筋肉エネルギーとして大切な成分が含まれているBCAA。アスリートからダイエッター、健康維持のために運動する人など、すべての方にオススメです。今回は、BCAAとプロテインの違いとBCAAの効果、オススメの飲み方や選び方について解説します。
BCAAとは
プロテインに次いで注目されているのがBCAA。ここでは、トレーニングの際に大切な役割を果たすBCAAの特徴と、プロテインとBCAAの違いについて解説します。
BCAAとは3つの必須アミノ酸の総称
体の筋肉を作るタンパク質は20種類のアミノ酸で構成されており、そのうち体内で作り出すことができず、外から摂らないといけない「必須アミノ酸」が9種類あります。
必須アミノ酸である「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」の3つのアミノ酸は筋タンパク質の約35%を占め、筋肉を増やしたりトレーニングしたりする際に深く関わっているといわれています。
この3つのアミノ酸をBCAAまたは分岐鎖アミノ酸といいます。Branched Chain Acidsの略称で、分子構造が2つに分かれて鎖状でつながっているためそう呼ばれています。
BCAAとプロテインの違い
BCAAと同じく、トレーニング時に摂取するサプリメントとしてあげられるプロテイン。筋肉を維持したり増やしたりする際に必要である点はどちらも変わりはなく、違いは吸収スピードです。
プロテインとはつまりタンパク質のこと。タンパク質は体の中に入ってから消化、分解されたのちに体内に吸収されるため、摂取してからゆっくり時間をかけて吸収されていきます。
筋肉の合成はもちろん、髪や皮膚、爪などの組織を作る材料としても使われます。
一方、BCAAはタンパク質の最小単位のため消化の必要がなく、すぐに吸収がはじまります。さらにBCAAは筋肉で代謝が行われ主に筋肉づくりに活用されるため、筋疲労や筋肉増強という点でより効果があるといわれています。
プロテインとBCAAは、それぞれの吸収スピードやトレーニングの目的に合わせて選ぶのが効果を高めるコツだと捉えましょう。
BCAAにはどんな効果があるの?
筋肉づくりに深い関係があるBCAA。次に、BCAAを摂取することで得られる3つの効果を紹介します。
筋肉の合成
多くのアミノ酸は肝臓を経由して代謝され、髪や皮膚、爪など体の組織を作るなどさまざまな部位や目的に分けられて使用されますが、BCAAは肝臓では代謝されずに筋肉まで直接届きます。よって筋肉づくりのために活用される可能性が高く、筋合成という目的に使われやすいアミノ酸だといわれています。
特に、BCAAのひとつであるロイシンは筋肉の合成に大きく関わっているといわれており、筋タンパク質を合成するスイッチを押すような役割や、エネルギーを筋肉に運ぶ働きも担っています。
筋肉の分解を抑制
運動をすると筋肉の糖や脂質が分解され、それがエネルギーとなります。もし筋肉の糖や脂質でエネルギーが確保できなかった場合は、筋肉を分解させることでエネルギーを生み出そうとしはじめます。筋トレをすることで、筋肉を分解してしまう可能性があるということです。
そこで吸収スピードの早いBCAAの摂取が有効です。分解や吸収に時間がかかるタンパク質と違い、BCAAは摂取するとすぐに吸収が始まり、エネルギーとして使われ始めます。よって、トレーニング中や直後にBCAAを摂ると、筋肉の分解を抑制できるといわれています。
疲労の回復をサポート
BCAAには2つの面から疲労回復のサポートをする効果があるとされています。まずは、セロトニンの抑制。中枢性の疲労物質であるセロトニンを脳に届けることを緩和し、疲れを感じにくくさせるといわれています。
また、エネルギーを作るために糖を分解すると乳酸が生まれて体の酸化がすすみ、集中力やパフォーマンスの低下につながります。BCAAは乳酸を生まずエネルギー源として使われるため、乳酸の血中濃度の上昇を抑えられるということが確認されています。
脳と体の両方から疲れにくい体を作ることができるのがBCAAのメリットです。
BCAAの効果的な飲み方・選び方も解説!
最後に、BCAAの特徴を活かした効果的な飲み方と、選び方を解説します。オススメのBCAAも紹介します。
BCAAの効果的な摂取のタイミング
BCAAの効果を効率的に発揮させるには、摂取するタイミングも重要です。
起床時
睡眠時は血中アミノ酸濃度が低下しタンパク質が分解されやすくなっているため、起床時は体内のエネルギーが枯渇した状態になっています。BCAAは飲んですぐに血中アミノ酸濃度を上げることができるので、筋肉をエネルギーに使うことを防ぎ分解を抑制できます。
トレーニング中
トレーニング中は体内の糖や脂質がエネルギーとして使われていきます。それらを使い切ってしまうと筋肉の分解がはじまるとともに、血液中のセロトニン濃度が高くなれば疲労の蓄積や集中力が低下する原因にもなります。BCAAをこまめに補うことでトレーニング中のパフォーマンスを高い状態で保つことができます。
トレーニング直後
ゴールデンタイムと呼ばれる、トレーニング終了後30分以内に摂取するのがおすすめ。運動で壊れた筋肉に栄養がダイレクトに運ばれ、筋肉を修復する材料として使われることで超回復が期待できます。
BCAAの選び方
BCAAを選ぶときは自分の好みやコスパを考えて購入しましょう。
粉末タイプ
吸収率が最も高く、コスパが良いのが特徴です。直接口に含んで水で飲み流すタイプと、
シェイカーなどに入れて水に溶かしてから飲むタイプがあります。
粉末が喉に貼りついて飲みにくいと感じる人は、水に溶かしてから飲むと良いでしょう。水分も一緒に摂取できるのもトレーニング時には時短になりオススメです。
錠剤・カプセルタイプ
吸収速度は粉末と変わりませんが、水に溶かす手間が省けるのがポイント。ただし粉末タイプより高価格設定の商品が多いため、粉末タイプと用途を使い分けたり、コスパができるだけ良いものを探してみるとよいでしょう。
ドリンクタイプ
水分も一緒に摂りたい人や、粉末やタブレットが飲みにくいと感じる人にはドリンクタイプがオススメです。各メーカーから販売されているドリンクにはBCAAの他にクエン酸なども含まれている商品も多いので、よりトレーニングしやすく栄養補給がおこなえます。
ただし一度に摂れるBCAAの含有量は他のタイプより少ない傾向にあります。
オススメのBCAA
オススメのBCAAを3つ紹介します。ぜひ自分の好みに合わせて選んでみてください。
エクステンド BCAA
1回の摂取でBCAA7000mgと高品質のサプリメントです。グルタミンやシトルリンなども含まれており、体作りを厚くサポートします。無糖なのにフレーバーのラインナップが豊富で、飽きずに飲み続けられます。コスパも良く、多くのトレーナーに愛用されています。
オプティマムニュートリション BCAA 1000
カプセルタイプのなかでは比較的コスパの良い商品です。1回2粒でBCAAを1000mgを摂取できます。大容量ボトルを購入すれば数ヶ月持ちますので、長期間に渡ってBCAAをカプセルで飲みたい人や、摂取時のカロリーを抑えたい人にオススメです。
アミノバリュー 4000
粉末やカプセルでは飲みにくいという人にオススメ。500mlのドリンク1本でBCAA4000mgを摂れるため摂取量は落ちますが、クエン酸も含まれているので手軽にBCAA摂取をはじめたい人は選んでみると良いでしょう。カロリーも控えめに作られているので、ダイエットしたい人にも良い商品です。
まとめ
トレーニングにとても大切なBCAA。すぐに吸収して筋肉の合成を手助けし、疲労回復もサポートしてくれる、トレーニングで頑張るすべての人の強い味方です。自分の目的や用途に合わせて摂取しながらトレーニングの効果を高め、理想の体を手に入れましょう。
(TOP写真提供 =LyfeFuel / Unsplash.com)
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