インナーマッスルの効率的な鍛え方を紹介!

筋トレと言うと、「大胸筋」「上腕二頭筋」「腹直筋」などの見た目にわかりやすく、成果が出やすいアウターマッスルを鍛えがちです。

しかし、こうしたアウターマッスルだけでなく、体の奥にある「インナーマッスル」も鍛えたほうが、バランスの良い肉体を作れます。

この記事では、インナーマッスルの役割や、効率的な鍛え方を説明していきます。

インナーマッスルとは

「インナーマッスル」とは、体の内側にある筋肉のことで、「深層筋」とも呼ばれています。逆に体の表面にある筋肉は、「アウターマッスル」と呼ばれています。

インナーマッスルは「体幹筋」と混同されることもありますが、両者は別のものです。体幹筋は、胴体部に位置している筋肉を意味しています。インナーマッスルは体の奥の筋肉という意味ですので、腕や足にもインナーマッスルはあります。

インナーマッスルとアウターマッスルの特徴

インナーマッスルは比較的小さな筋肉の塊で、持久力の高い「赤筋」の割合が多い筋肉です。体を動作させるというより、「姿勢の保持」「関節の安定」といった役割を果たしています。またインナーマッスルは、「呼吸」や「内臓」の働きにも関わっています。

アウターマッスルは大きな筋肉の塊で、瞬発力の強い「白筋」の割合が多い筋肉です。スポーツなどで体を動かす時に、おもに働くのがアウターマッスルです。

インナーマッスルの種類

体幹のインナーマッスルには、次のようなものがあります。

  • 腹横筋(ふくおうきん)
  • 多裂筋(たれつきん)
  • 横隔膜(おうかくまく)
  • 骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)

肩のインナーマッスルには、次のようなものがあります。

  • 肩甲下筋(けんこうかきん)
  • 棘上筋(きょくじょうきん)
  • 棘下筋(きょくかきん)

股関節のインナーマッスルには、次のようなものがあります。

  • 腸腰筋(ちょうようきん)
  • 小殿筋(しょうでんきん)
  • 大腿方形筋(だいたいほうけいきん)

インナーマッスルを鍛えるとどのような効果があるの?

インナーマッスルを鍛えると、次のような効果が期待できます。

  • 基礎代謝の向上
  • 運動能力の向上
  • 姿勢やスタイルが良くなる
  • 体調の改善

では、詳しく見ていきましょう。

基礎代謝の向上

筋肉はエネルギー消費量が多いため、インナーマッスルを鍛えると基礎代謝が向上します。基礎代謝は、体を動かさなくても常に消費していくエネルギーですので、基礎代謝が高まるほどダイエット効果も高まります。

インナーマッスルは、「赤筋」の割合が多い筋肉だというのもポイントになります。瞬発力の高い「白筋」は、動かすためのエネルギーに「糖質」を多く使います。しかし持久力の高い赤筋は、動かすためのエネルギーに「脂肪」を多く使います。

そのため、赤筋が多いほど脂肪が減りやすく、痩せやすい肉体になっていきます。

ただし、インナーマッスルは小さい筋肉だということには注意が必要です。単純な筋肉の量ではアウターマッスルの方が多いため、インナーマッスルだけ鍛えれば痩せる、というものでもありません。

痩せたいなら、インナーマッスルとアウターマッスルをバランス良く鍛えることが大切です。

運動能力の向上

体を動かす大きな力は、アウターマッスルから出ています。しかしインナーマッスルがまったく運動に関わっていない、というわけではありません。

インナーマッスルは、関節の動きを安定させたり、体のバランスを取ったり、運動時のアウターマッスルのサポートをしてくれます。

そのためインナーマッスルを鍛えると、体の軸が安定し、さまざまなスポーツにも好影響を期待できます。

姿勢やスタイルが良くなる

胴体部のインナーマッスルは、内臓を支える役目を果たしています。そのため、インナーマッスルが弱いと、胃や腸などの内臓の位置が下がり、だらしない体つきになってしまいます。

逆にインナーマッスルを鍛えると、しっかりと内臓が支えられ、美しい「スタイル」が手に入ります。

また、インナーマッスルは「姿勢」にも関わっています。よく、猫背の人は背筋が弱いから姿勢が保てないと言います。これ自体は、完全に間違っているというわけでありません。

しかしアウターマッスルである背筋は、瞬発力が強い白筋が多いため、長時間に渡って力を出し続けるのには向いていません。

つまり、持久力のある体幹部のインナーマッスルも合わせて鍛えると、背筋を伸ばした美しい姿勢を長時間保てるようになるわけです。

体調の改善

インナーマッスルは、内臓の周りを支えて、正常に機能する助けもしています。頻尿や尿もれ、便秘などの内臓関係の不調は、インナーマッスルの弱さが影響していることがあります。

そのため、インナーマッスルを鍛えれば、体調の改善効果も期待できます。

また、体幹部のインナーマッスルが強くなれば、体が安定し、腰痛防止にも役立ちます。

インナーマッスルの効果的な鍛え方

写真提供 =bruce mars/ Unsplash.com

筋トレと言うと、ダンベルやベンチプレスなど、強い負荷をかけた運動が思い浮かびます。しかしこうしたトレーニングで鍛えられるのは、おもにアウターマッスルです。

インナーマッスルを鍛える場合は、激しい運動をしたり、強い負荷をかける必要はありません。深呼吸をしながら、ゆっくりと体を動かすだけで鍛えられます。また、疲れを感じるまで長時間のトレーニングをおこなう必要もありません。

このようなことから、通常の筋トレのように、「超回復」を見越して、トレーニングの間隔を空けなくても問題ありません。「毎日継続」してエクセサイズをおこなうのが、インナーマッスルを鍛えるコツです。

インナーマッスルを鍛えるのに有効なのは、次のようなエクササイズです。

  • ドローイン
  • プランク
  • バードドッグ

では、詳しく見ていきましょう。

ドローインのやり方

「ドローイン」は、呼吸法によってインナーマッスルを鍛えるエクササイズです。ドローインは、次のような手順でおこないます。

  1. 仰向けに寝転がる
  2. 膝を立てる
  3. ゆっくりと息を吐きながらお腹を凹ませる
  4. お腹を凹ませた状態を保ちながら呼吸をおこなう(30秒)
  5. 力を抜いてお腹をもとに戻す

最初はお腹に手を当てると、お腹が凹んでいる感覚がわかりやすいでしょう。また、お腹を凹ませる時に、腰はそらさないようにしてください。

ドローインは、座った状態や立った状態でおこなっても効果があります。寝た状態以外でもドローインをできるようになれば、場所をとらず、ちょっとした空き時間にもインナーマッスルのトレーニングができるようになります。

プランクのやり方

「プランク」は腹筋を中心とした体幹を鍛えるトレーニングですが、インナーマッスルにも効果があります。プランクは、次のような手順でおこないます。

  1. 四つ這いになる
  2. 両肘を床に付ける
  3. 拳も床につけて、前腕部が床に付く状態にする
  4. 足を伸ばし、つま先だけが床に付いている状態にする
  5. 30秒程度キープする

プランクは見た目よりもずっとキツいトレーニングですので、おこなうのが難しいという人もいるかもしれません。そういう場合は、肘ではなく、手のひらを床に付ける「ハイプランク」を代わりにやってみましょう。

バードドッグのやり方

「バードドッグ」の手順は、次のとおりです。

  1. 四つ這いになる
  2. 右足と左手を同時に上げてキープ(10秒)
  3. 右足と左手を下ろす
  4. 左足と右手を同時に上げてキープ(10秒)
  5. 左足と右手を下ろす

単純な動作ですが、最初はバランスを取るのが難しいかもしれません。体の軸がぶれないように、バランスを保っておこなってください。

まとめ

インナーマッスルは、体の奥にある小さい筋肉です。しかし、内臓を支えたり、体のバランスを取ったり、関節をスムーズに動かしたり、と大きな働きをしています。

インナーマッスルを鍛えると、「運動能力向上」「基礎代謝向上」「姿勢が良くなる」「体調が良くなる」など、多くの効果を期待できます。

インナーマッスルを鍛えるには、「ドローイン」「プランク」「バードドッグ」などが有効です。鍛えやすい部分だけでなく、インナーマッスルにも目を向けてみてはいかがでしょうか。

(TOP写真提供 =Olivia Bauso/ Unsplash.com)


《参考記事一覧》

インナーマッスルの鍛え方 | (健康長寿ネット)

インナーマッスルの効果的な鍛え方|深層筋を引き締めるトレーニングとは

インナーマッスルの鍛え方|(深層筋に効く効果的な体幹トレーニング Fungoal)

猫背と筋肉 | (うしお接骨院)

白筋と赤筋、どちらの筋肉を鍛えていますか? - (ダイエットラボ)

楽トレとは?インナーマッスルとの関係やその効果について | (こころ整骨院 北千住(2院合同))

筋肉・赤筋・白筋 | (健康長寿ネット)

ンナーマッスルとは | (健康長寿ネット)

インナーマッスルとは。効果的な鍛え方とトレーニングメニュー[トレーナー解説](MELOS)

カラダの軸を作るためのインナーマッスル ~効果的なトレーニング~ | (ぜんしん整形外科 スタッフブログ)

インナーマッスルを鍛えるとどんな効果が得られるの? | (Well-being Guide)