皮膚のすぐ下につきやすい脂肪の代表格といえば、皮下脂肪です。
皮下脂肪は、「見た目にすぐ分かりやすい」「男性より女性がつきやすい」などの特徴が挙げられます。
また、内臓脂肪と比べて落としにくいということも特徴の1つ。そのため、皮下脂肪の落とし方を知りたいという方もいることでしょう。
本記事では、皮下脂肪の効果的な落とし方に加えてどうしてついてしまうのか、また多くつくとどんなことが起きるのか解説しています。
薄着になるシーズンにむけて、皮下脂肪をどうにかしたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
皮下脂肪はどうしてついてしまうのか
気づかないうちに体の皮下脂肪がついてしまうことで、悩みを抱えている方もいることでしょう。
どうして、気づかないうちに皮下脂肪はついてしまうのでしょうか。
ここでは、皮下脂肪がついてしまう原因について解説します。
皮下脂肪の落とし方の前に、まずは発生するメカニズムから、詳しくみていきましょう。
・脂肪が発生するメカニズム
そもそも、脂肪はどんなメカニズムで発生するのでしょうか。
体には、脂肪細胞と呼ばれる細胞が存在しています。
脂肪細胞とは、細胞質内に脂肪滴を有する細胞のことで、下記の2種類が挙げられます。
- 単胞性脂肪細胞(白色脂肪細胞)
- 多胞性脂肪細胞(褐色脂肪細胞)
2つ脂肪細胞の役割は異なっており、白色脂肪細胞は余分なエネルギーを脂肪として保存することが役割。保存した脂肪がエネルギーとして消費できていなければ、細胞内に蓄える脂肪が増えます。
そうなれば、細胞が肥大します。また、この脂肪細胞は、体のさまざまな部位に存在しています。
そして、皮下組織にある脂肪細胞が肥大化したのが皮下脂肪。さらに内臓内やその周囲の組織にある脂肪細胞が、肥大化したのが内臓脂肪です。
それに対して、皮下組織は全身にあるため皮下脂肪は全身につきますが、「下腹」「腰回り」「二の腕」「お尻」「太もも」などの部位が特につきやすいといわれています。
・皮下脂肪が発生する理由
皮下脂肪も内臓脂肪も発生する根本的な原因は、蓄積された脂肪をエネルギーとして消費できていないことが原因です。
そんな蓄積された脂肪をエネルギーとして消費できていない理由として考えられるのが、下記の6つです。
- 食べ過ぎ
- 運動の習慣がない
- 炭水化物や脂質の摂り過ぎ
- アルコールの飲み過ぎ
- 筋肉量が少ない
- 代謝が低い
食べ過ぎによる摂取カロリーは多く、健康にもよくありません。また、運動の習慣がなければ、カロリーも消費されにくいです。
体をある程度動かしているのに皮下脂肪が増える場合、1度の食事で炭水化物や脂質の量が多い可能性があるため、注意が必要です。
ちなみに、アルコールも、下記のように高カロリーです。
- ウイスキーシングル(約30ml):約70kcal
- ワイングラス1杯(約100ml):約70kcal
- チューハイ・カクテル1缶(約350ml):約90~200kcal
- ビール 中ジョッキ1杯(約500ml):約200kcal
- 日本酒1合(約180ml):約200kcal
代謝(基礎代謝)とは、生命維持のために何もしない状態でも消費している必要エネルギーのこと。筋肉は動かすことでエネルギーを消費するため、筋肉量が多ければそれだけ多くのエネルギーが使われます。
また、冷え性の方は皮下脂肪がつきやすいといわれていますが、それは体温が低いことで代謝が低下しやすく、筋肉量が少ないことで体温が低いためです。
・皮下脂肪が落としにくい理由
さまざまな落とし方をしても、思うように落ちてくれないのが皮下脂肪の特徴。発生する原因は同じなのに、内臓脂肪よりも落ちにくいです。
そもそも内臓脂肪と比べて、皮下脂肪がさまざまな落とし方をしても落ちない理由は、下記の2つ。
- 皮下脂肪よりも脂肪細胞が小さいため
- エネルギーの消費はまず内臓脂肪の方から使われるため
このような皮下脂肪の特性を理解して、後述する落とし方に取り組むことが重要です。
皮下脂肪が多くなると…
皮下脂肪のさまざまな落とし方にチャレンジしても、思うように落ちてくれないからといって、そのままにしていたらどうなるのでしょうか。
また、皮下脂肪が多くなると、下記のようなことになる可能性があります。
- 体型が崩れる
- 糖尿病のリスクが上がる
皮下脂肪は、女性にとってついてほしくない部位についてしまうのが現状。脂肪は筋肉よりも軽く、同じ重さなら、サイズは脂肪の方が1.3倍大きいといわれています。
そのため、体重は増えていないのに、体型が崩れていくといったケースも珍しくありません。
脂肪が増えることで、生活習慣病のリスクが高まるのは内臓脂肪。そして、米国国立心肺血液研究所(NHLBI)の研究グループが、内分泌と肥満に関する専門誌ジャーナル・オブ・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズムで下記のような発表をしています。
”皮下脂肪の密度が高いと、男性は内臓脂肪の割合が上がり、女性は糖尿病や高血圧のリスクが高くなる”
内臓脂肪と同じく皮下脂肪も多くなると、病気のリスクが上がる可能性もあるとのことです。
皮下脂肪の落とし方をご紹介!
皮下脂肪がついた状態が続くと、よくありません。
しかし、簡単には落ちてくれない皮下脂肪は、どんな落とし方をすればよいのでしょうか。
ここでは、皮下脂肪のおすすめの落とし方を紹介しています。
・踏み台昇降
皮下脂肪を落とすためにもっとも効果的なのが、有酸素運動です。
主な有酸素運動は、下記の運動が挙げられます。
- ジョギング
- ウォーキング
- 水泳
- サイクリング
しかし、これらは基本的に屋外で行うため、毎日は難しいという方もいることでしょう。
そうした方におすすめの有酸素運動のうち、皮下脂肪の落とし方として有効な運動が踏み台昇降です。
踏み台昇降はただ段差を上がり降りするだけですが、ウォーキングよりも多くのカロリーを消費するといわれています。
- 20cm程の段差を用意する(階段でも可)
- 背筋を伸ばして段差の前に立つ
- 右足→左足の順番で一段だけ登る
- 右足→左足の順番でゆっくり降りる
- 腕をしっかりと振りながら3と4を10分間続ける
- 約1分間休憩したら再開
- 計3セット行う
これらの手順で実践し、皮下脂肪を落としていきましょう。
・空中自転車こぎ
空中自転車こぎは、特別な道具などを必要としないため、準備するものもなくすぐに始めることができます。
また、テレビや動画を観ながらできるのも魅力です。
- 床にあお向けになる
- 両膝を立て、手を頭の後ろで組む
- 自転車をこぐように、片方の足を90度に曲げ前に伸ばす
- 3を左右の足で交互に繰り返す
- 30秒間続ける
- 約1分間休憩したら再開
- 計3セット行う
これらの手順で実践し、皮下脂肪を落としていきましょう。
・リバースクランチ
筋トレでの皮下脂肪の落とし方には、実はあまり効果がないといわれています。
しかし、少しきついと感じる強度の筋トレを行うことで、脂肪燃焼を促進させるホルモンが分泌されます。
そのため、前述した有酸素運動と併せて行うと、皮下脂肪が落とせる可能性があります。
- 床に仰向けになる
- 膝を90度に曲げて足を上げる
- その状態で限界まで両脚を上げる
- 限界まで上げたら、そこで数秒キープ
- ゆっくりと足を下げていき、2の状態に戻る
- 2~5を10~20回行う
- 約1分間休憩したら再開
- 計3セット行う
これらの手順で実践し、皮下脂肪を落としていきましょう。
まとめ
今回は、皮下脂肪が多くなるとどうなるのか、またおすすめの落とし方などについて解説してきました。
女性はホルモンの関係で、もともと皮下脂肪がつきやすいといわれています。
1度皮下脂肪がつくと落とすのは大変ですが、そのままにしておくことはよくありません。
皮下脂肪がついてしまった原因を見つけると同時に、本記事でおすすめした落とし方をぜひ試してください。
(TOP写真提供 = Huha Inc/ Unsplash.com)
《参考記事一覧》
しぶとい皮下脂肪を効率的に落とす「4つの方法」と「基礎知識」(Precious.jp)
男の皮下脂肪を本気で落とす!4つのポイント解説。食事と筋トレの方法も(readccare)