スポーツ漫画がスポーツに与える影響とは|おすすめ作品を一挙紹介!

日本は漫画大国ともいわれますが、漫画が影響を及ぼすことも数多くあります。

なかでも、スポーツは人気の高いジャンルであり、漫画がブームになったことによってそのスポーツの競技人口が増えたケースも。

本記事では、スポーツ漫画の歴史やおすすめ作品などについて解説していきます。

ぜひ、最後までご覧ください。

スポーツ漫画の歴史

スポーツを題材とするスポーツ漫画。

  • 野球
  • サッカー
  • テニス
  • バスケットボール
  • 格闘技

などの人気スポーツを題材とする漫画が数多くあります。

また、麻雀や将棋、囲碁、チェスなどのマインドスポーツ(頭脳スポーツ)を題材にしたジャンルもスポーツ漫画として国民から愛されています。

スポーツ漫画が誕生した背景にあるのがオリンピック日本代表選手の活躍です。

1964年に日本で開催された東京オリンピックやその4年後に開催されたメキシコオリンピックをきっかけに、これまで知らなかったスポーツが広く知られるようになりました。 

漫画がきっかけとなってマイナーなスポーツを知ることも多くありますが、オリンピックをきっかけに、これまで注目されていなかったスポーツが漫画となることもあります。

その例として挙げられるのが、東京オリンピック2020で採用されたボルダリングを題材とした「壁ドン!」です。

この漫画の連載・発売により、ボルダリングとは何か、ということを知らなかったという人にも広くその競技が知られるようになりました。

スポーツ漫画が及ぼす影響

スポーツ漫画が題材となったことで、スポーツに及ぼす影響として

  • 競技人口を増やす
  • プロを目指す
  • マイナースポーツの入り口

ということなどが挙げられます。

スポーツ漫画がスポーツに及ぼす影響の1つとしてまず挙げられるのが競技人口の増加です。

いまや、メジャーなスポーツとして知られ、競技人口も多いサッカーやバスケットボールですが、実は、以前はどちらも人気がないスポーツでした。

この2つのスポーツが人気となったきっかけが「漫画」です。

1980年代にサッカー漫画を題材とした高橋陽一さんの漫画『キャプテン翼』を読んだ子供達の間でサッカーブームが起き、1990年代に井上雄彦さんのバスケ漫画『SLAM DUNK』によるバスケブームで、これらの競技人口が一気に増加したのです。

現在は、どちらのスポーツも国内のプロリーグが発足するなど、人気の高さがうかがえます。

漫画は、目から多くの情報を伝えることができるため、スポーツ経験者はもちろん、未経験者が読んでもそのスポーツの魅力が伝わりやすいもの。つまり、スポーツ漫画は報道の機会に恵まれにくいマイナースポーツの魅力を伝える入り口として、最適といえるでしょう。

スポーツ漫画についての研究

スポーツ漫画がスポーツ界に与える影響は絶大です。

スポーツ漫画がきっかけで、そのスポーツを始めたという方は数多く、その後、プロ選手にまでなったという方もいます。

また、スポーツを観戦するきっかけに漫画があることも多いことから、さまざまな側面からスポーツ漫画についての研究・調査が行われています。

産業能率大学の付属施設「スポーツマネジメント研究所」が、運動部経験者を対象に、スポーツを始めたきっかけについて行った調査(3万人対象:2012年5月15日~20日実施)がありますが、この調査ではスポーツを始めたきっかけがスポーツ漫画だった方の割合は

  • 野球:24.0%
  • テニス:39.4%
  • サッカー:36.9%
  • 水泳:0.0%
  • ソフトボール:8.0%
  • バレーボール:41.4%
  • スキー:0.0%
  • バスケットボール:22.5%
  • ゴルフ:4.9%
  • 卓球:0.0%

であったとしています。

0%のものもありますが、この調査からも漫画をきっかけにスポーツを始めた人が一定数いる、ということが分かります。

また、この調査では、スポーツを始めたきっかけとした主な理由として

  • 憧れの選手がいて影響を受けたから
  • 好きな漫画・アニメの影響を受けたから

ということが挙げられています。

スポーツ漫画がスポーツを始めるきっかけとなる、ということが証明されているといえるでしょう。

おすすめ作品の紹介

写真提供 = ACHPF / Shutterstock.com

ここからは、数多く存在するスポーツ漫画のなかから、おすすめの作品を紹介します。

灼熱カバディ

『灼熱カバディ』は、マイナースポーツのカバディを題材とした漫画です。

小学館がリリースするiOS・Android用漫画アプリ『マンガワン』や配信するWebコミック配信サイト『裏サンデー』で連載中。

カバディの知名度向上に貢献しており、この漫画を読んでカバディを知ったという方や実際に競技を始めたという方も多いようです。

ちなみに、2021年4月からは、テレビアニメ化も予定されています。

いわかける!!-Climbing Girls-

『いわかける』は、東京オリンピック2020からオリンピック競技に採用されているボルダリング(スポーツクライミング)を題材としたスポーツ漫画です。

CygamesのWebコミック配信サイト『サイコミ』において、2017年12月~2019年5月まで連載された後、現在は第2章『いわかける!!-Try a new climbing-』がサイコミで連載中です。

リアル

『リアル』は、『SLAM DUNK』の作者である井上雄彦さんが描く、車いすバスケットボールを題材とした漫画です。

週刊ヤングジャンプの1999年48号より不定期に連載しています。

東京パラリンピックの開催などをきっかけにパラスポーツにも注目が集まっていますが、パラスポーツに注目が集まる前からパラスポーツを題材とした数少ないスポーツ漫画の1つです。

東京パラリンピックに出場予定の車いすバスケットボールの選手・赤石竜我選手や森谷幸生選手、財満いずみ選手なども、この漫画をきっかけに車いすバスケットボールを始めたとされています。

まとめ

競技人口の増加や認知度アップなど、スポーツ漫画が与える影響は大きいもの。

これまで題材にされてこなかったスポーツに関する漫画が登場し、新たなブームを呼ぶかもしれません。

本記事で紹介した以外にも、数多くのスポーツ漫画があるので手に取ってみてはいかがでしょうか。いかがでしょうか。

(TOP写真提供 = Horth Rasur / Shutterstock.com)


《参考記事一覧》

競技人口におけるスポーツマンガの影響(マンガファクトリー)

スポーツ漫画で部員は増えたのか?(Hatena Blog)

運動部経験者に尋ねたスポーツを始めたきっかけ(スポーツマネジメント研究所)