多いのではないでしょうか。ただ、なんとなく観戦するのもいいですが、きちんとフォーメーションについて理解することで、より一層、サッカーの魅力に気づくことができるはずです。
本記事ではフォーメーションの種類や、その特徴を徹底解説。チーム戦術の核となるフォーメーションについて考察しながら、これまで違った視点でサッカーを楽しみましょう。
サッカーのフォーメーションとは?
スポーツにおけるフォーメーションとは、ピッチに立つ選手の「編成」を表しています。またサッカーにおいてチーム戦術の方針となるのが「陣形」です。
この陣形をベースに選手たちが連動して動くことで、自分の役割も明確になります。これにより、たとえ攻守が激しく入れ替わるような試合であっても、選手たちが混乱することなくプレーできます。
各ポジションの役割
サッカーのポジションには、おもに「ディフェンス(DF)」「ミッドフィルダー(MF)」「フォワード(FW)」の3つがあります。
それぞれの役割には「自陣のゴールを守る=DF」「中盤でボールを運ぶ=MF」「ゴールに向かって攻撃する=FW」があり、戦術次第でポジションや配置人数を変えていきます。
フォーメーションへの理解を深め、選手を配置する目的や意図を考えながら観戦することで、今まで以上にサッカーを楽しむことができるでしょう。
フォーメーションで使用する数字の意味
サッカー初心者が、フォーメーションを表す数字が理解しづらいという声をよく耳にします。
フォーメーションを伝える際は、左から「ディフェンダー(DF)」「ミッドフィルダー(MF)」「フォワード(FW)」の順に、配置する人数を割り当てます。例えば、DF4人、MF3人、FWの選手を3人配置する場合は「4-3-3」というように表記します。
ここで注意が必要なのが、「ゴールキーパー(GK)」は人数にカウントせず、フィールドプレーヤー10人が表記人数の対象になります。
フォーメーションと聞くと難しい印象を持たれがちですが、数字の意味を知っておくだけでスムーズに理解ができるようになるでしょう。
「フォーメーション」と「システム」との違い
「フォーメーション」は、ポジションのベースとなる配置を表したものです。一方、
「システム」は、攻撃や守備をおこなう上で選手の配置や、その配置から展開する際の型を意味します。これは、基本となる「フォーメーション」から攻撃や守備をおこなう際、試合展開に応じて変動する流動的な陣形となります。
例えば「4-4-2」を採用した場合、DFとMFをそれぞれ4人ずつ並べて、前線に2人のFWが配置されます。
この「フォーメーション」をベースとして、攻撃の場面では「4-2-3-1」、守備の場面では「4-4-1-1」といったように状況に応じて変化させていきます。
このように、試合の中で状況に応じて戦術を変更する戦い方は、現代サッカーおいてスタンダードとなっています。
フォーメーションの種類と戦術
フォーメーションには、シュートへの意識を高く持った「攻撃型」、失点しないよう守備への意識が高い「守備型」があります。
しかし、どうしてもそれぞれにメリット・デメリットがあり、一概にどのフォーメーションが良いとは言いきれません。
今回は、現代サッカーでは定番の”4バック”のフォーメーション3つをピックアップ。それぞれの種類と戦術をご紹介します。
「4-4-2」
現代サッカーにおいて最も多くのチームが採用し、基本型ともいえるフォーメーションです。
ピッチ上にバランスよく選手が置かれ、選手同士の距離が取りやすいのが特徴です。この効果としてゾーンディフェンスなど、組織的な戦術が行いやすいメリットがあります。
たとえば守備面において、相手のFWが狙うスペースを消すためには4人ずつDFとMFを配置するのが効果的です。
また攻撃面では、サイドバックの選手が積極的に攻撃参加しやすくなります。これにより、サイドからのクロスボールで相手DFの裏スペースを狙うなど、さまざまな攻撃パターンを可能にします。
「4-4-2」にはMFを横一列に置く「フラットシステム」や、ひし形に配置する「ダイヤモンドシステム」などがあり、試合状況に応じて使い分けができるメリットがあります。
一方デメリットとして、サイドバックが攻撃参加をすることで、前がかりにポジショニングするかたちになります。そこで、空いたスペースを相手選手に狙われる危険性があります。
さらに、ゾーンディフェンスをおこなう際に、マークの確認を怠ってしまうことでピンチを招いてしまう恐れがあります。
「4-3-3」
バランスの取りやすい「4-4-2」と比較して、「4-3-3」は攻撃型のフォーメーションとなります。
FWとMFの3人が定められた陣形でポジションを維持しながら、2人のFWがサイドのスペースを使った攻撃が有効になります。また、MFから前方へパスを出しやすいので、サイド攻撃やパスサッカーとの相性が良いのが特徴です。
そして、FWの守備面でのフォローやMFの攻撃参加により、前線からのプレスを効果的にかけることができます。そのため、試合の主導権を握ることに適したフォーメーションとなるのです。
デメリットは、三角形の陣形でできたスペースが相手チームに狙われやすいこと。これにより前線のプレスが機能しなくなり、相手にかわされてカウンター攻撃を受けてしまう危険性があります。
「4-2-3-1」
日本代が度々採用する「4-2-3-1」。攻撃的MF、守備的MFの2人のボランチを配置。ボランチとは攻撃の起点となる「司令塔」の役割を担うポジションです。
「4-2-3-1」は汎用性が高いので、状況次第で「4-4-2」や「4-3-3」へのシステムチェンジができる点が最大の特徴です。
攻撃面ではサイドバックをはじめ、サイドからの攻撃参加が可能に。前線のFWとMFの3選手がうまく連携することで、多彩な攻撃をおこなうことができます。
守備の際は2人のボランチを置くことで、サイドバックが攻撃参加する際には空いたスペースをケアできるので、組織的に守備をすることができます。
一方、デメリットとしてはFWが前線で孤立しやすく、相手のDFから厳しいプレッシャーを受けやすくなります。
さらにサイドの選手は、攻守の切り替えが増えることで運動量が多くなってしまいます。また、ボランチの選手の守備参加が増えることで、選手間に大きなスペースができてしまうということも。
その場合、攻撃や守備も機能できなくなるという危険性があることを理解しておく必要があるでしょう。
まとめ
一言に「フォーメーション」といっても、さまざまなバリエーションが存在します。試合の戦況や相手チームとの相性を見極め、臨機応変に最善の組み立てをする必要があります。
また、チームの特徴を活かした「フォーメーション」は、チームがどんなサッカーをしたいかを反映しています。
フォーメーションの特徴を理解し、試合中にチーム間でおこなわれている戦術やかけ引きなどを知ることで、より一層サッカーを楽しむことができるでしょう。
(TOP写真提供 = Lars Bo Nielsen / Unsplash.com)
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