日本でも競技人口が増え、市場規模が拡大しているeスポーツ。そんなeスポーツへの参入を検討している企業にとって、気になるのがその現状と将来性なのではないでしょうか。
本記事では、eスポーツの市場規模の現状と将来性について、分かりやすく紹介します。
収益構造や市場拡大の要因についても開設するので、ぜひ参考にしてください。
2020年、日本のeスポーツ市場規模は66.8億円を突破
KADOKAWA Game Linkageの発表によると、2019年度の日本のeスポーツ市場規模は61.2億円 。
そして、「ファミ通」の発表によると、2020年度の日本のeスポーツ市場規模は昨年対比109%の66.8億円。
年々、その市場規模が拡大していることが分かります。
また、日本のeスポーツファン数は昨年比142%となる686万人。このことから、日本のeスポーツ市場は今後も拡大していくと予想されます。
収益構造と市場規模拡大の要因
「KADOKAWA Game Linkage」の発表によると、2019年度の日本eスポーツ市場の収益構造は
- スポンサー収益:75.7%
- アイテム課金:8.9%
- 大会やイベントの放映権:8.4%
- チケット収入(大会・イベント):5.5%
- 関連グッズによる収益:1.1%
でしたが、2020年度もスポンサー収益がその約7割を占めるなど、eスポーツはスポンサー収益によって支えられているのが現状です。
2020年の変化として、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、リアルでのスポーツが制限され、在宅時間が増加したことが挙げられますが、それに伴い、ゲームに時間を費やす人が増加。
2020年には、
- VALORANT
- PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS(PUBG)
- レインボーシックス シージ
- Shadowverse
- League of Legends
などの人気タイトルの大会が開催されましたが、これらのイベントや大会のチケット収入は減少し、放映権による収益が増加するなど、収益構造に変化がみられました。
2020年、世界のeスポーツ市場規模は約9億7390万ドル
日本のeスポーツ市場規模が拡大傾向にある、と前述しましたが、世界のeスポーツ市場規模も拡大しています。
「KADOKAWA Game Linkage」の発表によると、2020年の世界のeスポーツの市場規模は約9億7390万ドルと、昨年と比較し、約1.7%の増加。その要因の1つに、2020年に世界各国で新型コロナウイルス感染症が広まったことにより、外出制限がかかったことが挙げられます。
その結果、自宅で楽しめるeスポーツに注目が集まりましたが、eスポーツの注目度は年々高まっており、スポンサーとなる企業も増加しています。
eスポーツの市場規模は2023年には15億9820万ドルに達するとされるなど、さらなる拡大が予想されています。
eスポーツのスポンサー企業
eスポーツのスポンサーとなる企業は、年々増加していますが、なかでも、スポンサーとしての参入が目立っているのが自動車・飲料・アパレルの3業界です。
自動車業界では、
- HONDA
- 日産
- BMW
- アウディ
- 起亜
などの企業が、eスポーツチームとスポンサー契約を結んでいることが知られていますが、例えば、HONDAは、アメリカの強豪eスポーツチームの「チーム・リキッド(Team Liquid)」とスポンサー契約を結んでいます。
また、飲食業界では、コカ・コーラが「オーバーウォッチ・リーグ」のオフィシャルスポンサーに、そして、レッドブルがeスポーツ大会のオフィシャルスポンサーとなっています。
コカコーラは「オーバーウォッチ・リーグ」のオフィシャルスポンサー以外に、eスポーツチーム「Sengoku Gaming」のスポンサーや、夏に行われる高校生の大規模eスポーツ大会で、eスポーツの甲子園とも呼ばれる「Coca-Cola STAGE:0 eSPORTS High-School Championship 2019」のメインスポンサーになるなど、さまざまな契約を結んでいます。
飲食業界・アパレル業界のeスポーツのスポンサーには、下表のような企業があります。
飲食業界 | アパレル業界 |
・Monster Energy ・eNgage・teaRIOT・Sneak | ・Nike・Champion・New Era・Puma |
まとめ
今回は、2020年最新版のeスポーツ市場規模について解説してきました。
今後も成長することが予想されるeスポーツ市場規模。5Gが浸透すれば、完全オンラインで快適な環境でのリモート観戦が可能となり、eスポーツ大会の知名度も上がることでしょう。
日本でも、5G導入によって、今後その市場規模がさらに拡大していくことが予想されます。
日本、そして世界のeスポーツ市場の今後に注目が集まります。
(TOP写真提供 = Roman Kosolapov / Shutterstock.com)
《参考記事一覧》
2020年国内eスポーツ市場規模は昨年対比109%の66.8億円。『VALORANT』の登場や『R6S』など人気タイトルのオンライン大会開催で市場拡大(ファミ通.com)
市場規模9.7億ドル超!拡大し続けるeスポーツ市場(criteo)
2020年eスポーツ市場、スポンサー収入下がる ファンは1.4倍(advertimes)
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