ダイエットビジネス、課題と注目の分野は?

ダイエットは女性にとって関心の的ではありますが、男性にもコロナ禍でのテレワークの拡大による運動不足や食べ過ぎによって注目されています。それに伴い、関連するダイエットビジネスが伸びていますので、ダイエットビジネスとは、ダイエットビジネスの課題、ダイエットビジネスのこれからの注目の分野について紹介しましょう。

○ダイエットビジネスとは?

日本におけるダイエットビジネスとは、およそ2兆円規模の市場があり、内訳は①フィットネス市場4,200億円、②健康管理市場1,700億円、③ダイエットサプリメント市場6,200億円、④医療市場(保険適用外の健康診断、人間ドック、美容外科、痩身エステ等)1兆円となっています。それぞれの市場の特徴を説明します。

 ①フィットネス市場とは

フィットネス市場には各種ジムがあり、カテゴリー分けすると、

 ・老舗フィットネスジム 〜コナミ、セントラル、ルネサンス、ティップネス(主に総合スポーツセンター)

 ・新興系ジム 〜カーブス、ジョイフィット、エニタイムフィットネス(専門系スポーツジム)

 ・プライベートジム 〜ライザップ(ダイエット専門ジム)

 に分けられます。

 ・ライザップの特殊性

ジム業界では、ライザップのビジネスモデルがユニークと言われています。2003年に創業、当初はダイエット食品の販売から始め、2012年に始めたマンツーマンのフィットネス事業で軌道に乗りました。通常ジム運営会社の広告宣伝費は売上げの約5%が一般的ですが、ライザップは20%に近い広告宣伝費を使っています。これはかつてスポーツシューズのナイキがマーケティングに使った手法で、人気選手を広告塔に先行投資で広告を打つことでブランドイメージを確立し、商品を販売していくという手法に似ています。ただ、商品を売るのと違い、ライザップは社長の「人は変われる」という哲学のもと、ジムとして結果にコミットし、お客さまが30日間で満足いかなかった場合は全額返金する、という思い切った手法を使ったところにも成功の鍵があったと考えます。

 ・フィットネス産業の将来性のキーワード

将来性のキーワードは、以下が挙げられます。

・専門性、パーソナル 〜ダイエット専門でプライベートジムのライザップ、女性専用のパーソナル指導のカーブス、加圧トレーニングジムなどが人気です。エリアとしては、低価格で地域のコミュニケーションの場となる小規模施設に人気があります。

 ・疾病予防サービス、リハビリ、メディカル 〜超高齢社会を見据え、要介護になる前のフレイルという虚弱の状態を如何に予防していくか、介護保険の一部改正により、地域で自立した生活ができるための施設に民間施設が加われることになりました。

 ・リラクゼーション 〜中高年者の休養ニーズに合わせて「天然温泉」スーパー銭湯が併設するフィットネス施設が増加しています。

 ②健康管理市場とは

健康管理市場とは、体重計などのセルフケア健康機器や、特定保健指導サービス、ルームランナーなどのフィットネス機器の市場です。インターネットの普及やスマートウォッチなどのパーソナルでウエアラブルな機器の普及により、健康管理のデータが継続的に蓄積できることで推移を見たり、個人的なアドバイスを得られる機会が増えています。 

③ダイエットサプリメント市場とは

ダイエットサプリメント市場とは、トクホと言われる特定保健用食品を柱に、ダイエット食品、サプリメントなどの栄養機能食品の市場です。2015年に食品表示の規制緩和により「機能性表示食品制度」が誕生し、科学的根拠を消費者庁に届け出ることで食品パッケージに表示ができるようになりました。

 ④医療市場(保険適用外)とは

予防医療である健康診断や人間ドック、脂肪吸引や溶解等の美容外科、痩身エステなどが入ります。2014年に「指先自己採血検査」が解禁され、簡易健康診断という新たなジャンルが生み出されました。ダイエットに関わる中性脂肪やコレステロール、血糖値などからダイエット診断やアドバイス、食事指導や運動指導に広がる可能性を秘めています。

 ○ダイエットビジネスの課題

・ダイエットのキーワードは「トレーニング」「食事管理」「継続」

ダイエットは、消費カロリーを増やす「トレーニング」、摂取カロリーを減らす「食事管理」、「継続」のための工夫が重要です。

 ・ダイエットビジネスの課題

ある会社が、Webの行動ログ分析ツールを使って調べたところ、コロナ発生直後の2020年4月〜5月にかけて「ダイエット」を検索した伸びが著しかったことが分かりました。

 性別別では女性が7割近く、年齢層では20〜40代が多いのですが、その傾向はコロナ前でも変わりませんが、全体的に検索数の増加が見られました。

 また、検索ワードで調べると、「ダイエット」と一緒に検索されるワードは「コロナ」や「コロナ太り」、「テレワーク」や「在宅」「マンション」などが多く、コロナをきっかけにリモートワークが増えたことで、ダイエットに関する関心が高まった様子がこれからも分かります。

 ダイエットの中心は「運動・トレーニング」と「食事管理・インテイク」です。検索ワードの「筋トレ」「ウォーキング」、「プロテイン」の傾向を分析したところ、 筋トレは2020年4月〜5月にかけて急増、一旦減少するが緩やかに増加。男性の検索が6割近くあるが、女性の検索が増えており、年齢も20歳代が最も多く、若年向けのダイエット方法であることが分かります。

 一方でウォーキングは、40才代が最も多く25%になるが、50才代も約15%を占めていて、中年層に人気があることが分かります。

プロテインは筋肉を効率よく成長させるに欠かせないサプリメントで、筋トレとセットで摂られることが多いです。コロナ発生後は、検索結果が男女比逆転し、女性の検索が増えています。女性のプロテインへの関心が増えていることを示しています。

 プロテインについては、人気テレビ番組での紹介や、そこでの女性による紹介が流行に敏感な女性に影響を与えているようです。

 SNSでの広がりを見てみると、トレーニング方法が視覚化され分かりやすいYouTubeの検索数が増えたり、影響力のある女性YouTuberの紹介があったりで「ダイエット」の検索が増えているようです。

 特に「宅トレ」を発信する女性YouTuberのチャンネル登録数が、コロナ前に比べ30倍に増えている事実を聞くと、SNSが発信する情報の影響が非常に大きいことが分かります。

 ○ダイエットビジネス、これから注目の分野は

写真提供 =Szabolcs Toth / Unsplash.com

キーワードの「トレーニング」と「食事管理」について、注目の分野を紹介しましょう。

 ・「トレーニング」の注目分野

 トレーニングアプリ

ダイエットのキーワードの「トレーニング」と「継続」を叶えてくれるアプリが多く見られます。利用者の希望に合わせて豊富なトレーニングメニューを提示してくれて、日々継続させてくれる工夫もあり、使わない手はないでしょう。インターネットを通じてアドバイスを受けられるようなアプリもあります。

 スマートウォッチ

パーソナルなウエアラブルの機器なので、歩数や心拍数などの毎日の活動記録を保存でき、インターネットを通じてデータを送信、プロのダイエットのアドバイスをもらうようなことが行われています。

 自宅での「宅トレ」

テレワークが増えたことで、自宅でのダイエットには機械を使わず、マンションなどでは隣人に迷惑がかからないような自重トレーニングなどの「宅トレ」が人気です。SNSでの影響力のある人物の発信が拡散していく例が見られます。

 ・「食事管理」の注目分野

 ダイエット食

炭水化物を中心に糖質を制限し、タンパク質を増やすというカロリーダウンの食事がダイエットには欠かせません。玄米や全粒粉、ふすまといった茶系のホールフードがダイエットに効果的という食事術も紹介されています。

ファスティング(断食)

酵素ドリンクなどを飲んで内臓を休ませ、体内の毒素を出すデトックスをしながら何日かダイエットする、というものです。断食までは行かない「置き換えダイエット」も人気で、1食分をヨーグルトやチアシード、酵素ドリンクに置き換えるダイエットです。

 遺伝子ダイエット

遺伝子検査で太りやすい原因を探り、その結果で自分に最も効果的なダイエット方法を知るというものです。遺伝子のタイプで糖質を制限すべきか、脂質を制限すべきかが判断します。

 ARダイエット

AR(拡張現実)を使って食べ物を大きく見せ、脳にたくさん食べたと錯覚させることで早く満腹感を得るというダイエット方法です。今後AI(人工知能)を使ったダイエット方法も登場することでしょう。

 ○まとめ

ダイエットビジネスについて、市場規模とこれからの課題や注目分野について紹介しました。

 この分野では、ITと結びついての今後の発展が期待されます。どういう形でITとダイエットを結びつけてゆくか、今後の関連企業の動きが注目されます。

(TOP写真提供 = I Yunmai  / Unsplash.com)


《参考記事一覧》

『ダイエットビジネス、フィットネス産業、今後伸びる業態の方向性や特徴は?』 (プロフィットジャパン)

【糖質制限の次は?】ダイエット市場の歴史と消費者意識を知れば、新商品プランが見えてくる! (Marketing Reseach Camp)

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