野球のホールドとは? ~ホールドの条件とセーブとの違い、ランキングやポイントについて〜

もともと野球では、先発完投型のピッチャーが重要という考えが多い傾向でした。

しかし、最近ではピッチャーの分業化が進み「先発」「中継ぎ」「抑え」のそれぞれで、役割が分けられています。

そのなかで、野球における指標として「ホールド」という考え方が誕生しました。

本記事では、ピッチャーの評価方法として日本でも採用され始めた「ホールド」について解説します。

ぜひ、最後までご覧ください。

ホールドとは

ホールドとは、中継ぎの役割を担う投手を評価する指標の一つです。ホールドには英語で「保つ」と言う意味があり、中継ぎ投手が「リードや試合展開を保つ」、つまり試合の状況を変えずに降板した際に記録され、カウントされます。

日本のプロ野球では、1996年にパ・リーグが採用しました。一方、セ・リーグでは1996年にリリーフ・ポイントとして始まりました。2005年から新規定を定めて、セ・パ両リーグがホールド採用を開始しましたが、メジャーリーグの場合、公式な記録としては採用していません。

ホールドの条件

満たすべき4つの条件

下記の4つの条件を満たす必要があります。

  1. 先発、勝利、敗戦の投手に該当しておらず、セーブも記録していないこと
  2. 試合終了までは投げないが、救援投手(リリーフ)として登板すること
  3. 1つ以上アウトをとっていること
  4. ランナーを残して降板後、そのランナーが同点または逆転の走者としてホームインしていないこと

これらに加えて以下の条件をひとつでも満たすと、ホールドの権利を得ることができます。

試合状況の条件

①自チームがリードしている時は、

  1. 3点以内のリードで1回以上投げ、リードしたまま降板
  2. 2者連続でホームランを打たれた場合は、同点か逆転されるところで登板し、1アウト以上投げ、リードした状態で降板する。後述するが、塁上のランナーによって状況に違いがある
  3. 点差に関係なく3回以上投げて、リードしたまま降板する

2の補足として、ホームランを打たれた場合は、塁上のランナーの人数によって以下の表のように記録されます。

ランナーなしソロホームランが2本連続で2失点
ランナー1名ツーランホームランとソロホームランで3失点
ランナー2名スリーランホームランとソロホームランで4失点
満塁満塁ホームランとソロホームランで5失点

たとえ満塁で5失点してしまった場合でも、リードしたままの状態で降板するのであれば、ホールドに記録されます。

②同点の時は、

  1. 同点のまま、失点せずに降板する
  2. 登板中、自チームが勝ち越した時、そのリードのまま降板する

問題点

ホールドの問題点として、以下が指摘されています。

1.チームが敗退しても、ホールドが記録されることがある

ホールドの権利を得て降板し、次の投手によりチームが敗戦した場合であっても、権利を得ている投手にはホールドが付きます。これに対し、先発投手の勝利数や抑え投手のセーブ数は、チームが勝利した際に記録されるべきものであり、敗戦したにも関わらず、記録が付くのはおかしいとの意見もあります。

2.試合の流れに関係なく、勝利投手に権利が変わってしまうことがある

同点の状況でホールドの権利を得た場合であっても、負ければ権利は勝利チームの投手のものになってしまいます。

セーブの条件とセーブとの違い

ここで、混合されやすいセーブの違いについて解説します。

セーブとは、簡単にいうと抑え投手に対してつけられる評価記録です。

そのセーブがつけられる条件は、以下の必須4項目を全てを満たした上で、追加項目3つのうち1つ以上を満たしていること。

必須4項目とは、

  1. 勝利チームで最後に投げていた投手
  2. 勝利投手の記録を得ていない投手
  3. 最後の3アウト目を取った投手
  4. リードを守って試合を終えた投手

追加の項目は、

  1. 3点以内のリードで登板し、最低1回投げた場合
  2. 2名のバッターに連続ホームランを打たれた場合、同点か逆転になる場面で登板して抑えた場合
  3. 最低3イニングを投げてリードを守った場合

ホールドとの違い

ホールドは、同点で登板した場合でも条件を満たせば、権利が与えられ、同じ試合で複数人のピッチャーが記録することができますが、セーブはリードで登板し、チームが勝利することが必須条件となっています。ですから、1試合につき1名にしか権利が与えられません。

ホールドランキング

写真提供 = Antoine Schibler / Unsplash.com

2021年のプロ野球シーズン終了時での歴代通算ホールド数ランキングTOP10を、下表にまとめました。

順位ホールド数投手
1位373宮西 尚生
2位273山口 鉄也
3位200浅尾 拓也
4位174マシソン
5位163五十嵐 亮太
6位163藤川 球児
7位159青山 浩二
8位158増井 浩俊
9位148谷元 圭介
10位145益田 直也

2021年のプロ野球シーズン終了時での歴代通算ホールド数ランキング首位は変わらず、宮西尚生投手でした。

また今回、2021年度シーズン終了時における200ホールド以上の投手は3名のみ。「宮西投手」「山口投手」「浅尾投手」でした。

宮西投手はまだ現役で、さらに記録が伸びそうです。

同時期のシーズン記録では、セ・リーグ記録が2010年に中日、浅尾投手の47ホールド、パ・リーグ記録では2012年に日本ハムの増井投手が記録した45ホールドです。

ホールドポイントとの違い

まずホールドポイントというのは、ホールド数+救援勝利数で出される数字で、最優秀中継ぎ投手を選ぶ際に用いられる重要な選考基準になります。

これは、2005年にセ・パ交流戦が始まったことに伴い、考案されました。

普段リリーフをしている投手が先発して勝利投手になった場合は、HPに加算されません。

2021年のプロ野球シーズン終了時での歴代通算ホールドポイント(HP)ランキングTOP10を、下表にまとめました。

順位ホールドポイント投手
1位409宮西 尚生
2位324山口 鉄也
3位232浅尾 拓也
4位218藤川 球児
5位201マシソン
6位196青山 浩二
7位191五十嵐 亮太
8位185増井 浩俊
9位181又吉 克樹
10位174益田 直也

2021年のプロ野球シーズン終了時での歴代通算ホールドポイント(HP)獲得において、注目の選手は、首位の宮西投手です。

ついに、歴代の通算獲得ホールドポイントが400を突破。未だ現役で活躍中の宮西投手に、今後も期待が集まります。

まとめ

今回は、野球における「ホールド」の仕組みや歴代ランキングを紹介してきました。

ホールドの仕組みが確率する前の野球では、中継ぎ投手は体力面、精神面でも負担が大きい反面、十分に評価されないという現状が多々ありました。

しかし、ホールド制度を採用してからは、中継ぎピッチャーのチーム貢献度を可視化できるような仕組みに変化。まだ完璧な制度とはいえませんが、今後のさらなるホールドという制度の進展に期待が高まります。

(TOP写真提供 = Katrina Berban / Unsplash.com)


《参考記事一覧》

【野球のホールド】定義や必要な条件とホールドポイント(HP)との違い (キャッチャー目線)

野球のセーブの条件・ルールとは?【ホールドとの違いについても解説】 (mochirog)

ホールド(通算)・ホールド(シーズン)(日本プロ野球記録)

歴代最高記録ホールド(NPB)

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